部屋の隅っこでなんだか眉間にしわを寄せたように小難しい顔をして目をつむっている愛猫。ふと耳を撫でると、熱い!これはもしかして風邪?それとも熱中症? ここでは、猫の耳が熱くなる理由と、そのときの対処法を解説します。

*熱中症に関する「にゃんペディア」獣医師監修記事はこちらをご覧ください。

熱中症☞「獣医師が解説!本当は恐い猫の熱中症

夏バテ☞「猫にも夏バテってあるの? 熱中症との違いとは?

 

猫の耳が熱いときに考えられる病気

考えられる原因

発熱

猫の平熱は37.5〜39.2度くらいと人間より少し高め。猫が膝の上に乗ると暖かく感じるのはそのためです。猫の耳が普段より熱いと感じたら、風邪かもしれません。体内でウィルスや細菌と戦っているため発熱しているのです。

 

猫の風邪のウィルスは、猫カリシウイルス感染症猫クラミジアヘルペスなど複数あります。いずれも症状が治まっても体内にウィルスが潜在的に残ってしまうので、体力や免疫が低下したときに再び症状が現れることがあります。耳が熱い以外に、鼻水が出ている、くしゃみをする、ぐったりしている、食欲がない、などといった症状がある場合は、早めに獣医師の診断を仰ぎましょう。

 

熱中症

気温が暑すぎる場合は、熱中症に注意が必要です。猫にはほとんど汗腺がなく、人のようにたくさん汗をかかないため、体温調節が苦手です。鼻で温度を感知し、最適な温度のところに移動します。猫が寒い冬には暖かい場所、熱い夏には涼しい場所を探すのが得意なのはそのためです。
しかし、部屋全体が暑すぎたり、湿度が高く蒸し暑かったりすると、逃げ場がなく熱中症になる可能性があります。夏などの暑い季節は、留守中、愛猫が熱中症にならないように換気や温度管理に気を配りましょう。

 

*詳しくは『獣医師が解説!本当は怖い猫の熱中症』をご覧ください。

耳ダニ

耳ダニがいると、耳が熱くなったり、赤くなったりすることがあります。耳ダニがいると猫はとても強い痒みを感じるので、耳を引っかき、そのせいでさらに熱く赤くなるという悪循環が生まれます。耳ダニは外で感染することが多いですが、完全室内飼いの場合でも、外出時に飼い主さんにつくなどして、猫の耳に侵入することがあります。放置しておくと、他の病気を引き起こすことも考えられるので、早めに治療を開始しましょう。

 

*詳しくは『猫の天敵、ダニについて知っておこう!特に注意すべきなのは「耳ダニ」』をご覧ください。

病気じゃなくても耳が熱くなることがあるの?

 

耳が熱いからといって必ず病気というわけではありません。耳を触る直前、猫は何をしていましたか?激しく走り回っていたり、おもちゃで遊んでいたりしたというなら、運動や興奮で体温が一時的に上昇していると考えるのが自然です。不安なら時間をおいて再度、耳を触ってみましょう。病気でなければ、一定の時間がたつとすぐにいつもの体温に戻っているはずです。

 

猫の体調を管理するのは飼い主さんの役目です。大事なのは猫の状態を全体的に観察すること。耳の温度だけで判断するのではなく、元気があるか、食欲はあるか、いつもと違うところはあるか、など猫の様子を普段から観察することで、違いにいち早く気づくことができるでしょう。

 

 

 

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☞『うちの子おうちの医療事典』で本記事に関連する病気を調べる

猫カリシウイルス感染症

猫ウイルス性鼻気管炎

クラミジア感染症

熱中症

耳ダニ

 

 

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Tokyo Cat Specialists 院長

山本 宗伸

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