猫が鼻の穴をヒクヒクと小刻みに広げているのを見たことがある飼い主さんも多いかと思います。これは何をしている仕草なのでしょうか。また、何か病気と関わりがあるのでしょうか。ここでは、猫の鼻がヒクヒクする理由について解説します。
猫が鼻をヒクヒクする理由とは?
猫が鼻の穴をヒクヒクと広げるのは決して珍しい仕草ではなく、病気でもありません。鼻ヒクヒクは、猫が積極的にニオイを嗅ごうとしていることを示しています。猫にとって嗅覚は、五感のなかでも聴覚に次いで重要な感覚です。人間と違って視力のあまり良くない猫は、嗅覚に対する依存度が大きく、ニオイは外界の情報を得る主要な手段と言えます。また人間が感じる単純なニオイだけでなく、他の動物の感情や健康状態、自分にとっての危険度などもニオイから判別することもあります。
そのため、次のようなシーンで猫はよく鼻をヒクヒクさせます。
□ 食べ物のニオイを確かめるとき
□ 窓を開けたときなど、外から入ってくる風のニオイを嗅ぐとき
□ ほかの猫に挨拶する際に、相手のニオイを嗅ぐとき
□ 危険な物かどうかを確かめるとき
□ 縄張りに見知らぬ動物が侵入していないか確かめるとき
鼻ヒクヒクに似ている、実は危険な病気のサイン
鼻ヒクヒクは病気ではなく、ニオイを一生懸命嗅ごうとしている仕草です。しかし、その仕草とよく似ているため、見過ごされてしまう病気の症状があります。
息苦しさによる鼻ヒクヒク
猫はよっぽどのことがない限り口呼吸をしない動物です。多少呼吸が辛くても、鼻で息をしようとするため、鼻ヒクヒクのような仕草をして呼吸することがあります。通常の鼻ヒクヒクとは違い、鼻の穴だけでなく鼻の周り全体が動いたり、頭や胸も呼吸のたびに揺れたりもすることも。もし愛猫が安静時にも関わらず、ずっとこのような呼吸の仕方をしていたら、息が苦しいのかもしれません。なるべく早急に獣医師に相談するようにしてください。
呼吸が苦しいかの判別方法
呼吸数は正常か
猫の場合、平常の呼吸数は1分間に24~42回です。胸の動きをカウントして呼吸数を計り、1分間に60回を超えるようであれば、早めに病院へ連れて行きましょう。
鼻ではなく口で呼吸をしていないか
猫は鼻で呼吸をしますが、息苦しいと口を開けて呼吸することがあります。口呼吸がないかよく観察しましょう。
いつもと違う仕草はないか
鼻だけでなく、胸やおなかが大きく波打つように動いたり、頭が呼吸のたびに動いたりするのは、呼吸が苦しいサインです。
上記のほかに症状はないか
よだれ、震え、嘔吐などの症状が一緒に出ていれば、病気の可能性が高いと考えましょう。また、唇や鼻が白っぽいなど、貧血の有無も確認しましょう。
呼吸が苦しい原因とは
呼吸が苦しくなる病気はたくさんあり、鼻や気管、肺など呼吸器に問題があることもあれば、心臓など循環器に問題があることも。また、貧血や熱中症でも呼吸が荒くなったり、腹水がたまったりしていても呼吸が苦しくなります。このように原因はさまざまなので、必ず獣医師の診察を受け治療をするようにしましょう。
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