猫ちゃんがまだ赤ちゃんのあいだはよくかんだり、ひっかいたりします。たいていは「遊ぼう」とじゃれているのですが、かまれたほうはそれなりに痛いもの。これが続いたら、と思うと不安になる飼い主さんも多いかもしれません。だいたいの猫ちゃんは大人になると噛みグセは治りますし、いきなり噛みついてくる、突如猫パンチを繰り出してくる、などというときは、猫ちゃんなりの理由があります。猫ちゃんが噛んでしまう状況を作らないようにすること、根気強く教え込むことで攻撃行動を起こさないようにしていきたいですね。
猫が噛んだり、ひっかいたりする4つの理由
じつは猫が攻撃するのには、ほとんどの場合理由があります。理由をみきわめて、それに応じた対処法をしてみましょう。ただし、猫は自分が病気になったりケガをしたりしたときは、攻撃的になる傾向があります。もともと穏やかな性格の猫や、普段はおとなしくしている猫が突然攻撃してくるようになったら、具合の悪いサインかもしれませんから、注意してください。
怒っているとき
体をなでているときや、ブラッシングケアをしているときに噛むのは、やめてのサイン。しっぽをバタバタさせたりしたら赤信号です。
不安や恐怖を感じるとき
緊張が高まると、猫は攻撃してきます。動物病院に行ったときに抵抗してパンチしたり噛んでくるのは、恐怖のあらわれです。そのほか引越しなどで環境が変わったりすると、その不安から噛むことがあります。
ハンター魂が呼び起こされたとき
歩いていたら突然噛んできた、という場合は獲物と勘違いしている可能性があります。狩猟の本能として動いているものに反応してしまうのです。遊んでいるときに噛んでくるのも同じ理由です。
してほしい!ことがあるとき
「遊んでよ」「おなかがすいた」など、要望があるとき、飼い主さんの気を引きたいときにも噛んできます。このときに、それに応じてしまうと、勘違いしてそのあとも噛むクセがついてしまいますから、応えてはいけません。
急に攻撃してくるのはどうして?
顔やお腹をなでていて、最初は気持ちよさそうにしてご機嫌にしていたのに、いきなり飼い主さんの手を噛んでくる、なんて経験はありませんか?「猫は気まぐれ」というのはわかっているけれど、謎な行動ですよね。これは噛みグセではなく、専門用語では「愛撫誘発性攻撃行動」と呼ばれる現象で、多くの猫に起こります。猫をなでていたら、噛みつき、猫パンチなどの攻撃行動をしてくることです。そうする理由にはいくつか考えられますが、なでる側の「なでる場所」「なで方」「なでる時間」の要素が過度で適切ではなかったことが主にあげられます。
なでる場所
猫が自分でグルーミングしている姿を見ているとわかりますが、おなかや肢は、日ごろからよくなめて毛づくろいをしています。このグルーミングで届く場所は、なでられて嬉しい場所ではありません。それより届かないところ、顎の下や額など猫が撫でられて喜ぶ箇所です。
なで方
猫がお互いにグルーミングするときは、猫の小さな舌を使って行います。それと同じような感覚にするためには、手全体で強くなでたりするのはNG。指の腹を使ってやさしくなでてあげるのがポイントです。
なでる時間
最初は機嫌よさそうになでられていても、ある程度なでられれば猫は満足します。猫が飽きているのに、ひたすらなで続けていると、攻撃されてしまうのです。猫がイライラしはじめたサインを見逃さないようにして、そこで終了させましょう。
「しっぽをぶんぶんふり始める」、「ぺったりと耳を後ろに寝かせて、たたんだ状態になる」これは猫のイライラサインです。
かみグセをやめさせるには?
かみグセをそのままにしておけば、飼い主さんもいつかケガしてしまいます。とくにお子さんがいる家庭では、事故につながりかねません。残念ながら、必ず噛みグセがなおる魔法はありませんが、いろいろな方法を試してみましょう。
基本的にしかり続けたり、体罰したりすることでは、攻撃するクセは直りません。飼い主さんが怒って騒いでいると、気を引くためにまた噛んでくることもあります。噛んだ瞬間に大声をあげて脅かすことも、よけい興奮する場合があるのでやめたほうがいいでしょう。そして体罰は絶対にダメ! 怖がってさらに攻撃的になってしまいます。
遊んでいるときに噛んできたら、すぐに遊ぶのをやめて別の部屋に移動する、猫を別の部屋に移動させるなど、噛む行為に反応しないこと。そうすると「噛んでもつまらない」と感じてやめてくれることもあります。いずれにしても、一回では猫はわかってくれません。何十回とそのパターンをくり返すことで、「噛むのは面白くない」と覚えてもらう必要があるのです。根気強くがんばって!
かまれたり、ひっかかれたりして人にうつる病気
猫にかまれたりひっかかれたりすると、その傷口から感染して、人にうつってしまう病気があります。
猫ひっかき病
1割程度の猫が感染しているといわれる「バルトネラ菌」が原因で起こる病気。人間がこの菌に感染すると、リンパ節が腫れたり、熱が出たりします。
パスツレラ症
猫の口や爪にいるといわれる「パスツレラ菌」が原因で起こる病気。人間がこの菌に感染すると、呼吸器疾患やリンパ節の腫れが見られます。人間の抵抗力が落ちているときは感染しやすいといわれます。
傷口をそのままにしておくと感染してしまいます。かまれたら、傷口をアルコール消毒しましょう。また、深い傷につながらないよう、日ごろから猫の爪切りケアを行っておくのも大切なことです。
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