初めて猫ちゃんをおうちに迎える方は、どのように接するべきか戸惑う方も多いのではないでしょうか?猫ちゃんといい関係を作るためには、猫がどういう生き物なのかを理解することが大切です。ここでは猫の習性と、気をつけるべきポイントをご紹介します。
猫ってこんな生き物!
狩りが大好き
猫科の仲間にはライオン、トラ、チーター、ジャガー、ヒョウ、ピューマなどがいます。このことからもわかるように、猫はもともと狩りをして獲物をとる肉食動物=ハンターでした。なので、生まれつき狩りの衝動がインプットされています。獲物らしき動き(ねこじゃらしなど)をみると、勝手に体が反応し捕まえようとします。
しかし、現代の室内飼いの猫にとっては本当のハンティングをする機会はほとんどないため、運動不足やストレス解消のためにも、狩りの”まねごと“としての遊びはとても大切です。
猫は“縄張り”を作る
猫はもともと、野生動物として単独で狩りをして暮らしていました。そのため、よそ者に邪魔されずに狩りができ、ひとりでも身の安全を守ることができる「場」を確保することが生存上、とても大切でした。この野生時代のなごりが、今でもテリトリー意識として残っていると考えられています。
室内飼いの猫の場合、基本的には家の中を自分のテリトリーとして認識します。家の中にほかの猫が入ると怒ることもあります。
猫は夜行性
猫は、夜を中心に活動する夜行性動物です。ただし、昼中眠り夜中活動しているわけではありません。猫は一日中、寝たり起きたりのバイオリズムで生活をしており、夜の方がより起きている時間が長いくらいです。
特に猫の活動が活発になるのは、夕方から夜と明け方といわれています。これは、ネズミの活動時間と重なっていると考えられています。
コロコロ変わる猫ちゃんの気分
撫でてほしくて甘えてきたかと思いきや、なでなでしている途中にプイッといなくなることもしばしばあります。とっても気まぐれなのが猫ちゃんの特徴です。
なぜこんなに気分がコロコロ変わるの?
猫は、集団生活をしていた犬と違い、単独で狩りをしている生き物です。集団生活をする生き物ならば、一緒に生活する相手とうまくやっていくために、周りの目を気にしなければなりません。しかし単独行動をする猫にとっては、周囲の目はどうでもいいのです。自分の気分で行動を変える生き物なので、とってもマイペースに見えるのです。
猫と暮らすためのポイント
マイペースな猫ちゃんを人間の思い通りにしようとしても、所詮それは無理な話。甘えたいときには甘えるし、のんびりしたいときには構われたくありません。猫ちゃんと暮らす上で心がけるポイントをご紹介します。
猫が嫌がることはしない
猫は穏やかで静かな空間が大好き。逆に人の出入りが激しい場所や、大きな物音はとても苦手です。追いかけ回したり大声を出したりしないように気をつけましょう。
また、猫は過度なスキンシップを好みません。撫でてほしいときに撫でてもらったり、ブラッシングをしてもらうのは好きですが、抱っこされたり、撫で回されるのは苦手です。あまりにもかまいすぎると猫をイライラさせ、噛み付いたりひっかいたりする可能性もあるので、お互いストレスをためない程度に、程よい距離感を大切にしましょう。
自分がされて困ることは、されないように工夫する
猫をしつけして人間の生活環境に合わせることはできません。例えば、大切な家具で爪とぎをされたくないのであれば、その家具がある場所に猫を入れない、猫が気に入る爪とぎを準備する、などで対策をとります。本能的にしていることをやめさせることはできませんので、問題行動をおこさない環境を整えてあげましょう。
猫ちゃんのしつけについては、『子猫を迎えたときに必要なしつけ』もあわせて読んでみてくださいね!
猫ちゃんのサインを見極めて!
