メイン・クーンの歴史
アメリカ最北部で生まれた寒さに強い猫
メイン・クーンの「メイン」の部分は原産地であるアメリカ最北東部の地名、メイン州に由来します。カナダとの国境も含むメイン州は豊かな自然に恵まれていますが、冬は寒さが厳しい地域でもあります。メイン・クーンが大きく頑丈な体と長い被毛を持つようになったのは、寒さに負けないためです。
メイン・クーンの「クーン」はアライグマの英語ラクーン(raccoon) からきています。確かに大きな体とふさふさの尻尾がアライグマに似ています。
メイン・クーンがいつ頃からメイン州に住んでいたかは、はっきりとはわかりませんが、中世に東海岸に到着した船に乗っていた猫が祖先となり、厳しい環境に耐えられるよう大型化したと考えられます。
日本でも知名度が高く人気な猫種で、2018年の調査では第9位(アイペット損保 人気猫種ランキング2018)、2021年の同調査では第12位に位置しています。
メイン・クーンの特徴
一般的な猫の倍以上のサイズになることも
最大の特徴は世界一大きな猫種といわれる体のサイズです。オス猫では10kg近くまで大きくなるメイン・クーンもおり、サイズの幅は4.5~10kgとされています。一般的な猫が3〜4kgですので倍以上のサイズです。
身体は筋肉質で、胸部が広くがっしりしています。同じ長毛のノルウェージャン・フォレスト・キャットと比べると顔が四角く、鼻がしっかりして野生的な印象を受けます。
名前の由来になっているアライグマのような太い尻尾は身体と同じか、それ以上長いこともあります。
メイン・クーンの毛色、被毛
華やかな長い被毛が特徴
華やかな長い被毛はシャギー(不揃い)でワイルドな印象を与えます。また肩の被毛は短めで、背中に向かって長くなる特徴があります。足裏の被毛(タフト)も密に生えており、これは雪の上でも沈まず歩けるためであると考えられています。耳の先端に生えている毛(房毛)が発達しているのもメイン・クーンの特徴です。
毛色には制限がなく、ポインテッド(耳や鼻先だけ色がついてる模様)以外の模様は全て認められています。日本でよくみかけるのはブラウン・タビーや、それに白が入ったブラウン・タビー・アンド・ホワイトですが、真っ黒や真っ白のメイン・クーンも人気です。
メイン・クーンはどんな性格?
優しく賢いジェントル猫
優しい猫が多くジェントル・ジャイアントと呼ばれることもあります。またあまり大きな声で鳴くことはなく、賢く落ち着いています。
一方で大人になっても遊ぶことが大好きで、投げたものをとってきたりと、無邪気な子猫のような側面もあります。
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メイン・クーンのかかりやすい病気はあるの?
肥大型心筋症(HCM)
肥大型心筋症は、猫でもっとも一般的な心臓病です。中年齢(7歳以上)から発症することが多いです。病気が進行するまでほとんど症状があらわれないため、定期的に健康診断をうけましょう。
股関節形成不全
股関節形成不全は、股関節の関節が不完全で、歩くときにふらついたり、ジャンプ力が下がったり、痛みがでる病気です。猫では軽症なことが多いですが、重症化すると手術が必要になります。
メイン・クーンの血液型はほとんどがA型で、B型が3%であったという報告があります。
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メイン・クーンと一緒に暮らす上での気をつけることは?
しっかりとしたキャットタワーを用意して
もともと農園でネズミ捕りとして可愛がられていた猫なので、体が大きい上に運動量も多いです。そのため、ある程度広いスペースが必要になります。
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飼い主さんと遊ぶことが好きな猫が多いので一緒に遊ぶ時間をきちんととってあげましょう。10kg近いサイズで普通の猫と同じようにジャンプするので、キャットタワーや猫が乗る場所はしっかりしたものを選んでください。
また被毛が長く量も多いので日々のブラッシングは必須になります。
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