子猫は成猫よりも抵抗力がなく、環境の変化に敏感です。はじめは軽い症状と思っても急激に悪化し、重症化することもあります。子猫の小さな異変に気づくには、成猫よりも小まめに健康状態をチェックすることが肝心です。ここでは、子猫の体調の異常を見極めるためのポイントについて詳しくご紹介します。

成猫と比べて、子猫の特徴とは?

 

 

一般的に生後1年までを子猫と呼びますが、大型猫種は1歳を超えても成長を続ける場合もあります。人間の子どもも同じですが、子猫は成猫に比べて免疫力、体力がないため病気にもかかりやすく、飼い主さんの小まめな健康チェックと管理が必要です。

子猫と成猫の違い

体:脳や感覚器官、内臓器官、骨格、筋肉などが未発達

免疫力:弱い

歯:6ヵ月齢くらいまで乳歯

性格:好奇心旺盛で活発(際限なく遊んでしまう)

食事:成猫よりも多くのエネルギー、たんぱく質、脂質などが必要

日常的にチェックするポイントとは?

食事量と体重

子猫は日々成長していくために、成猫より多くのエネルギーが必要で、食欲旺盛です。もし1食でも食べないことがあれば、注意しましょう。また、子猫は生後2か月までは1日あたり10gほど増え、その後6ヵ月齢くらいまでは1か月で約1.2~1.5倍体重が増えていくため、体重の増加は健康状態を知るうえで大切なことです。毎日体重を計測・記録し、体重がなかなか増えない場合は獣医師に相談しましょう。

 

【観察ポイント】

□ 食欲がない/食べない
□ 体重が順調に増えていない
□ 食べたあと、嘔吐する
□ 食べているとき、鼻から食べ物が出てくる

排泄(ウンチ)

子猫は大体1日1~2回ウンチをしますが、毎日しない猫もいるのであまり神経質にならなくても大丈夫です。しかし、3日以上ウンチをしていない場合は便秘と考えましょう。反対に、下痢の場合は脱水を起こしやすいため、早めに病院に連れて行きましょう。

健康な子猫のウンチの特徴

授乳期のウンチ:歯磨き粉程度の柔らかさ。色は黄色~薄茶色。量は小指の第2関節程度で毎日はしない。
離乳期のウンチ:油絵具程度の柔らかさ。色は薄茶色~茶色。量は小指1本程度。
離乳後のウンチ:成猫のようなコロコロ硬いウンチ。臭いもきつくなる。

 

 

【観察ポイント】

□ 3日以上ウンチをしていない
□ 離乳後なのにスコップにつくほどウンチが柔らかい(下痢と判断)
□ 水っぽいウンチをしている(授乳中だとしても)
□ 血が混じっている(色に赤味がある)
□ 表面にヌルヌルした粘液がついている

排泄(おしっこ)

子猫は、成猫よりも1日におしっこをする回数が多く、1日に4~5回します。なかには3〜4時間に1回おしっこをする子もいます。つまりおしっこの回数が成猫と同じくらいというのは、水分が足りていないのかもしれません。また、回数が多いからといって1時間に何度もおしっこをするようであれば要注意です。

健康な子猫のおしっこの特徴

離乳前のおしっこ:色も薄く、臭いもほとんどない。
離乳後のおしっこ:成猫のように黄色く臭いのきついおしっこをするように。

 

【観察ポイント】

□ 1時間に何度もおしっこをする
□ 半日に1回程度しかおしっこをしない
□ 色が濃い/薄すぎる
□ 赤味がある/茶色味がある
□ 離乳したのに、おしっこの臭いがほとんどない

呼吸

子猫の呼吸数は1分間でおよそ35回程度です。ときに遊びすぎて呼吸が荒くなることがありますが、何もしていないにも関わらず、呼吸が荒い、すぐ休みたがるという場合は、循環器や呼吸器に問題があるかもしれません。獣医師の診察を受けるようにしましょう。

 

【観察ポイント】

□ 呼吸数が1分間に45回以上
□ 呼吸するとき、胸やお腹が大きく上下している
□ ちょっと遊んだだけで、口でハアハア息をし始める
□ 遊びたがらない、遊んでもすぐ休む

睡眠時間と活動時間

子猫の時期は成猫よりも1日の合計睡眠時間が長めです。とはいえ、以下の図①のように起きているときは何にでも興味を示し、何でもおもちゃにして、びっくりするくらい活発に遊びます。もし、食事や遊びにも興味を示さずに眠ってばかりいて、1日の活動量が低下しているようであれば、病気やケガが疑われます。発熱や下痢、痛みといった症状がないか確かめ、獣医師に相談してください。

 

【観察ポイント】

□ 元気がない
□ おもちゃや遊びに興味を示さない
□ 遊んでもすぐ疲れて寝てしまう
□ 眠ってばかりいる

 

 

図①:子猫の1日の活動グラフ

 

 

※データ出典:日本動物高度医療センター JARMeC

定期的にチェックすべき体の状態

毎日ではなくとも、週に1回など定期的にチェックすべき体の状態があります。基本的に成猫と同じですが子猫は小さくて気づきにくいため、特に注意して確認しましょう。

 

【観察ポイント】

□ 目:目ヤニや充血はないか、目を痒がっていないか、瞬膜が出っぱなしになっていないか
□ 耳:耳垢が多くないか、耳垢がネバネバしていないか、悪臭がしていないか
□ 鼻:鼻水が大量に出ていないか、鼻の表面が乾いてないか
□ 口:口臭が強くないか、舌や唇の色が白っぽくないか、歯がちゃんと生えているか
□ 皮膚・被毛:フケが出ていないか、痒がっていないか、脱毛はないか

子猫のワクチン接種と健康診断について

 

 

母乳を飲んで育った子猫は、生まれてから2ヵ月目くらいまでは母親からの移行抗体があるためワクチンを接種しても免疫がつくられません。移行抗体が切れる2か月齢くらいに初回ワクチンを打ち始めましょう。ただし、母親からの抗体が消失する時期は個体差があるため、念のために複数回時間をあけて打つことが推奨されています。子猫を感染症から守るためにワクチン接種は必要で、接種前には必ず健康診断があります。この機会を活用して、日常気になっていることを獣医師に相談してみましょう。

 

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竹原獣医科医院 院長

竹原秀行

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