猫ちゃんにはできるだけ長生きしてほしい! それは飼い主さんみんなに共通した願い。そのためには病気をしたときに診療してくれるのはもちろん、定期的な健康診断や病気予防の健康相談にのってくれるかかりつけの獣医師さんを見つけておくのはとても大切なこと。いざという時に頼りになるホームドクターを見つけるコツ、そして、なるべく猫ちゃんたちにストレスをかけずに通院させる方法を覚えておきたいものですね。

いい病院を見分けるコツ

初めて動物病院を訪れるときには、飼い主さんも緊張してしまうもの。いくつかのポイントをおさえて、飼い主さんも猫も安心できる病院を選びましょう。

飼い主さんの質問に丁寧に答えてくれる

猫の病気に詳しい飼い主さんはそれほど多くはありません。心配でついあれもこれもと聞いてしまいますが、そのひとつひとつに丁寧に答えてくれる獣医師は頼もしい存在です。

検査や治療にかかる費用を事前に提示してくれる

動物医療はまだまだ保険が十分に浸透していません。一体いくらかかるのか、飼い主さんは不安に思って当たり前です。予め知っておけば支払いの時に慌てずに済みますよね。

猫に関する知識が豊富である

獣医師にももちろん得手、不得手があります。猫の治療を得意にしている病院がよいのはいうまでもありません。同様に、中には猫が苦手な獣医師も存在します。猫の扱いがやさしいかどうかは見分けるポイントです。

病院内が清潔である

清潔であることは病院の最低条件。特に入院している猫たちのケージが清潔かどうかはチェックしておきたいですね。

来院した猫への配慮がされている

最近では犬と猫の待合室や診察室を分ける、または診療時間帯を分けてかち合わないようにする、といったことを実施している動物病院が少しずつではありますが増えてきています。来院しているあいだ、猫が少しでもストレスのないように配慮している病院を探すのもよいと思います。

セカンドオピニオンに対応してくれる

病院によっては機器を揃えていないなどの理由から、検査や治療ができない場合もあります。自院では対応が難しいと判断した時、セカンドオピニオンを推奨してくれたり、他の病院を紹介してくれたりする病院は信頼できます。

相性がいい

最後はやっぱりこれ。獣医師も人間ですので飼い主さんとの相性は必ずあります。もちろん猫も同様です。ある病院では神経質になってしまうのに、他の病院では安心して治療を受けていた、ということもあります。この病院は何となく違う、と感じたら、別の病院を探しましょう。必ず相性のいい獣医師がいるはずです。

夜に具合が悪くなったら?

子供が夜中に熱を出すように、猫だって突然具合が悪くなることはあります。そうした事態に備えて、かかりつけの病院に時間外診療があるか、夜間の連絡先があるかについてはまず確認しておきましょう。緊急の場合、普段と違う獣医師の診察を受ける場合もありますので、普段からこれまでの病歴や薬のデータなども用意しておくといいでしょう。

また地元の夜間救急の動物病院がどこにあるか把握しておくのも大切なこと。おすすめしたいのは、猫が元気なとき、明るい昼間のうちに、いっしょに夜間救急病院の下見をしておくことです。夜間というのは道を迷いやすいもの。それでなくても、急に猫の具合が悪くなって飼い主さんもパニックになっているので、知らない場所を探して訪れるのは大変です。一度でも場所を確認しておけば、迷わずに夜間救急の病院に行くことができます。

かかりつけ以外の病院で診察を受けた場合は、翌日、改めて主治医に診てもらえば安心です。

キャリーバッグを工夫する

病院に連れて行く際は必ずキャリーバッグに入れましょう。キャリーバッグにはプラスチック製の「ハードタイプ」と、布など柔らかい素材でできた「ソフトタイプ」の2種類がありますが、動物病院を受診する際には、猫の体が安定するハードタイプのキャリーバッグが必須です。形状は以下の条件を満たすものにしてください。

キャリーバッグの条件

  1. 全部がプラスチック製である
  2. 扉が全面外せる
  3. 前と上2カ所から猫が取り出せる

carrybag

猫は体が包まれると落ち着きますので、洗濯ネットに入れてからキャリーバッグに入れてあげると安心しますし、脱走防止にも役立ちます。また上部からも空けられるタイプなら、診察台で楽に猫を取り出すことができます。動物病院で怖い思いをすると、「キャリーバッグ=恐怖」と猫の中に刷り込まれてしまい、キャリーバッグを見ただけで逃げ出してしまうこともあります。いざという時に困らないよう、キャリーバッグをベッド代わりに置いておくなどして慣れさせておくことが必要です。普段使い慣れているタオルやお気に入りの毛布、クッションなどを一緒に入れておくのもお勧めです。

通院のストレスをなくすには

慣れたキャリーバッグに入れることはもちろんですが、それ以外にも気をつけたいことはいくつかあります。病院の待合室で待たされることは猫にとって辛いもの。そこに犬や他の動物がいたりしたらなおさらです。予約が可能な動物病院であれば、診療時間を予約しておき、なるべく待ち時間を少なくしましょう。電車で行く場合はできるだけ混雑した時間を避けるようにします。猫の聴覚は優れていますので、ラッシュ時の車内のざわざわした雰囲気は騒音となり、ストレスになってしまいます。車の場合は、急ブレーキに備えキャリーバッグは必ずシートベルトで固定しましょう。

 

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東京猫医療センター 院長

服部 幸

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