マイペースな猫との暮らしを楽しんでいる人がいる一方で、「猫が懐いてくれない」という悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。猫によく懐かれる人とあまり懐かれない人っていますよね。たとえば、家族みんなが猫を可愛がっていても、お母さんにはよく甘えるけれど弟のことは避けている、というようなことってあると思います。
猫に好かれる人とそうではない人、この違いは一体なんなのでしょうか?
猫に懐かれる人の特徴
どんな人が猫に懐かれるかを観察していると、次のような人が猫に好かれているように思います。
□ 猫のことをよく理解している人
□ 猫の感覚に近い人
□ 猫のことを優先する人
猫のことを理解する
猫に愛されるためにはまず猫を知る必要があります。
猫は動物の中では独特な性格をしている動物。ご機嫌で近づいてきたと思ったら、その直後に豹変して攻撃されたという経験は、きっと誰しもあるでしょう。このような豹変振りは、猫が「野生」と「ペット」の相反する2つの面を持ち合わせていることからきています。
もともと「野生」として生きてきた猫は、警戒心が強く、嫌なことは嫌だと主張し、単独行動をしていたために非常にマイペースな性格をしています。猫が犬と比べて触れられることを嫌がるのは、この野生の面が残っていて、人を完全には信用していないことが原因でしょう。
しかし、人間の周りにいると簡単に獲物が手に入ることを学んだ賢い猫は、徐々にフレンドリーさを身につけました。野生の面だけで人とうまくやっていくことはできないので、人のひざの上に乗ったり、足にまとわりついたりする「ペット」としての面も持ち合わせるようになったのです。
「野生」と「ペット」、この正反対の側面が、猫の中に同居しています。猫と仲良くなるためには、まずどちらのモードなのか見極めることが大切です。野生モードのときは触らないようにしたり、おもちゃで遊んであげて、ペットモードのときになでてあげたり抱っこしてあげるといいでしょう。
野生モードとペットモードの見分け方
相反する二つのモードを上手に見分ける方法をご紹介しますので、参考にしてみて下さい。
野生モード時の特徴
□ 朝や夕方など活発になる時間帯になりやすい
□ 大きな声を上げる
□ 激しく爪とぎをする
□ 目が生き生きして輝いている
ペットモード時の特徴
□ 食後、日中など活動性が減る時間帯になりやすい
□ 小さな声でなく
□ ストレッチのような爪とぎをする
□ 目は半分閉じていて眠そう
猫の感覚に近づける
静かに生活する
ある動物学者は「猫は飼い主のことをがさつで鈍臭いと思っているのでないか」と言っています。ほとんど足音を立てない猫からすると、人間がドタドタと音を立てて歩く姿はがさつに映るのかもしれませんね。確かに、生活音の大きな人は猫に好かれません。歩く音、ものを置く音、ドアを閉める音はできるだけ立てずに、静かに生活することを心がけましょう。また電話の声やテレビの音なども下げてあげるといいでしょう。猫に好かれるには猫目線で行動することが大切です。
猫が苦手な匂いは使わない
猫は人間に比べて非常に優れた嗅覚を持っています。そのため、人間からするといい匂いでも、猫にとってはきつすぎる場合があります。特に猫は柑橘系の匂いが苦手です。香水などは控えめにしたほうがいいでしょう。
ちなみに、部屋をいい香りで包んでくれるアロマオイルは、猫が中毒を引き起こす可能性があり危険です。猫がいるおうちでは使わないようにしてください。
やさしく触れる
猫を飼っていても意外と猫の触り方がうまくない方がいます。犬のようにゴシゴシ撫でずに柔らかく触るのは基本ですが、それ以外にもコツがあります。「どうしたら猫が安心して身をゆだねられるか」を常に考えながら抱っこしてあげてください。簡単にポイントをお伝えします。
□ 抱っこするときは包み込むように接触する面積を増やす。
□ 宙に浮かすときは足が自由にならないようにする。
□ お腹、足、尻尾の先端は基本的に触らない。
□ 頭、尻尾の付け根、顔の周りなど猫が自分で毛づくろいできない箇所を撫でる。
猫のことを優先する
これは人間でも同じことが言えますが、自分のことを常に気づかってくれる相手というのは、とても心地いいものです。猫が眠たそうにしているとき、あなたはそっとしておいてあげますか?それとも可愛いからという理由で撫で回しますか?きっと猫は、そっとしておいてくれることを望んでいるでしょう。
猫がかまってほしくて寄ってきたときも同じ。どんなに忙しかったとしても、猫が甘えてきたら少しだけなでてあげたり、優しい声をかけてあげる。遊びたがっているときは、できるだけかまってあげる。その積み重ねが、猫からの信頼に繋がるのではないでしょうか。もし、「自分はかわいがっているのに、猫があんまり懐いてくれない」と感じたら、一度接し方を変えてみてもいいかもしれません。
生まれつき猫に好かれる人とそうでない人がいます。おそらく猫に好かれる人は、本質的に猫に近いのでしょうね。残念ながら現時点で猫にあまり好かれない人も、猫を理解することで少しずつ仲良くなれるでしょう。今回紹介したことは猫に愛されるコツの入り口です。たくさんの猫と会い、猫と一緒に多くの時間を過ごすことで、理解を深めていってくださいね。
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