食卓にちくわが並ぶと、魚のニオイにつられて寄ってくる猫も多いのではないでしょうか。ついあげたくなってしまいますが、塩分や添加物に気をつけなければなりません。ここでは、猫にちくわを食べさせるときの適量と注意すべき点について解説します。
猫にちくわを与えても大丈夫なの?
ちくわは魚を主原料としているため、基本的に健康な猫であれば食べても大丈夫です。ただし、製造過程で食塩が加えられているため、注意しなければなりません。ちくわには、1本あたりおおむね0.6~0.9gの食塩が使われており、これは猫の1日の食事で摂る塩分量(ナトリウムで0.5~0.7g、食塩相当量で1.3~1.8g)のほぼ半分にもなります。また加工でんぷんや保存料が添加されていることがありますが、これらは少量であれば、あまり心配する必要はないといえます。ちくわの場合、1本くらいペロリと食べてしまう猫もいるため、好きなだけ与えることは避けてください。与える場合は、2、3口程度にとどめましょう。
一方で、腎臓病や心臓病を患う猫には与えないほうが良いでしょう。
そもそも猫はちくわが好きなの?
ちくわを好んで食べる猫は、実際に多いようです。これは、魚好きな猫が多いことと同じで、日本の魚食文化からの影響でしょう。そもそもちくわは人間が与えなければ猫が食べることはないため、子猫のときに人間からもらって食べた経験のある猫が、大人になってからもちくわ好きになると考えられます。また、魚主体のキャットフードに慣れていれば、大人猫でも魚のニオイにつられて好んで食べるようになることも。ただ、猫は好みが激しいので、魚好きだからといって必ずしもちくわ好きになるとは限らないようです。
魚の加工食品は他にもたくさん。食べさせても大丈夫?
カニカマ、はんぺん、かまぼこ、魚肉ソーセージなど、日本には魚を主原料とした加工食品がたくさんあります。これらもちくわと同様、あくまで健康な猫に対し、少量であれば与えても問題はありません。しかし、なかには香辛料が添加されている場合や、ネギ類など猫が中毒を起こす食品が含まれていることもあります。このような食品は、絶対に与えてはいけません。
ちくわは、猫の食事として適している食品では決してありません。例えば毎日、1本与え続けると、塩分や添加物を不必要に摂取してしまううえ、お腹がいっぱいで必要な栄養素が十分に摂れなくなり、栄養が偏ってしまいます。そもそもあまりちくわ好きでない、あるいは食べさせたことのない猫に、無理に与える必要もありません。ちくわが好きでどうしても欲しがる猫に、たまに少しだけ与えるものと考えましょう。
※この記事は猫にちくわを積極的に食べさせることを推奨しているものではありません。人間の体に良いからといって猫にとっても良い食べ物とは限りません。逆に悪影響を与えたり、必要な栄養の吸収を阻害したりすることもあります。猫の基本的な食事は、栄養バランスが良く摂れる総合栄養食としてのキャットフードがおすすめです。
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