機嫌がいいとき
猫ちゃんが「なでてニャ」と寄ってきたときは、絶対にそのサインを見逃したくないですよね!甘えんぼモードのときや、ご機嫌なときはたくさんかまってあげましょう。
ご機嫌なサイン
・前足を交互に動かして「ふみふみ」「もみもみ」
・からだをこすりつけてくる
・ゴロンとなっておなかを見せてくる
怒っているとき、機嫌が悪いとき
のんびりしている猫をナデナデしていたら、いきなりガブっと噛まれてしまった、という猫飼い主さんは多いのではないでしょうか。いくら気まぐれな性格とはいえ、猫が攻撃的になるのには必ず理由があります。怒りのサインを見逃さず、猫ちゃんがイライラしはじめたらそっとしておいてあげましょう。
こんな仕草は要注意
・しっぽがパタパタ左右に動く
・急にしっぽが太くなる
・喉の奥から息を出すように「シャーッ!」と鳴く
・低い声で唸るように「ミャ~オ~」と長く鳴く
こだわりが強い
猫は自由な生き物ですが、こだわりが非常に強い一面があります。そしてこだわりが強いために、気に入らないものは頑なに受け付けないという頑固な一面もあります。特にキレイ好きなので汚れているものを嫌がる傾向にあります。飼い主さんは以下のことに気をつけましょう。
食事にこだわります
犬と比べると、猫は食欲不振になりやすい生き物。食欲不振になる原因は様々です。フードに飽きたり、お皿にヒゲがあたったことで嫌になったり、外に出しっぱなしでフードがさめたことが気に入らなかったり、またはストレスなどでも食欲をなくします。
もともと食欲にムラがある生き物ではありますが、あまりに食べない状態が続くと脂肪肝という病気になってしまい、最悪の場合死に至ることもあります。絶食状態が24時間続くようなら、必ず病院に連れていってあげましょう。
お水にこだわります
猫はもともとあまり水を飲まない生き物ですが、水を飲まないまま放置しておくと、腎臓や尿路系の病気を発症しやすくなります。水をしっかり飲んでもらうために、猫ちゃんが気に入るタイプのお水を見つけてあげましょう。
詳細は、『猫が水を飲まない!上手な水の飲ませ方は?』の記事よりご確認ください。
トイレにこだわります
猫はキレイ好きな生き物なので、基本的にはトイレは決まった場所でします。もしトイレ以外の場所で排泄をするようであれば、一度トイレを見直してみてほうがいいでしょう。トイレが汚れていたり、サイズがあっていない可能性があります。
『猫ちゃんが喜ぶ!快適なトイレの作り方』もあわせてご覧ください。
さいごに、猫は自由な生き物ではありますが、放置は厳禁です。トイレが汚れているせいでウンチやおしっこを我慢して病気になってしまうことだってありますし、ストレスで体調を崩してしまうことだってあります。お留守番の目安は1泊2日まで。2泊以上のお留守番になる場合は、ペットホテルや病院に預けるか、友達などにフードや水を取り替えてくれるよう頼んでおきましょう。
★『子猫』に関する「にゃんペディア獣医師監修記事」は、
出会い方☞「ぴったりの猫ちゃんの選び方」
子猫を拾った☞「子猫を拾ったとき、どうしたらいいの?」
健康チェク方法☞「子猫の健康チェック方法とは?
子猫のかかりやすい病気☞「子猫を拾ったとき、
子猫用ミルク☞「子猫用ミルクを与えるときに気をつけるポイント
しつけ☞「子猫を迎えたときに必要なしつけ」
★『子猫のかかりやすい病気』に関する「
猫風邪☞「猫風邪の症状って?治療法も解説」
ヘルペスウイルス☞「猫ウイルス性鼻気管炎」
猫カリシウイルス☞「猫カリシウイルス感染症」
クラミジア☞「猫クラミジア感染症」
ワクチン接種☞「猫の予防接種(ワクチン)で防げる6つの病気」
皮膚糸状菌症☞「猫の皮膚糸状菌症」
FIP☞「子猫の命を奪う恐ろしい病気、FIP(
★「うちの子」の長生きのために、年齢や季節、猫種など、
☞『うちの子おうちの医療事典』で「子猫のかかりやすい病気」
猫カリシウイルス感染症(猫風邪)
猫ウイルス性鼻気管炎(猫伝染性鼻気管炎、
皮膚糸状菌症(真菌症、白癬、カビ)