人間に好き嫌いがあるように、猫ちゃんだって大好きなご飯があれば、これはちょっと…と思うものがあります。室内で飼われている猫ちゃんは、ご飯を自分で選ぶことがはできず、飼い主さんが用意してくれるものを食べることになります。いつも食べているから喜んでいるはず、これが好物のはず、と思い込んではいませんか? 意外と知られていない猫ちゃんの好物をおさらいしてみましょう。
猫の主食は魚ではない!
猫は魚が好物を思っている人も多いと思いますが、これは魚がおかずのメインだった時代の日本人の食習慣が影響して、そのように認識されていると思われます。海外では肉類を主食にしていることのほうが多く、イタリアの猫はパスタを食べますし、インドの猫は野菜のカレーを食べるともいわれています。つまりその地に暮らす人間と同じものを猫も食べるようになるということです。そもそも猫の祖先は砂漠地帯で狩猟をして暮らしていたわけですから、沖合を回遊するマグロやカツオに出合うはずもなく、動物性たんぱく質を食料として生きてきた完全な肉食動物です。猫がネズミを捕るのはそのためです。ネズミが自分にとって栄養食であることを猫は本能的に知っているのですね。ノラ猫の場合、ネズミ以外にも鳥やへび、トカゲ、カエルなどの小動物を捕って食べることもあるようです。
もちろん漁村で暮らす猫は、一番手に入りやすい食材である魚を好んで食べますし、室内飼育されていても肉より魚を好きだという猫もたくさんいます。けれど、猫は本来、魚を主食としている動物ではなく、すべての猫が魚を大好物としているわけでもないということはぜひ覚えておいてくださいね。とくに本来肉食である猫に魚だけを与え続けるのは病気のもととなるおそれがあります。
美味しさは匂いで判定
食事を前にした猫はまず匂いをかぎます。それは自分が好きなものかどうかを匂いで判断しているのです。猫の鼻の粘膜には匂いを感じる受容体が約6500万個存在しています。人間は1000万個程度であることを考えると、いかに猫の嗅覚が優れているかがわかりますね。嗅覚の鋭さは年齢や性別、品種などによって若干差はあるものの、おいしさを匂いで判断するのは、どの猫にも共通しています。そんな猫の好きな匂いといえば、狩りをして暮らしていた時代の名残でしょうか、やはり肉の匂いです。あまり食べないときなど、肉の茹で汁をかけてあげたりすると食欲が復活することもあります。
固いものはちょっと苦手
猫が匂いの次に重要視するのが食感です。食べにくい形状、大きすぎ&小さすぎ、さらに固すぎるものは美味く食べることができません。特にまだ
歯が柔らかい子猫や老年期を迎え歯の弱った猫は、固すぎないものを食べさせて
ください。無理して食べさせると歯が折れてしまう恐れがあります。猫が無理なく食べられる固さのものを選びましょう。
実は猫は味オンチ!?
猫は苦みに敏感です。その理由として考えられるのが、毒物には強い苦みがあることが多いため、生存本能から敏感に感じ取るようになったのではないかということです。さらに肉食動物である猫は、肉などに含まれる「旨味」を感じることができるともいわれています。その一方で、塩味と甘味はあまり感じることができないといわれます。猫がえさにしてきた獲物の体内には血液を含め塩分が含まれていたため、あえて塩分を摂る必要はなく、塩味を感じる力をなくしてしまったとも考えられています。甘味を感じにくいのは、猫が糖質を代謝することを苦手とするからだという考え方もあります。たまにカスタードクリームが好きな猫もいるようですが、これは甘味を求めているのではなく、そこに含まれる卵や牛乳の旨味を感じていると考えられます。
「食」に関するにゃんペディア獣医師監修記事
こちらの記事もあわせてご一読ください。
□ 絶対NG:絶対に猫に与えてはいけない食べ物
□ OK/NG:人間の食べ物って、猫は食べても大丈夫? 良いものとは?ダメなものとは?
□ 食生活:猫が長生きしてくれる、健康的な食生活とは
□ フード:キャットフードにはどんな種類があるの? ラベルには何が書いてあるの?
□ 手作り食:猫に必要な栄養素って?手作り食で注意すること
□ 気まぐれ:なぜ餌を食べないの?猫の食に関する気まぐれ
□ 味覚:猫は甘味を感じない?猫の食事トリビア
□ 食物アレルギー:猫の食物アレルギー
□ 食欲不振:猫がフードを食べない!食欲不振の原因とは?
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★「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典 」をご利用ください。
☞例えば、下記のような猫ちゃんの「症状」から、
● 排泄:下痢をしている・血便が出ている・便の様子がおかしい・便
● 食事:元気がない・食欲がない・食べすぎる・水を沢山飲む・疲れ
● 口:よだれが多い・口を気にしている・口の中にできものがある・
● 呼吸:・くしゃみをする・咳をする・呼吸が苦しそう・口を開けて
☞「猫の行動」からも、考えられる病気やケガをも調べられます。
□ 足をあげる
□ 歩かない
□ ふらつく
□ 性格が変わる
☞他にも、下記のような切り口で、
【治療】
■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり
【症状】
■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い ■後遺症が残ることがある
【対象】
■ 子猫に多い ■ 高齢猫に多い ■男の子に多い ■女の子に多い