
猫と一緒に寝ているときって飼い主さんにとって本当に幸せな時間ですよね。でも、猫の寝場所はさまざま。「いくら布団の中に突っ込んでも、数秒後には出て行ってしまう」ということも少なくありません。かと思えば、布団の足元で寝ていたり・・・。猫が選ぶ寝場所って、いったい何が基準なのでしょうか?
暑い、寒いがひとつの基準
猫は、基本的に寒がりなので暖かい場所を求めて飼い主さんの布団に入ってくることが多いです。なので夏より冬の方が一緒に寝てくれる確率は高くなります。しかし、そんな猫のなかでも「暑がりさん」がいます。冬でも時々フローリングの上に寝そべっていたり、水をよく飲んだり、鼻の頭や肉球が乾き気味だったり。
そういう子は、冬でも布団の中に入りたがりません。だって暑いから。甘えん坊の猫でも、布団の上などで寝ています。こういう子とは、残念ながら、「猫ゆたんぽ」は叶いません。
子猫気分、おとな気分も関係している
野生の猫は、おとなになれば、「おとな気分」しかありません。しかし、人に守られて暮らしている飼い猫は、いつまでも「子猫気分」を残しています。自分ひとりでエサを捕ったり、身を守る必要がないから、いつまでも子猫気分が抜けないのです。
ただし、「子猫気分」「おとな気分」の配合は、猫によってさまざま。子どもっぽい猫もいれば、おとなっぽい猫もいます。また、同じ猫でも子猫気分とおとな気分がコロコロと入れ替わります。さっきまでゴロゴロ甘えてきたのに急にプイッと冷たくなるのは、気分が入れ替わったためです。
例えば、下のA~Eのなかで、子どもっぽい猫が選ぶのはどこだと思いますか?
A・・・顔のそば
B・・・布団の中
C・・・布団の上、股の間
D・・・布団の上、足元
E・・・布団の外、離れた場所
答えはAです。飼い主さんの顔に最も近い場所です。
理由はこうです。動物にはそれぞれ、他者に侵入されると不快なスペースがあります。人間も、パーソナルスペースに親しくない人が近づくと警戒しますよね。そんな猫が、固有のスペースを共有し、他者と顔を突き合わせて一緒に眠るのはどういうときでしょうか?ズバリ、子猫時代です。
飼い主さんの顔のそばで眠るのは、子猫気分を最も多く残している、甘えん坊の猫といえます。
野生では、おとなになった猫はひとりで過ごします。つまりEはおとな気分の強い猫ということ。いくらペットとして飼われていても、「寝るときはひとりがいい」、孤高の存在という感じでしょうか。
顔から離れるごとに、おとな度は高くなります。
ほかのB、C、Dを解説すると、
B・・・寒がりで甘えん坊。「布団の中」という未知の場所に入ることもためらわない、警戒心の少ない大らかなタイプ。
C・・・股の間という「囲われた場所」が好きな猫。飼い主のそばにいて暖をとりたいけれども、手は出されたくない猫。
D・・・やや警戒心が強いタイプ。Cと同じく、飼い主のそばにいて暖をとりたいけれども、手は出されたくない。何かあればすぐ逃げられる場所を選んでいる。
という感じです。
ちなみに、猫がおしりを飼い主の顔に向けて寝ている場合。なんと失礼な・・・と思うなかれ! これは信頼の証なのです。
少し大きくなった子猫は、眠るとき、母猫におしりを向けて眠ります。なぜなら、危険な背後は、安心できる相手に任せたいから。前側は自分が守ればよいですが、後ろ側は、危険を察知しにくいですよね? ですから、信頼できる相手に守ってほしいのです。
人間も、広い場所で休むときは、壁や木などに背中をつけて休みます。これも同じことで、背後を守れる場所を自然と選んでいるのです。
飼い主さんの寝相も関係アリ!
最後に、忘れちゃいけないのが飼い主さんの寝相。いくら寒くても、飼い主さんの寝相が悪くて、落ち着いて寝ていられないんじゃ、猫だってそばでは寝ません。「猫が体の上で寝ていて寝返りが打てない」という飼い主さんがいますが、そういう方は、寝相がよくて、猫が落ち着いて寝やすいんだと思います。さらに、眠りが浅くて、寝返りが打てないことですぐに起きてしまう。
私は、眠りが深いので、猫のせいで眠れなかったことはありません。夫がいうには、「猫が上に乗っていてもエイヤッと寝返りを打つので、そのたびに猫が逃げている」そう・・・。
一方夫は、眠りが浅いので、猫のせいですぐに起きてしまいます。股の間に何匹も寝ていて、暑くて動けなくて起きることもしばしば。お気の毒です!
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