外を自由に散歩できる猫ちゃんの飼い主さんの猫あるあるでよく登場する、「おみやげ」話。その品は鳥にねずみに爬虫類とさまざまで、中には絶叫後腰を抜かしてしまった飼い主さんも。理由が分かればなんだか愛おしくなる!? そんな猫ちゃんの、おみやげ行動の不思議に迫ります。

なぜ猫は飼い主におみやげを持ってくるの?

猫は元々狩りをして生きてきた動物です。動くおもちゃが大好きなのも、その習性に由来しています。窓の外にとまった鳩やスズメを見つけて「ケケケ、ケケケ」とクラッキングするのは狩人の血が騒いでいる証拠。「にゃんとかしてアイツを捕まえたい!!」と狙っているのです。そんな猫ちゃん(特に外出できる猫ちゃん)と暮らしていると、突然悲鳴をあげたくなるようなものをくわえて帰ってくることがあります。それは、スズメだったり、金魚だったり、カエルやヘビ、トカゲといった爬虫類からねずみやゴキブリまで。絶句する飼い主さんの気持ちをよそに、なんだか猫ちゃんは満足気なご様子。「嫌がらせなの!!」と思ってしまうのも無理はないこの「おみやげ」には、実は飼い主さんへの愛がたっぷり詰まっていることをご存知でしたか?どうして飼い主さんに見せにくるのか、その理由を紐解いてみましょう。

「獲物獲ったにゃー!褒めて褒めて」説

飼い主さんのことを母親のように慕っている猫ちゃんは、自分のハンター能力を大好きな飼い主さんに褒めてもらいたくてわざわざお持ち帰りするそう。最初は小さな獲物から始まって、段々エスカレートし、大きな鳥を加えて帰った強者もいたとか。

「狩りの仕方を教えてあげにゃきゃ」説

最近の研究では、野生環境にある母猫が子猫に対して実際に獲物のしとめ方や食べ方を教える「野生の血」が騒ぐからではないかと言われています。なかなか獲物を獲ることができない未熟な子猫(飼い主さん)がこの先一人でも立派に生きていけるように、自ら実践して見せてくれているのだそうです。

びっくり仰天、うちの子おみやげエピソード

飼い主さんをびっくりさせた、おみやげエピソードをご紹介します。

夏の風物詩、屋内蝉取り

うちの愛猫は夏になると必ずといっていいほどアブラゼミをテイクアウトします。家と外を自由に行き来できる猫専用扉があるため、くわえたままお家にイン。生きたままお持ち帰りされたセミが家中をミンミン飛び回るので、毎年我が家では屋内の蝉取りが行われます。

愛猫のハンター能力の高さにヒヤヒヤ

虫やスズメなど小さなおみやげ話はよく聞くのですが、うちの子は一度自分の体重と変わらないであろううさぎを持って帰ってきました。山を切り開いた住宅地なのできっと森の中から捕まえてきたんだと思います。幸い命に別状はなかったので、ミルクをあげて山に返しましたが、そのうちタヌキやウリ坊なんかもおみやげに持って帰ってくるんじゃないかと今でもヒヤヒヤしています。

 

Fotolia_122384504_Subscription_Monthly_M

これもおみやげ!?

まだ息子が小さかった頃、実家で猫を飼っていました。夏休みに帰省し朝起きてみると何やら庭で息子が喜んでいます。どうしたのかと行ってみると、息子の手にはカブトムシが!どうやら実家の猫が持ち帰ったそうなのですが、母いわく「背中に載せて帰った」とのこと(笑)。狩りでしとめたものではなさそうですが、素敵なおみやげをくれました。

獲物を捕獲して、もしそのまま食べてしまっていたら

おみやげを持って帰ってくるということは、外で狩りをしているということ。おみやげとして持って帰ってくれるならまだしも、飼い主さんの目が行き届かない場所で、ネズミやカエルなどを捕まえて食べているとなると、猫ちゃんの健康が心配ですよね。捕食で主に気を付けたいのが寄生虫です。寄生虫を持っているネズミなどを捕食することで感染し、下痢や嘔吐などをひきおこす場合があります。猫が外出してから様子がおかしいときは注意してください。

また、寄生虫の中でも特に気をつけなければならないのが、猫の糞を経由して人に感染する「トキソプラズマ」という寄生虫です。今までトキソプラズマに感染したことがない妊婦さんが妊娠初期に感染してしまうと、最悪の場合、死産や流産してしまう恐れがあります。感染している猫の糞などから感染するので、特に妊娠初期の妊婦さんはきちんと手を洗うようにしましょう。

*トキソプラズマについては、「人にもうつる!猫のトキソプラズマ症」で詳しくご紹介しています。

 

 

いかがでしたか?猫ちゃんのおみやげ行動の話はまだまだ通説で、はっきりしたことはまだ分かっていません。でも、飼い主さんの事を「獲物が獲れない未熟な子ども」だと思っているとしたら、微笑ましくなってしまいます。食べてしまうと体調を崩す恐れがあるので、おみやげを持って帰ってきてくれた時にはしっかり褒めてあげて、食べないよう猫の見てないところで捨ててあげましょう。

東京猫医療センター 院長

服部 幸

詳細はこちら

関連記事

related article