忠犬ハチ公に里見八犬伝。ワンコには、その忠義を讃える物語がたくさんあります。なのに、猫ちゃんはやれ化けるの祟るのツンデレと世間の評判は今ひとつ芳しくありません。
でも、本当にそうでしょうか。悔しいので、猫の忠義の物語を集めました。
なぜ猫は「忠義」のイメージがないの?
「犬は人につき、猫は家につく」なんてことを言われます。ワンコは群れの中で自分の順位と場所を見つけますが、猫は群れない動物です。
群れで暮らすためにワンコは社会性が高く、リーダーの言うことをよく聞きますし、いろんな芸も覚えます。
一方猫ちゃんと来たら、自分がご主人の単独行動者ですから、実に気まま。遊んでほしいときはニャガニャガせがむくせに、こちらが構ってほしいときは日なたで眠っていて返事もしません。これでは、忠義物語の主人公にしにくいですよね。
ところが、たくさんあるんです。忠義の猫の物語。
「忠義な猫の物語」
まずは、その名も「忠猫・たま」のお話から。
冬の風物詩『かまくら』や焼きそばで有名な秋田県横手市では、最近『忠猫の碑』が見つかり、「忠義な猫で町おこし推進委員会」が結成されました。
大地主だった伊勢多右衛門は篤志家で、飢饉に備えて村人のための米を備蓄していました。しかし、野鼠や蛇が倉を荒らすため、浅舞村から子猫をもらい受けました。やがて子猫は大きく育ち、昼は地域の野鼠や蛇を追い、夜は村中の米倉の鼠退治をと、神がかった働きをみせました。そして、10年の歳月をかけて鼠などを撲滅したのです。
主の多右衛門をして「なんという忠義者。老いて亡くなったら猫明神として祀りたい」と言わしめ、現実に手厚い葬儀の後、塚に弔われました。今も横手には『忠猫の碑』が残っています。
娘を古ネズミから救った2匹
こちらは大阪のお話です。
ある家に長いこと飼われていた猫がおりましたが、その家の娘が16歳になった頃、しつこくついて回るようになりました。怒った父親が処分しようとすると、猫は父の夢に出てきて言ったのです。「私がお嬢さんの後をついて回るのは、土蔵に住む古ネズミから守るためです。安治川にブチという猫がいますから借りてきてください。一緒に古ネズミを退治してみせましょう」。
父親がさっそく安治川まで出かけ、ブチを連れて帰ってくると、死闘が繰り広げられ、見事ネズミは退治されましたが、2匹も事切れてしまったそうです。2匹は近くの寺に手厚く葬られました。
高尾太夫を守った猫
女性にしつこくついて回るといえば、高尾太夫の猫がいます。こちらは、夢に出るまでもなく、叩き斬られてしまいました。猫の首は宙を飛び、大蛇に食らいつきました。猫は高尾を大蛇から守っていたのです。高尾の墓は西芳寺(巣鴨)に現存し、猫像がそっと寄り添っています。
化け猫伝説も忠猫譚
こうしたお話ばかりでなく、「鍋島の化け猫騒動」などもよくよく読んでみてください。上司に苛められて殺された息子の死を嘆く老母が、恨み辛みをこんこんと言い聞かせて恨みを晴らせと言い残して自害します。猫は、生前可愛がってくれた老母への恩返しのために化けて出るのです。それで、結局は退治されてしまうのですから哀れではありませんか。
猫とも新聞では、こうした怪談も忠猫譚と解釈しています。
猫の歴史に関するにゃんペディア記事
猫と人間との関係の歴史に関する記事もあわせてご覧ください。
□イエネコ:「猫はどこから来たの?イエネコの歴史とルーツ」
□ 世界史:「神か悪魔か。人間に翻弄された猫の歴史とは? <世界編>」
□ 日本史:「猫と日本人。いつから猫は日本にいたの? <日本編>」
□ 源氏物語:「猫が引き起こした大事件 ――『源氏物語』と源氏絵」
□ 古典:「古典『猫の草子』に登場する猫ちゃん」
□ 文学:「【文学】鼠草子絵巻に登場する猫ちゃん 」
□ 物語:「忠義な猫の物語」
□ 進化:「猫が猫になったとき。猫の進化の歴史とは?」
□ 分類:「猫を科学的に「分類」するとどんな位置づけなの?
猫の気持ちに関する記事
猫の気持ちに関する記事をご一読いただき、うちの子との絆を、
●にゃんペディアの専門家監修記事
■ 猫の夢:猫も夢を見るの?
■しっぽ:しっぽを振るときの猫の感情とは?
■鳴き声:鳴き声から読み取れる、猫のきもち
■サイン:猫が甘えたいときのサインを見逃さない!
■寝姿:寝相・寝姿からわかる猫の気持ち
■ゴロゴロ音:ゴロゴロという音に隠された猫のきもち
■天気:お天気で変わる猫ちゃんの気分
■見つめる:猫がじっと見つめてくるとき、
■怒り:猫ちゃんの怒りのサインを見逃さないで! (本稿)
●ペットと私の暮らしメモの獣医師監修記事
□ しっぽの動きに込められた猫の気持ち!動きのパターンを解説
★「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典 」をご利用ください。
☞例えば、下記のような「猫の行動」から、
□ 足をあげる
□ 歩かない
□ ふらつく
□ 性格が変わる
他にも下記のような「気になること」から、
【治療】
■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり
【症状】
■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い ■後遺症が残ることがある
【対象】
■ 子猫に多い ■ 高齢猫に多い ■男の子に多い ■女の子に多い
【季節性】
【発生頻度】
【うつるか】
【命への影響度】
【費用】
【予防】
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