つんとおすまししている猫の眉がはげていると妙にかわいいものです。愛らしくていいのだけれど、全体的に毛がフサフサなのに、一部だけはげているのはなぜだろう、と不思議に思う飼い主さんは実は多いかもしれません。他にはげているところはないし、年齢も若いのに、なぜ一部分だけ毛が薄くなってしまうのか。今回はその理由を解説します。
耳や顔にはげができるのはなぜ?
考えられる理由
ダニの感染
ダニは猫の天敵。普段と変わらない生活をしていても知らずして寄生することがあります。健康体であれば問題はないのですが、免疫力が低下していると急激に増殖する恐れも。ダニが寄生するととにかく痒くてたまらず、前足を使って激しく掻くので、掻いた部分の毛が抜け落ちてしまいます。耳の後ろの部分だけがはげているという場合はダニの可能性があります。ダニを駆除して痒みがなくなれば、激しく掻くこともなくなるので、はげは治るでしょう。抗ダニ剤を用いて、治療と予防を行ってください。
皮膚糸状菌症(猫カビ)
猫がよくかかる病気の一つである皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)、通称猫カビ。これにかかると、耳の端がはげるという症状が現れます。皮膚糸状菌は、猫同士だけでなく、人にも接触感染します。人は痒みと同時に、リングワームと呼ばれる丸く赤い腫れが現れます。子供や皮膚が弱い人、ステロイドを飲んでいる人は移りやすいので注意してください。
アレルギー
猫のアレルギーは3種類。食べ物アレルギー、ノミアレルギー、その他(食べ物とノミ以外)の3つです。これらは生まれつきや幼い頃からあるものではなく、2〜3歳頃に突然発生するものです。一旦アレルギーが発生するとアレルゲンを除去する以外に根本的な治療はありません。激しい痒みと皮膚に現れる赤みなどが特徴で、皮膚を掻くことではげができることがあります。体全体が痒くなり、耳の付け根、耳の下、顔、あご、頬などあらゆる箇所にはげができる可能性があります。
理論的にはアレルゲンを除去することができれば、痒みが治まり、はげが治るといえるかもしれません。ただ、非ノミ非食物アレルギーの場合、実際にはアレルゲンの特定が困難であり、また除去することができるものかも分からないため、根本的な治療は難しいことが多いです。
掻かなくても、はげができてしまう理由とは?
目の上部、眉にあたる部分の毛が薄くなりやすい猫は一定数います。短毛で、単色の猫は特にこの部分のはげが目立ちやすいようです。なかでも黒猫は、毛と肌の色のコントラストが強いため、はげが目立ちやすいのでしょう。実際には同じくらいはげているかもしれませんが、長毛や三毛など複数色の毛が混じっている猫は目立ちにくいようです。
はげができるのは仕方ありませんが、病気や皮膚トラブルが原因であればいち早く解決してあげたいですよね。痒みは大きなストレスになります。掻きすぎは皮膚のバリア機能を下げ、他の感染症などももらいやすくなるという事態につながりかねません。薬やシャンプー、食事を変えるなど、できることをしてあげてください。はげが気になったら、まずは原因の特定のため動物病院に連れて行くのが第一です。
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