スコティッシュフォールドの歴史

特徴的な折れた(フォールド)耳を持つスコティッシュ・フォールドは名前の通り、スコットランドの1匹の野良猫を起源とします。折れ耳の猫自体は18世紀の中国の文献に記述があるため、散発的に折れ耳の猫は誕生していたと考えられますが、品種として定着したのはスコットランドの猫でした。

 

1961年スコットランドのテーサイド州という場所に訪れたブリティッシュ・ショートヘアのブリーダーをしていたウィリアム・ロス氏が農場の納屋で耳の折れた白い雌猫を発見しました。ロス氏はこの猫を引き取りスコティッシュ・フォールドの繁殖を開始しました。

 

しかしこの猫種の確立には苦難を極めました。折れ耳は生後3週齢以降に現れ始めますが、安定するまでに3〜4ヶ月かかり中には耳がストレートに戻ることもあります。またこの折れ耳遺伝子は優勢遺伝であり、折れ耳と立ち耳を交配すると、折れ耳と立ち耳はそれぞれ50%で生まれます。

 

一方で、折れ耳同士を交配すると重篤な骨の異常(骨軟骨異形成症)を持って生まれる危険性が高くなります。そのため、1970年代初頭にはスコティッシュ・フォールドは必ず他の品種と交配させることが必要であると報告されました。
現在ではアメリカン・ショートヘアまたはブリティッシュ・ショートヘアと交配することで発症率を下げ、主要な団体からも品種として公認されています。

 

日本では非常に人気が高く、2021年に実施された人気猫種ランキングでも第2位に位置しています(アイペット損保『人気飼育猫種ランキング2021』)。

 

スコティッシュフォールドの特徴

最大の特徴は内側に折れた耳で、小さく前方に倒れているため、ただでさえ丸みのある頭をより丸く強調しています。

 

そのほかアメリカン・ショートヘアブリティッシュ・ショートヘアの血も入っているため、小さい鼻やふっくらした頬はこれらの猫種の特徴を引き継いでいます。がっしりした体型で体重は3〜6kgと幅があり、特にオスは想像以上に大きくなることもあります。

 

スコティッシュフォールドの毛色、被毛

毛質もアメリカン・ショートヘアブリティッシュ・ショートヘアに似ており、やや短めの弾力性がある毛が密集して生えています。基本は短毛ですが、長毛の場合はスコティッシュ・フォールド・ロングヘアと呼ばれます。多くの毛色のパターンが認められており、真っ白や真っ黒のソリッドから、三毛、タビーまで幅広い柄の猫がいます。

 

スコティッシュフォールドはどんな性格?

 

アメリカン・ショートヘアの血も入っていますので優秀なネズミ捕りのハンターで、好奇心旺盛で、遊ぶのが大好きな猫が多いです。一方で人が好きでついて回るような性格だったり、鳴き声が小さい猫が多いともいわれています。

 

スコティッシュフォールドのかかりやすい病気は?

骨軟骨異形成

 

(出典:Catspecialist)

右図:正常な後ろ脚

左図:かかとの付け根に骨瘤(コツリュウ)ができている。赤丸

 

スコティッシュ・フォールド同士を交配させると耳折れ遺伝子が2つ揃ってしまうことがあり、その場合は強い骨の異常(骨瘤)が起こることにより痛みを発します。写真のように四肢に起こるだけでなく、腰椎や尾椎に起こる可能性があります。

 

最近では放射線療法で痛みを緩和できると報告されていますが、根本的な治療方法はなく対症療法しかできない疾患です。
耳折れ遺伝子が1つになるように交配しても、強い症状が出ることもあります。

 

耳の病気になりやすいのでは?

以前は耳が倒れているため、耳の病気になりやすいのではと心配されていましたが、現在では耳の病気になる確率は立ち耳の猫と変わらないことがわかってきました。
耳垢の量には個体差があり、多い場合は立ち耳の猫同様、定期的に掃除してあげましょう。詳しくは「獣医師が教える猫ちゃんの耳のお手入れ方法【獣医師が解説】」をご覧ください。

 

 

鼻の軟骨変形による鼻血について

猫は鼻血をほとんど出さない動物であるといわれていますが、スコティッシュ・フォールドは鼻の軟骨にも変形が及ぶことがあり、その場合はしばしば鼻汁に血が混ざります。人間の鼻血のように血液がたらーっと出るのではなく、ピンク色の鼻水であればそれほど心配ありません。ただ、猫の鼻血は感染症や鼻の腫瘍、凝固異常のこともあるので、スコティッシュ・フォールドでも鼻血が出たら一度動物病院を受診してください。

 

血液型は?

ほとんどはA型ですが、15〜19%のスコティッシュ・フォールドはB型であったと報告されています。

 

 

スコティッシュフォールドと一緒に暮らす上で気をつけることは?

遊び好きで、鳴き声も小さいため飼いやすい猫種の1つであるといえます。比較的被毛が密に生えている種なので週に2回はブラッシングしてあげましょう。

 

 

また骨軟骨異形成など、独特の病気を発症する可能性があるので、正しい知識を身につけておきましょう。もし足の痛みが出た場合は、体重のコントロールや室内の段差を減らしてあげると良いでしょう。

 

・世界で一番美しい猫の図鑑
・The Original Cat Bible; The definitive Source for All Things Cat
・Veterinary Medical guide to dog and cats Breeds

 

 

 

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Tokyo Cat Specialists 院長

山本 宗伸

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