しっぽの付け根を撫でると、猫はお尻を高く持ち上げる仕草をし、表情もうっとりとして気持ち良さそうですよね。どうして猫はその部分を撫でると喜ぶのでしょうか。触るときは、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。

今回は、しっぽの付け根の触り方と注意点、また、その周辺に起こりやすい病気やケガついて解説します。

しっぽの付け根を撫でられると気持ちいいの?

多くの猫が、しっぽの付け根を撫でたり、軽くトントンと叩いたりすると、「もっとして!」と言わんばかりにお尻を高く持ち上げます。この部位にはフェロモンを出す分泌腺があってマーキングに使われていますが、匂いを交換できるためか、猫はフェロモンが分泌する場所を触られると喜ぶ傾向があります。猫が頬や顎も触られるととても気持ち良さそうに喜ぶことはよく知られていますが、これも頬や顎にフェロモンの分泌腺があるからと考えられます。

しっぽの付け根を触るときの注意点とは?

いくら喜ぶといっても、しっぽには神経がたくさん集中しているため、触り方には注意が必要です。

嫌がる猫もいるので、無理に触らない

猫のしっぽの付け根は、多くの神経が集まっていてデリケートな場所でもあります。繊細な猫は嫌がることもあるため、気持ち良いはずと勝手に解釈せず、無理に触らないようにしましょう。

力を入れすぎない

強く力を入れて撫でたり叩いたりすると、不快に感じたり、痛みを感じたりする猫も。嫌がって逃げるほど強く触らないように気をつけましょう。一方で力を込めたわけでもないのに、触れるだけで痛がるようであれば、炎症やできものがあるのかもしれません。その場合は、なるべく早めに獣医師に相談してください。

ほどよいタイミングでやめる

嬉しがるからといって、長々と触っていると猫も嫌になります。しっぽを上げて喜んでいるうちは良いですが、しっぽが下りてきて、さらに腰を下げて避ける仕草をしたら「もう止めて!」のサイン。引っかかれたり、噛まれたりすることもありますので、すぐに手を放してあげましょう。

しっぽの付け根に起きる病気やケガとは?

しっぽとその付け根周辺に起きる病気やケガには、次のようなものがあります。

スタッドテイル

しっぽの付け根には皮脂腺、アポクリン腺がありますが、この腺からの分泌物が多いと油分が皮膚の表面に溜まり、しっぽの付け根がベタベタに。これらの腺が特に発達する、若い未去勢のオス猫によく見られる症状です。被毛が油っぽくなるだけでなく、油分が酸化したり汚れがついたりすると黒っぽくなり、細菌感染すると炎症を起こすことも。そうなると皮膚が赤く腫れて化膿してしまいます。痛みや痒みを伴うので、汚れがひどいと思ったら炎症を起こす前に獣医師に相談しましょう。

自傷

ストレスが過度に蓄積すると、まるで敵を見つけたように自分のしっぽを追いかけ回し、繰り返し噛んでしまう猫がいます。出血して傷ができ、ひどい場合は噛みちぎろうとすることも。多くの場合自傷行動が起きる前に、しつこく被毛を引き抜いたり、舐め続けたりする行為が見られますので、このようなサインに早く気づいてあげることが重要です。なお痛みや痒み、脳の障害によっても同じような行動をすることもありますので、必ず獣医師の診察を受けるようにしてください。

がん

しっぽにも腫瘍ができる場合があります。しっぽに見られるがんは、肥満細胞腫、繊維肉腫などがありますが、進行すればするほど治療が困難になるため、早期発見・早期治療が非常に大切です。しっぽにしこりがある、擦り傷のようなものができてなかなか治らないという場合は、がんの可能性も。できるだけ早く動物病院へ連れていき、診断を受けましょう。

家庭内での事故

家の中で、飼い主さんや家族が猫の存在に気づかずに踏んでしまったり、ドアに挟んだりしてしっぽを骨折する事故は少なくありません。事故を防止するためには人が気をつけるしかないのですが、常に猫の所在を確認する習慣をつけること、ドアにはドアストッパーをつけるなどして対策するように心がけてください。

 

 

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⇒『【獣医師監修】パタパタ、ふりふり、猫はしっぽで気持ちを伝える。しっぽを振るときの猫の感情とは?

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Tokyo Cat Specialists 院長

山本 宗伸

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