今年も3月11日が巡ってきます。あの大震災から早5年の月日が経過しました。東日本大震災では、その前に起こった阪神や長野の震災から学び、動物保護は比較的早い時期にスタートしました。

当時から猫の島として知られていた田代島も、早い段階から救援の手が伸びて、復興を目的とした「田代島にゃんこ・ザ・プロジェクト 」は驚異的な早さで目標の募金金額を達成しています。けれど、原発事故のあった福島の避難区域では、多くの動物たちが取り残されました。福島の猫たちは、今、どうしているのでしょう。

 

決死のボランティア

もちろん、当時から多くの熱心な保護団体が猫のために立ち上がり、バリケードをかいくぐって警戒区域内に入り、猫への支援を行いました。

高円寺ニャンダラーズねこさま王国アニマルエイド…。猫とも新聞とおなじ埼玉にあるアニマルエイドさんのお話しを伺ったときには、バリケード内への立ち入りが警察に見とがめられて始末書を書いたり、きちんと除染をしているのに駐車を迷惑がられたりしたといいます。猛暑の中、全身防護服での過酷な作業。真冬の豪雪の中での餌やり。シェルターは福島猫であふれ、多くが去勢避妊をしていないばかりか、猫エイズ白血病の罹患率も高く、医療費も大きくふくれあがりました。どの団体も、そのご苦労は大変なものだったと思います。

 

今もなお活動は続く

そして、今も、福島の猫のために活動を続ける人々がいます。特定非営利活動法人『未来といのち』です。残っている猫ちゃんたちは警戒心が強く、なかなか捕獲器に入ってくれません。今では定期的な餌やりが主な活動となっていますが、この1月も浪江町で犬1匹、猫4頭を保護しました。

そんな未来といのちでは、新しいプロジェクトも始動しています。福島に猫たちの家を建て、みなが被災した猫ちゃんとふれあえる場所を作ろうという計画です。そこでは、震災でなにが起きたのかを知ることができる資料も展示される予定です。「起きてしまった悲しい出来事は、もう後戻りできませんが、そこから何かが学べると思うのです」と未来といのち代表の小西 由美子さん。「なによりも〝いのち〟の大切さをじかに体験してほしい」と願っています。

プロジェクトはまだ始動したばかり。具体的なことはこれからですが、子どもたちから年配の方まで気軽に集えるカフェみたいな場所になりそう。きっと未来への希望をつなぐ場所となるでしょう。

 

(この記事は2016年3月10日に掲載されました)

 

猫の歴史に関するにゃんペディア記事

猫と人間との関係の歴史に関する記事もあわせてご覧ください。

□イエネコ:「猫はどこから来たの?イエネコの歴史とルーツ

□ 世界史:「神か悪魔か。人間に翻弄された猫の歴史とは? <世界編>

□ 日本史:「猫と日本人。いつから猫は日本にいたの? <日本編>

□ 源氏物語:「猫が引き起こした大事件 ――『源氏物語』と源氏絵

□ 古典:「古典『猫の草子』に登場する猫ちゃん

□ 文学:「【文学】鼠草子絵巻に登場する猫ちゃん 

□ 物語:「忠義な猫の物語

□ 進化:「猫が猫になったとき。猫の進化の歴史とは?

□ 分類:「猫を科学的に「分類」するとどんな位置づけなの?どんな仲間がいるの?

 

猫の気持ちに関する記事

猫の気持ちに関する記事をご一読いただき、うちの子との絆を、より一層深められてください。

●にゃんペディアの専門家監修記事

■ 猫の夢:猫も夢を見るの?

■しっぽ:しっぽを振るときの猫の感情とは?

■鳴き声:鳴き声から読み取れる、猫のきもち

■サイン:猫が甘えたいときのサインを見逃さない!

■寝姿:寝相・寝姿からわかる猫の気持ち

■ゴロゴロ音:ゴロゴロという音に隠された猫のきもち

■しぐさ:可愛い仕草からひも解く、猫ちゃんの気分とは

■天気:お天気で変わる猫ちゃんの気分

■見つめる:猫がじっと見つめてくるとき、一体なにを考えているの?

■怒り:猫ちゃんの怒りのサインを見逃さないで! (本稿)

■寝場所:猫の寝る場所からわかる、猫のあなたへの好感度

 

●ペットと私の暮らしメモの獣医師監修記事

□ 猫が「ふみふみ」する理由は?仕草で読み解く猫の気持ち

□ しっぽの動きに込められた猫の気持ち!動きのパターンを解説

□ 猫の「ゴロゴロ」音の意味は?鳴き声が表す気持ち

□ 鳴き声から感じる猫の気持ちとコミュニケーション方法

 

★「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。

 

 ☞例えば、下記のような「猫の行動」から、考えられる病気やケガを知ることができます。  健康な毎日を過ごすため、知識を得ておきましょう。

□ 足をあげる

□ 歩かない

□ ふらつく

□ 性格が変わる

□ グルーミングが減った

□ グルーミングが増えた

 

他にも下記のような「気になること」から、病気やケガを調べておきましょう。

 

【治療】

■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い  ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり 

【症状】

■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い ■後遺症が残ることがある

【対象】

■ 子猫に多い ■ 高齢猫に多い ■男の子に多い   ■女の子に多い  

【季節性】

春・秋にかかりやすい ■夏にかかりやすい

【発生頻度】

■ かかりやすい病気 ■めずらしい病気

【うつるか】

■ 犬にうつる ■ 人にうつる ■ 多頭飼育で注意 

【命への影響度】

■ 命にかかわるリスクが高い

【費用】

■ 生涯かかる治療費が高額 ■手術費用が高額

【予防】

■ 予防できる ■ワクチンがある

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