いつもはおもちゃを見せれば一目散に駆け寄り、食欲もある猫ちゃんが、突然元気をなくしたら飼い主さんは気が気じゃないはず。でも、猫ちゃんにだって気分の波があります。遊ぶ気分じゃない、ごはんを食べたくない…という日もあるでしょう。理由もないのに、なんとなく気がのらないということ、人間にだってありますよね。
でも、
「元気のない状態」が「2日以上続く」ようなら要注意です。
飼い主さんが気づかないケガをしていたり、何らかの病気にかかっていたりということが原因の場合もあるからです。
ケガか、体調が悪いのか? じっくり観察する
猫が
あまり動かずじっとしているようなら、飼い主さんが気づかないうちにケガをしている可能性
があります。様子を見ながらそっと体を触ってみましょう。その際、
突然攻撃的になるようなことがあれば、それはどこかを痛めているサインです。
痛みがある場所を触られたくないために防御していることが考えられます。
いつもより体温が高く感じられる、
暑くないのに冷たい床でじっとしているなどの様子
が見られたら、発熱していることが考えられます。
まずは体を冷やさないようにして安静にさせることが必要ですが、もし鼻水やくしゃみなどの症状があれば、病院に連れて行きましょう。
歩き方と立ち方から発見できる不調
人間同様、
元気がない時の猫は動きが緩慢に
なりますので、移動する際の様子から異変を読み取ることもできます。歩く際の後肢に注目してください。
普段は後肢のかかとを上げて、肉球部分だけを床につけて歩いている
もの。猫のかかとは、後肢の骨が出っ張ったようになっているところです。この部分
かかとをついて歩いているようなら、糖尿病の恐れ
があります。また、神経細胞が機能していないことも考えられますので、すぐに動物病院で受診をしてください。
猫が健康なときは背中のラインより頭部が上にある
ものです。しかし、お辞儀をするようなポーズで
頭を下にして、さらにその状態が長く続く
ようなら、体内のミネラル分のバランスが大きく崩れているということです。腎臓病や甲状腺機能亢進症などの病気の疑いもありますので、獣医師に相談したほうがよいでしょう。もし首を下げたままでいたら、どのぐらいの時間そうしていたか、またその頻度もチェックしておきましょう。獣医師が診察する際の参考になります。
糖尿病
糖尿病は猫の内分泌疾患の中でもっとも多く、特に肥満傾向にある猫がかかりやすいといわれています。インスリン投与と食事療法を並行して行えば、すぐに命に関わるようなことにはなりません。
*「愛猫の糖尿病と上手に付き合っていくために」もご覧下さい。
腎臓病
「腎臓病」とは病名ではなく、腎臓の機能が低下する病気の総称です。猫の場合、12〜13歳頃から腎臓の機能は低下し、15歳を超えた猫の約3割が何らかの腎臓病を患うといわれています。中には命にかかわるものもありますので、様子がおかしいと感じたら、すぐに検査をしてもらいましょう。「獣医師監修!猫の腎不全(腎臓病)はこんな病気」の記事でも詳しく解説しています。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症の主な症状は食べても体重が減少してしまうことです。8歳以降に発症することが多いため、体重が減るのは歳のせいと思われがちですが、病気の恐れもありますので、早めに診察を受けましょう。病気の進行状況によって治療法は異なりますが、抗甲状腺薬の投与や外科手術や食事療法で症状を抑えることが可能です。猫のバセドウ病(甲状腺機能亢進症)も併せてご覧下さい。
周囲の動きに無関心は要注意!
猫は警戒心の強い動物なので、
ケガや病気が原因で元気がないときでも、周囲の変化には敏感
です。自分の周りで何かが起きれば、耳やシッポ、ひげを動かすなど、何らかの反応を示すものですが、それすらもしなくなっているようで、
無反応ならかなり症状が進行している恐れ
があります。激しい痛みに耐えているため、ほかのことに反応する余裕がなくなっているのかもしれません。すぐに動物病院を受診し適切な治療を受けることが必要です。また、具合が悪くなれば、そのこと自体に猫もストレスを感じてしまうものです。できるだけリラックスできる環境作りを心がけましょう。
「健康チェック」に関する獣医師監修記事
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★「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。
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