私たち人間は、暑い日が続くと食欲が落ちて倦怠感や下痢といった夏バテになりますが、猫も夏バテによって体調不良を起こすことがあります。今回は、猫の夏バテの症状とその対処法についてご紹介します。

 

 

夏バテは熱中症とどう違うの?

 

熱中症は、高い気温、湿度にさらされたことで急激に体温が上昇し、体温調節ができなくなった状態をいいます。体温上昇とともに呼吸が荒くなり、重症化すると意識を失ったり、痙攣を起こしたりし、最終的には臓器が損傷を受けて命に関わることも。従って、熱中症と思ったらすぐに動物病院を受診する必要があります。

一方、夏バテは数日から数週間かけて起きる体調不良で、熱中症のような急激な体調変化は起きません。ちなみに、夏バテという言葉は熱中症と違って医学用語ではなく、夏の暑さによって引き起こされる、食欲不振、だるさ、下痢といったさまざまな体調不良を総称する言葉です。

 

 

夏バテになるとどのような症状が出るの?

 

猫が夏バテになると次のような症状が起こります。しかしこれらの症状は他の病気の初期症状と区別が難しいため、自己判断せず、動物病院で診察を受けることが大切です。

 

  • 食欲不振

人間同様、猫も夏バテになると食欲が落ちます。食べないと体力も失われるため悪循環に。いつものご飯を残す、好きなおやつも食べないなど食欲不振の症状が見られたら、早めに獣医師に相談しましょう。

 

  • 飲水量が減る

もともと猫は水をたくさん飲む動物ではありません。飲水の量が減ると脱水になってより夏バテの症状が重くなることもあります。

 

  • 嘔吐または下痢がある

食欲不振や飲水量の低下など、猫の夏バテは消化器系に影響が出る場合が多く、嘔吐下痢もその一つの症状です。嘔吐と下痢が続くと脱水にもなり、病気の可能性があるかもしれないため、様子見せずに動物病院に連れて行きましょう。

 

  • ぐったりしている

夏バテになると、食欲も落ちて体力もなくなります。そのため元気がなくなり、ぐったりして寝てばかりいる、疲れたようにしていることが多くなります。また、体力がないため毛づくろいもしなくなります。

 

  • おしっこの量が少なくなる

飲水量が減れば、当然おしっこの量・回数も減ります。猫は泌尿器系の病気にかかりやすいため、おしっこの量や回数が減るのはあまりよくありません。このような症状が出た場合はすぐに病院を受診しましょう。

 

 

夏バテの予防と対策4つのポイント

 

猫は夏の暑さに強いといわれますが、実は発汗できるのは肉球のみと体温調節は人間よりずっと苦手です。特に子猫老猫、病気の猫、または長毛種や短頭種の猫は気温の影響を受けやすく、予防や対策が大切です。

 

1)室温・湿度の管理

夏バテを防ぐ最も重要なことは、室温と湿度の管理です。エアコンや除湿器などを使って、寒暖差をなくし、室温を28℃、湿度を40~60%に保つようにしましょう。

 

2)いろいろな環境を用意する

猫によってはエアコンが嫌いだったり、同じ室温でも寒いと感じたり暑いと感じたりするため、猫が自由に場所を行き来できることが大切です。日が当たるリビング、冷たい廊下、毛布やベッドがある部屋など、バリエーションのある空間づくりを心掛けましょう。

 

3)フードを工夫する

体力維持のために、夏場の時期は栄養補助食などの栄養価の高いものを与えても良いでしょう。もし食欲が落ちてしまったら、猫の好きなおやつをトッピングしたり、フードをレンジで温めて(ドライでもウェットでも)香りを立たせたりしてから与えるのも一つの方法です。

 

4)水分補給の工夫をする

なるべく多く水を飲ませるため、水場を増やしましょう。流れる水を用意しても良いかもしれません。また、猫用ミルクやスープ状のウェットフードを与えるのも効果的です。ただし、暑いからといって冷水や氷水はかえって胃腸の働きを低下させるので与えてはいけません。人間用のスポーツドリンクや経口補液も、糖分、ミネラルが多く含まれているので猫には禁物です。

 

猫は上昇した体温を、人間のように発汗によって効率よく下げることができません。夏バテにさせないためにも、日ごろの対策と体調管理をしっかり行うようにしましょう。

Tokyo Cat Specialists 院長

山本 宗伸

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