歴史

紀元前55年から人間と歩んできた猫

日本ではアメリカン・ショートヘアの方が有名ですが、その元となる猫種がブリティッシュ・ショートヘアです。ブリティッシュ・ショートヘアーの歴史は古く、イギリスにこの猫の祖先を運んできたのは紀元前55年に始まったローマ帝国の軍隊であったとされています。ローマ軍は備蓄品や食料をネズミの害から守るため、猫を海外遠征に連れて行っており、この時期にイタリアからイギリスを含むヨーロッパ全域に猫が広まったとされています。

 

ブリティッシュ・シュートヘアが品種として確立されたのは19世紀、キャットショーが盛んになってからです。1910年までのキャットショーで最も多くの賞をとったのはブリティッシュ・ショートヘアでした。その後、第一次世界大戦により絶滅寸前までに個体数が激減してしまいますが、ペルシャと交配することで回復しました。さらに第二次世界大戦後にも頭数が減少し、シャルトリューやロシアンブルーと交配することでブルー(グレー)のブリティッシュ・ショートヘアが増え”ブリティッシュ・ブルー”の愛称で人気になりました。

 

またペルシャと交配した名残で長毛の特徴が残っているブリティッシュ・ロングヘアも、現在、アメリカやヨーロッパで人気になっています。

特徴は?

人気キャラクターのモデルにもなっていた!?

平均体重は3〜5.5kg。力強くがっしりとした体格、骨太の脚、尾も太く先端が丸くなっているのが特徴です。頭部も眼も丸く、顎が発達しており口元がふっくらしています。ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」に登場するチェシャ猫も丸顔で常に笑っているようにみえることから、ブリティッシュ・ショートヘアがモデルになっていると考えられています。

毛色、被毛

ブルーの毛色が人気

イギリスの過酷な寒さにも耐えうるよう、被毛は密に生え、しっかりとした硬さの手触りです。毛色はブルー、または白が入ったブルー・アンド・ホワイトが有名ですが、他にも様々なカラーのブリティッシュ・ショートヘアがいます。

 

アメリカンショートヘアのようなクラシック・タビー、また少し色の薄いシナモンやチョコレートはクリーム・タビーとも呼ばれます。最近ではモザイク模様のトーティも人気です。

 

しかし”ブリティッシュ・ブルー”の人気が高いのか、ブルーが入っていない個体を日本で見ることはほぼありません。ブルーの被毛のブリティッシュ・ブルーの眼はオレンジまたはカッパー(銅のような濃いオレンジ)色をしているので、同じブルーの毛色を持つグリーンの目をしているロシアンブルーと見分けるのは簡単です。

どんな性格?

程よい距離感が暮らしやすい

物静かで堂々としているといわれています。何百年もかけて人と共生する関係を築いてきたため、自立心が強く頼りがいがあります。そのため人とコミュニケーションをとることは好きですが、だっこされたり、膝に乗ってくるタイプではないことが多いです。また運動量はそれほど多くなく、子供のいる家庭や高齢の方の飼育にも適しているといわれています。

かかりやすい病気はあるの?

輸血をするときは注意が必要

基本的には健康な猫種ですが、様々な猫種と交配した歴史があるため肥大型心筋症(HCM)や多発性嚢胞腎(PKD)などの遺伝性疾患が隠れていることがあります。肥大型心筋症は猫でもっとも一般的な心臓病で、中年齢(7歳以上)から発症することが多いです。しかし、病気が進行するまでほとんど症状があらわれないため、定期的に健康診断をうけましょう。

 

またB型が多い猫種としても有名で、ある研究では58.8%のブリティッシュ・ショートヘアがB型でした。日本の人気猫種のほとんどは90%以上がA型なので圧倒的に高い割合です。そのため、輸血の時には注意が必要です。

一緒に暮らす上で気をつけることは?

ブラッシングは定期的に

物静かで、そこまで運動量も多くなく飼いやすい品種であるため、それほど手間がかかりません。短毛ながら毛が密で毛量が多いので定期的にブラッシングはしてあげましょう。独立心が強いとされる猫種のため、適度に距離を置いて接すると良いかもしれません。

 

 

参考資料
・世界で一番美しい猫の図鑑
・The Original Cat Bible; The definitive Source for All Things Cat
・Veterinary Medical guide to dog and cats Breeds

Tokyo Cat Specialists 院長

山本 宗伸

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