大切な猫ちゃんには健康で長生きしてほしいですよね。しかし、猫も人も歳を取ると様々な病気にかかりやすくなります。早期発見・早期治療で助かるケースも多いので、飼い主さんがいち早く猫ちゃんの異常に気づいてあげることが大切です。 ここでは、高齢の猫がかかりやすい病気の症状や治療法、飼い主さんが注意すべきことを解説します。

慢性腎臓病(慢性腎不全)

猫は慢性腎臓病にかりやすいと言われています。腎臓は血液中の老廃物を取り出し、尿として体の外へ排出させる役割を担っているのですが、慢性腎臓病にかかると腎臓の浄化機能が低下して、本来排出されるべき老廃物がどんどん体内に溜まってしまいます。

初期症状としてはお水を飲む量が増えたり、おしっこの量が増えます。やがて食欲がなくなって痩せていき、吐き気などの症状が見られるようになり、最終的には昏睡状態に陥ったり、痙攣を起こしながら死に至ります。

飼い主さんが気をつけること

まだ確実な予防法は見つかっていないのですが、腎臓に負担をかけるようなことを避けてください。腎臓に大きな負担をかける中毒にならないよう、毒性のあるもの(ユリの花・人間用の解熱鎮痛剤)は口にさせないようにしましょう。歯が奇麗な猫は腎臓病になりにくいという研究結果もあるので、早いうちから歯磨きの習慣をつけておくこともオススメです。

早期発見によりその後の生存率をあげることができるので、普段から水を飲む量と尿量をしっかり把握してあげてください。慢性的な病気なので治療も長引くことが多く、その分費用も他の病気と比べて高額になることがありますので、しっかり治療を受けさせてあげるために、きちんと備えをしておくことも大切です。

 

腎臓病についてもっと詳しく知りたい方は『獣医師監修!猫の腎不全(腎臓病)はこんな病気』もあわせてご確認ください。

腫瘍

腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があります。良性腫瘍は成長も遅く、転移もすることも少ないので早期に発見できれば完治することも期待できます。一方、悪性腫瘍(がん)は、良性腫瘍と比べて成長もはやく、離れた部位にも転移し、転移した先でも成長していくため、治療が非常に難しくなります。ここでは高齢猫がなりやすい腫瘍に関する病気を紹介します。

リンパ腫(りんぱしゅ)

リンパ球は白血球の一種で、体のいたるところに存在し、異物が入り込んできたときに、異物と戦って体を守る働きをしています。そのリンパ球が腫瘍化してリンパ腫になるため、リンパ腫というのは体のどこにでもできる可能性があり、できた場所によって症状が異なるのです。胸にできれば呼吸困難、消化管にできれば嘔吐や下痢、食欲不振を引き起こします。決まった症状がないため、飼い主さんが早期発見してあげることが難しいのですが、早期発見によって治療しやすくなるため、違和感を感じたらすぐに動物病院へ連れて行くようにしましょう。

飼い主さんが気をつけること

確実にリンパ腫を予防する方法はいまだ解明されていないのですが、「猫白血病ウイルス(FeLV)」と「飼い主さんの喫煙」との関連が指摘されています。猫白血病ウイルスは他の猫から感染するので、室内飼いをしてあげてください。また

 

リンパ腫についてもっと詳しく知りたい方は『高齢猫がかかりやすいリンパ腫とは?症状や治療法など』もご覧ください。

乳がん(にゅうがん)

猫の乳腺は一般的に、前足の付け根から後ろ足の付け根にかけて左右4対、合計8個存在します。その乳腺に出来る悪性腫瘍が乳がんです。乳がんはそのまま放っておくと大きくなったり、他の場所に転移していきます。もしも肺に転移してしまった場合は、余命1ヶ月程度というケースもありますので、早期発見・早期治療が重要です。

飼い主さんが気をつけること

特に避妊手術を行っていない猫は、早期に避妊手術をしている猫の7倍近くの確率で発症すると言われているので、早期に避妊手術を受けさせていない場合は、日ごろから気をつけてあげてください。毎日体を触ってあげて、しこり(他の皮膚と比べてかたいところ)ができていないか確認してあげると、早い段階で気付きやすくなります。

 

乳がんについてもっと詳しく知りたい方は『猫の乳腺腫瘍・乳がん』も合わせてご確認ください。

甲状腺機能亢進症 (こうじょうせんきのうこうしんしょう)

甲状腺は気管のすぐそばにあり、新陳代謝を促進するための甲状腺ホルモンを分泌しています。中高齢の猫は、この甲状腺が肥大化したり、癌になったりすることで、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になります。この病気自体は、すぐに命にかかわるようなことを引き起こすものではありませんが、放置しておくと徐々に体を消耗させてしまいます。

以下のような違和感が見られた場合は、すぐにかかりつけの獣医さんに相談しましょう。

 

たくさん食べるのに太らなかったり、やせていく。

なんとなくイライラして攻撃的になる。

目がギラギラとしている。

被毛がバサバサになってくる。

吠えるように鳴くようになる。

 

飼い主さんが気をつけること

甲状腺機能亢進症になると上記のような症状をあらわすことから、飼い主さんは「年のわりに元気だ」と考えてしまい、病気の発見が遅れてしまうことがよくあります。放置すると新陳代謝を過剰に促進し、体への負担が大きくなり、二次的に心臓病になってしまうこともあります。

定期的に動物病院で健康診断を受けさせてあげると早期発見することができるでしょう。

 

どの病気も早期発見によって治療の幅も広がり、治る確率も高くなります。高齢猫は色々な病気にかかりやすくなるもの。もし猫の様子がいつもと違うようであれば、すぐに病院に連れて行ってあげましょう。また、健康診断を定期的に受けることもオススメです。大切な猫ちゃんにできるだけ長く、健康に過ごさせてあげるためにも、日々きちんと観察してあげてくださいね。

東京猫医療センター 院長

服部 幸

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