甲状腺は気管のすぐそばにある器官で、代謝に重要な役割を示す甲状腺ホルモンを分泌しています。中高齢の猫は、この甲状腺が腫大したり稀に癌化することで甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる病気が割と多く起こります。日本では7歳以上の猫のおよそ10%が甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)を患っていると言われています。

こんな症状がでたら気をつけて

甲状腺ホルモンの増加により代謝がよくなり過ぎてしまうため、すごくたくさん食べるのに太らなかったり、攻撃的になったり、いつも目がギラギラとしていたりします。このような症状のため、飼い主さんの目には、「年の割に元気だ」と映ってしまい、病気の発見がなかなか難しいという一面もあります。
また、全身の代謝が上がることで心臓への負荷が増し、心拡大や心雑音がみられます。

診療方法

上記のような特徴的な臨床症状の場合、一般的な血液検査に加えて甲状腺ホルモンの測定を行います。また、心臓の評価のために胸部レントゲン検査や心エコー検査を行うこともあります。これらの結果から甲状腺機能亢進症が疑われた際には、根本治療としての外科手術や、症状改善などを目的とした内科療法を行います。
また、近年甲状腺機能亢進症用の処方食が発売され、食事でホルモン分泌量のコントロールが可能との報告も出ているようです。

 

予防

発生原因が不明のため、有効な予防方法はありません。
定期的な健康診断を行い、早期発見を心がけましょう。

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Anicli24 院長

三宅 亜希

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