猫を飼うきっかけとして、最も多いのが「偶然、ノラ猫を拾ってしまった」。ペットフード協会の調べ(2021年)では、猫の飼い主のうち、実に80%以上が雑種を飼っています(もちろん、全員がノラ猫を拾ったわけではなく、保護団体や知人から雑種をもらった方も含まれていますが)。

かくいう私も、3匹の飼い猫のうち、2匹は偶然拾った猫。特に1匹目のときは、飼うつもりはなかったのに、動物病院で「面倒を見ないと死ぬかも」と言われ、予想外に猫との生活がスタート。そう、猫との生活は思いがけず始まることが多いのです……!ここでは、ノラ猫を拾ったときにすべきことを語りたいと思います。

 

何はともあれ、まず動物病院へ!

ノラ猫を拾ったら、まず、動物病院へ連れて行ってください。できれば、家に入れる前に。「家に帰らなきゃ、動物病院も探せないよ!」という場合は、いったん段ボール箱の中やケージの中に猫を入れておきましょう。

なぜか?ノラ猫にはノミなどの寄生虫がいるからです!

ですから、動物病院で駆虫してもらうまでは、猫を家の中で自由にさせないでください。さもないと……家じゅうに寄生虫が発生する危険があります。かくいう私も、1匹目の猫のとき、何も考えずに家に入れ、大変なことになりました。拾ったのは春頃でしたが、夏になったらノミが大発生!あちこちでピョンピョンとノミが跳ね回るのが見えるという地獄絵図。私もあちこち咬まれ、お肌が悲惨なことに……(泣)。家じゅうに広がったノミは、卵を含め、徹底的に駆除しないとまた発生してしまいます。結局、燻煙式の殺虫剤を使用することに。使用中は猫とともに屋外で過ごしました(汗)。

動物病院へ行けば、その猫の健康状態などもチェックしてくれます。おおよその年齢を教えてくれたり、飼育アドバイスもしてくれるでしょう。幼い子猫の場合、猫用ミルクや離乳食で育てる必要がありますが、そういったアドバイスもしてくれるはずです。とにかく、拾った猫をきちんと育てるためには、獣医師のサポートが欠かせません。

 

感染症の検査も受けよう

ノラ猫は寄生虫のほかに、感染症にもかかっている場合があります。血液検査で感染症の有無を調べられるので、その検査も受けましょう。もし猫エイズ猫白血病などの重篤な感染症にかかっていた場合、それなりの心構えが必要です。これらの病気は一度発症してしまうと根治するすべはなく、対処療法しかできません。ですから病気が発症しないよう、健康管理にはより注意する必要があります。

また、すでにほかの猫を飼っている場合、ノラ猫から先住猫に感染症がうつる危険もあります。拾ったノラ猫が重篤な感染症にかかっている場合は、先住猫とは別の部屋で飼うか、1匹だけで飼ってくれるおうちを探したほうが安全です。

ちなみに、こうした病気が猫から人にうつることはありません。猫エイズなどの名前が恐ろしげなために誤解を受けやすいですが、人間が怖がる必要はありません。
ただし、猫汎白血球減少症など強い感染力をもつウイルスの場合、感染している猫を触った手でほかの猫を触るなどすると、人間を介して病気をうつしてしまうことがあります。感染している猫をお世話したあとは必ず手洗いや消毒をするなどして、感染拡大を防いでください。屋外でノラ猫を触ったときも同様です。そのノラ猫が何かウイルスをもっていたら、きちんと手洗いをしないと飼い猫にうつしてしまいます。

 

 

〇子猫に関する「にゃんペディア獣医師監修記事」は、こちらをご覧ください。

□ 出会い方:「ぴったりの猫ちゃんの選び方

□ 子猫を拾った:「子猫を拾ったとき、どうしたらいいの?

□ 健康チェク方法:「子猫の健康チェック方法とは?成猫とは何が違うの?

□ 子猫のかかりやすい病気:「子猫を拾ったとき、どうしたらいいの?

□ 子猫用ミルク:「子猫用ミルクを与えるときに気をつけるポイント

□ 牛乳:「猫は牛乳を飲んでも大丈夫?与え方や注意点とは?

□ しつけ:「子猫を迎えたときに必要なしつけ

□ トイレトレーニング:「猫ちゃんのためのトイレトレーニング

□ 社交的な猫に育てる:「社交的な猫に育てるには、社会化期の過ごし方がポイント!

 

〇「子猫のかかりやすい病気」に関するにゃんペディア獣医師監修記事

□ 猫風邪:「猫風邪の症状って?治療法も解説

□ ヘルペスウイルス:「猫ウイルス性鼻気管炎

□ 猫カリシウイルス:「猫カリシウイルス感染症

□ クラミジア:「猫クラミジア感染症

□ ワクチン接種:「猫の予防接種(ワクチン)で防げる6つの病気

□ 皮膚糸状菌症:「猫の皮膚糸状菌症

□ FIP:「子猫の命を奪う恐ろしい病気、FIP(猫伝染性腹膜炎)とは?

 

★「うちの子」の長生きのために、年齢や季節、猫種など、かかりやすい病気や、症状や病名で調べる「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。

 

「うちの子おうちの医療事典」で「子猫のかかりやすい病気」を調べる

猫カリシウイルス感染症(猫風邪)

猫ウイルス性鼻気管炎(猫伝染性鼻気管炎、猫ヘルペスウイルス1型感染症、猫風邪)

クラミジア感染症

皮膚糸状菌症(真菌症、白癬、カビ)

回虫症

ジアルジア症

コクシジウム

 

日本動物科学研究所

富田 園子

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