愛猫の健康を維持し、病気を予防・早期発見するためには、活動や行動を日常的、定期的に観察し、変化に気づいてあげることが非常に大切です。しかし、日々、食欲や排泄物について何となく見てはいるものの、具体的に何を確認すべきか、分からないことも多いでしょう。ここでは、猫の体調をしっかり把握するためのチェックポイントについてご紹介します。

日常的にチェックするべきポイントとは?

 

生命を維持するために欠かせない「食欲」「飲水量」「排泄」「呼吸」は、愛猫の健康管理にとても大切な活動です。特に、体力のない子猫、シニア猫にとっては、体調不調の早期発見のカギとなります。

1.食欲

食欲の有無は体調の良し悪しをよく表す、健康のバロメーターです。食欲の増減とともにどの程度体重に変化があるか合わせて把握すると良いでしょう。

 

食欲が減ってきた/まったく食べない/食べたそうなのに食べない
食べ過ぎている
□ 急な体重の増減があった(太る痩せる

 

2.飲水量

飲水量はさまざまな病気を知る手がかりになりますが、特に猫は腎臓の病気にかかりやすいため、飲水量の増減は大切なポイントです。

 

いつもより飲水量が減った/まったく飲まない
いつもより飲水量が増えた
□ 飲むときに大量のよだれが出る(よだれが多い

3.排泄

排泄物も、食欲と同様に健康のバロメーターです。急性の下痢は特に子猫、シニア猫 では命に関わることがあるため、頻尿や多尿、排尿困難や血尿も重篤な病気のサインです。

 

□ ウンチの色/状態(硬さ)/臭い/回数(血便が出ている下痢をしている便が出ない便の様子がおかしい
□ 尿の量/色や不純物/臭い/回数(尿が出ない尿の色がおかしい尿の回数や量が多いトイレを失敗する

4.呼吸

呼吸の仕方、呼吸数は、命に直結するサインです。十分な酸素が取り込めないとき、または体温に異常があるときに呼吸が乱れます。猫では1分あたり20~35回の呼吸数が正常ですが、呼吸数の異常と一緒に、呼吸の方法や音の有無を確認しましょう。

 

□ 呼吸数が速い/遅い
□ ヒューヒュー/ゼーゼーといった呼吸音がする
□ 口で呼吸している(呼吸が苦しそう
□ 胸が大きく動いている

ふだんの活動で併せて確認したい3つのポイント

1.睡眠

猫は基本的に睡眠時間が1日16時間と長い動物ですが、これよりも長すぎたり少なすぎたりすることは、ストレスがある、または病気の可能性があります。

 

□ 睡眠時間が長くなった/短くなった(元気がない
□ 寝てもすぐ起きてしまう
□ 寒くもないのに、丸まってじっとしている(へそ天などリラックスポーズをしない)

2.日常活動

夜の運動会、遊び、お気に入りの場所へのジャンプなど、日常活動の活発さや時間の長さも病気を見分けるポイントとなります。

 

□ 活動時間が減った
□ 異常に活発になった
□ 高い所にジャンプしなくなった
□ ジャンプの回数が減ってきた

3.行動

日常の行動(様子)をチェックすることも異常を見つけるのに役立ちます。

 

□ 興奮して落ち着きがない
□ あてどなく動き回る
□ 反応が鈍い/動作が鈍い
□ 歩き方がおかしい(よろけたりする

定期的にチェックした方が良いポイントとは?

 

毎日でなくても構いませんが、例えば週に1度など定期的に猫の体を部位ごとに確認すべきこともあります。

1.皮膚

皮膚は、外界からの刺激や細菌・ウィルスの感染から体を守る大切な器官です。特に猫は皮膚が被毛で覆われて見落としがちなので、意識して確認しましょう。

 

□ 湿疹がある(皮膚が赤い皮膚が黒い皮膚から出血している毛が抜けている
腫れやしこりがある
痒がる
フケが出る

2.耳

特に垂れ耳の猫種は、耳の中が湿りやすく、耳の病気になりやすいため注意が必要です。

 

耳垢が多い
□ 耳垢がねっとりしている
痒がる
□ 頻繁に頭を振る
気になる臭いがある

3.鼻

鼻も体調を崩していることを知る1つの手がかりです。

 

□ 鼻が乾燥している
鼻水が出る
鼻血が出ている

4.目

目には、目そのものの異常だけでなく、脳や体の異常も現れます。

 

目ヤニが多い(色や粘度も確認)
涙の量が多い
赤く充血している
痒がる

5.口

口の異常は口腔内の問題だけでなく、感染症が原因であることもあります。

 

口臭がきつい(口が臭い
よだれが大量に出る(よだれが多い
よだれに血が混じる(口の中から出血している
□ 口腔がただれている(口の中にできものがある

 

猫は我慢強く、体の不調を隠す生き物です。飼い主さんが積極的に病気を見つけてあげられないと、重症化してしまうまで全く誰も気付かない…なんてケースも。見た目ですぐに分からなくても、食事や排泄など日常生活の質、活動量を丁寧に確認することで、健康管理、病気の早期発見につながります。

 

 

 

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竹原獣医科医院 院長

竹原秀行

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