猫は顔の表情に乏しいため感情表現が苦手と思われがちですが、実はしっぽに感情が細かく表れています。その表現方法はさまざまで、犬よりもバリエーションが豊富かもしれません。ここでは、猫のしっぽの役割としっぽを使った気持ちの表し方について詳しくご紹介します。

猫にとってしっぽの役割とは?

じつはハイスペックな猫のしっぽ。さまざまな機能があるのです。

バランスを保つ

猫のしっぽの最も重要な役割は、バランスを保つことです。猫は高い塀の上や木の枝の上をふらつくことなくしっかりした足取りで歩くことができますが、これは、しっぽがその都度細かくバランスを調整して落ちないようにしているからです。猫にとって高い所は安心できる大切な生活圏。そのような場所で安定して自由自在に移動できるのはしっぽのおかげです。

体を保温する

猫は寒いと体を丸め、しっぽを体に沿わせて顔まで覆います。これは、体温を逃がさないための工夫です。

マーキングをする

しっぽのつけ根にはフェロモンを出す臭腺があります。人の足や柱に猫がしっぽをくるっと巻きつけている場面をよく見ますが、これはフェロモンをこすりつけてマーキングをしている行動です。

コミュニケーションをはかる

人が楽しいとき自然と笑みが顔に浮かぶように、猫の感情はしっぽに表れます。猫にとってしっぽは主要なボディランゲージの手段なのです。主に家族間のコミュニケーションに使われますが、ほかの猫との無用な争いを避けるためにも役立っています。

しっぽで分かる猫の気持ちとは?

意識して動かしているわけではありませんが、しっぽは相手に気持ちを伝える大切なコミュニケーションツールです。飼い主さんもしっぽのサインを読み取れるようになると、猫の気持ちをもっと分かってあげられるでしょう。

まっすぐピンと垂直に立てる

子猫が母親に近づくときによく見られ、親しみの感情を表しています。仲間の猫がしっぽを立てて近づいてくると、それに対して同じようにしっぽを立てる行動が見られるため、仲間同士の挨拶の意味もあると考えられます。

下に垂らして左右にブンブン振る/水平に振る

獲物に飛びつこうとしているとき、勢いよくブンブンとしっぽを左右に振ります。獲物を見つけて興奮した気分が表れているのでしょう。

座っているとき、しっぽを前足に巻きつける

腰を下ろして揃えた前足にくるっとしっぽを巻きつける場面。よく見かけますが、ちょっと一休みしようという気持ちの表れとされます。

しっぽ全体を素早くパタパタ振る

この動作は、イライラと機嫌が悪い気持ちを表します。座っていたり、寝ていたりするときにこのような振り方をすると、しっぽが床に打ちつけられて、バンバンと音を立てることも。撫でているときにしっぽを素早く振り始めたら、かまうのをやめましょう。

毛を逆立てる

何かにすごく驚いたり、怒っていたり(怖い気持ちも混じっている)すると、猫は全身の毛が逆立ちます。同時にしっぽの毛も逆立って、まるでタヌキのようなしっぽになることがあります。

山型にして毛を逆立てる

単に毛を逆立てているだけでなく、体を弓なりにしてしっぽを山型のアーチ状にするときは、かなり興奮して臨戦態勢の状態です。このときにうっかり手を出すと噛みつかれることも。戦いの相手に対し、「自分は大きくて強い猫なんだぞ!」と威嚇し争いを避ける意味もあります。

股の間に挟む

「怖いよー」と逃げ出したくなる気持ちです。強い相手に対する降参の合図でもあります。

だらんと下に垂らす

しょんぼりした気分のとき、しっぽに力なくだらんと下がります。体調が悪い場合もあります。

呼んだとき、しっぽの先だけちょっとだけ動かす

声で返事をするのは面倒だけど「聞いているよ」、「分かっているよ」というサインです。

猫のしっぽはデリケート。触るときの注意点とは?

猫に限ったことではありませんが、しっぽは背骨の続きであり、脊椎の太い神経とつながる非常にデリケートな部位。多くの猫がしっぽを触られるのを嫌がるのはそのためです。無理に触ったりすることはもちろん、引っ張ったりしてはいけません。万一しっぽの神経に傷がつくと、歩行や排泄に障害が出ることもあるため、触るときは優しく撫でる程度にしましょう。

 

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Tokyo Cat Specialists 院長

山本 宗伸

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