中耳は鼓膜とその奥の空間(鼓室)から成り、内耳はさらに奥のリンパ液で満たされた空間です。中耳の炎症を中耳炎といい、内耳の炎症を内耳炎といいます。細菌感染が原因になることが多いですが、真菌やダニ、異物混入、ポリープなどがきっかけになることもあります。外耳炎から鼓膜を通って中耳炎・内耳炎に波及することが多いですが、口腔内や鼻腔内の炎症から引き起こされることもあります。

こんな症状が出たら気をつけて

頭を振る、耳を掻く、顔が傾いている、口を開けるのを嫌がる、倒れる、よだれが出る、瞬きができない、第三目瞼(目頭の内側に隠れている第三の瞼)の突出など。
これらの症状は炎症による痛みや神経障害によっておこります。

診療方法

耳道の観察や耳鏡という検査機器による鼓膜の観察を行います。また、口腔内の炎症の有無、下顎リンパ節の触診なども行います。また、レントゲン、CT、MRIなどの画像診断を行うこともあります。多くは抗生剤の投与により改善が期待できますが、神経症状をともなうような重度の感染が疑われる場合や、嘔吐などにより食事をとれないような場合は点滴を入れながらの入院処置が必要なこともあります。

治療・診療費はいくらぐらい?

診療項目(内容) 単価(円) 数量 金額(円)
再診料 500 1 500
耳鏡検査 1,000 1 1,000
レントゲン 4,000 2 8,000
耳内洗浄 1,500 1 1,500
皮下注射1 1,500 1 1,500
皮下注射2 1,000 1 1,000
内用薬1 2,000 1 2,000
内用薬2 1,500 1 1,500
合計 17,000円
この診療明細書はアイペット損保の支払いデータから作成した診療費の参考例となります。したがって、診療費用・内容の平均・水準を示すものではありません。

予防方法

定期的な耳掃除や歯科検診を行い予防しましょう。
※過度の耳掃除は逆に炎症を引き起こすこともあるので、注意が必要です。

 

 

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Anicli24 院長

三宅 亜希

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