普段なら無臭であるはずの猫の耳がなぜか臭い!それにいつもより耳垢が多いような気がする…。そう感じたなら、何かの病気のサインかもしれません。今回は猫の耳が臭いときに考えられる病気について解説します。

猫の耳が臭い!これって病気のサイン?

耳が臭いときに考えられるトラブル

外耳炎

細菌性の外耳炎を起こしていると耳が匂う場合があります。外耳炎とは耳の入り口から鼓膜まで通じる道である外耳に炎症が起きる病気です。猫にとっての外耳炎とは、人間で例えるなら手についた雑菌が目に入って、ものもらいを起こすようなもの。健康状態には関係なく、ふとしたことで起きてしまいます。放置しておくと慢性化したり、治療が困難な中耳炎や内耳炎 に発展したりする恐れもあるので、早めの治療が大切です。

 

*詳しくは『猫の外耳炎【獣医師が解説】』をご覧ください。

真菌性の感染症

外耳炎以外には、真菌性の感染症の可能性があります。真菌とは普段から生き物の体内で暮らしている菌。通常は体に害を及ぼしませんが、免疫力や体力が低下すると過剰に増殖するというのが特徴です。耳からの悪臭以外に皮膚を痒がる素振りを見せたり、フケの量が増えたり、体の一部が脱毛したりすることもあります。抗真菌剤で治すことができますが、繰り返す恐れがあるので完治するまで徹底的に治療しましょう。

耳ダニ

生まれたばかりの子猫や、引き取ったばかりの猫は耳ダニ(ミミヒゼンダニ)の可能性が高いと考えられます。耳ダニはもともと体内にいるだけでなく、外猫と触れることで感染することも少なくありません。また、完全に室内で飼っていても、外出した飼い主さんにくっついて家の中に入ってきてしまう可能性もあります。耳ダニは耳垢や耳の中の皮膚などを栄養素として生息し感染力が強いので、多頭飼いの場合は見つけ次第、同時に駆除しましょう。

 

*詳しくは『【獣医師監修】猫の天敵、ダニについて知っておこう!特に注意すべきなのは「耳ダニ」』をご覧ください。

耳が臭いときはどんな治療をするの?

投薬を行う場合、感染症なら抗生剤、ダニなら抗ダニ剤を使います。抗ダニ剤は動物病院でも自宅でも同程度の効果を期待できるので、通院が難しい場合は自宅にいくつかストックしておくと安心です(抗生剤はストックができないため、その都度、通院が必要)。病気の度合いによりますが、犬の場合は状態が悪いと耳の洗浄を行うこともあります。犬は耳の洗浄液を耳の中に注入しバシャバシャと洗うこともありますが、猫の場合は交感神経に異常をきたすホルネル症候群を引き起こす恐れがあるので、可能な限り洗浄はしません。

清潔に保つことで匂いを予防できる!

耳垢が多い猫は、あらゆる耳トラブルを起こしやすいと考えられるので、定期的に耳掃除をする習慣をつけましょう。むやみに耳の奥に指をつっこむと、かえって耳のトラブルを起こしかねないので、耳介(じかい)の外側をお湯で湿らせたコットンで拭くだけで十分です。耳垢は体内から発生する自然な油分なので、徹底的に掃除する必要はありません。耳垢の量には個体差があるので、耳垢の量が多いか少ないかは診察時に獣医師に確認してください。

 

スコテッシュフォールドは耳の形状上、少し耳垢がたまりやすいと言えます。とはいえ、猫種の違いはそれほどなく、個体差のほうが大きいと考えられます。外飼いの猫や、室内飼いでも猫を外に出すことがあるなら、月に1回程度の抗ダニ剤を続けましょう。

 

犬と比べると猫の耳トラブルはそれほど多くありません。ただし、一度発症すると繰り返す可能性があるので、注意が必要です。普段から耳をよく観察し、定期的に目視できる範囲内の耳掃除を習慣づけるなど、自宅でケアをすることが予防につながります。

 

Tokyo Cat Specialists 院長

山本 宗伸

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