猫ちゃんの平均寿命を知っていますか? 2012年に日本ペットフード協会が発表したデータによると、猫の平均寿命は14.45歳でしたが、2018年発表データでは15.32歳、2021年発表データでは15.66歳と、どんどん平均寿命がのびています。20歳まで長生きする猫ちゃんも珍しくなくなりました。つまり人間同様、猫ちゃんも高齢化が進んでいるというわけです。

猫ちゃんが長生きしてくれるのはとても嬉しいことですが、その一方で心配なこともあります。それが医療費と介護の問題です。中でも深刻なのが介護の問題です。家族みんなで最後まで面倒を見ることができればいいのですが、飼い主さんが一人暮らしだったり、高齢だったりして猫ちゃんの介護が十分にできないこともあるでしょうし、同様のケースはこれからどんどん増加していくと考えられます。

急増する『老猫ホーム』

最近「老猫ホーム」や「老犬ホーム」という言葉を耳にするようになりました。その名前の通り、老齢の猫ちゃんやワンちゃんを預かってくれる施設のことで、「ペット介護業者」と呼ばれ、環境省の定める「動物愛護管理法」に基づく「第一種動物取扱業者」に位置づけられています。

動物愛護管理法とは、その名の通り「動物愛護」を最優先に考慮し、人間と動物が共に生きていける社会を目指して作られた法律で、さまざまなガイドラインが設けられています。老犬、老猫の管理に関しても基準が定められており、ペット介護業者は動物取り扱い責任者の選任、および都道府県知事などが行う研修会の受講が義務づけられています。これらの基準を満たした上で「老猫ホーム」や「老犬ホーム」は運営されています。

また、動物愛護管理法は5年を目安に改正され、2013年の改正では飼い主さんの義務や責任が強化され、飼い主さんはペットが死ぬまで飼い続ける責任があるということが明文化されました。しかし、先に紹介したように一人暮らしの飼い主さんが老齢の猫ちゃんを介護するのは簡単なことではありません。さらに飼い主さん自身が高齢のため面倒をみることができない、施設に入居することになり動物を連れて行けないなど、さまざまな事情から猫ちゃんの介護ができないこともあるでしょう。そこで「自分に代わって猫の面倒を見てほしい」という人たちの願いを叶えてくれるのが老猫ホームなのです。

あるるホーム

あるるホーム

「老猫ホーム」ってどんなところ?

飼い主さんの都合で一緒に暮らすことのできなくなった猫ちゃんを預かり、スタッフが世話をしてくれる施設のことで、食事やトイレの世話を含めたケアを行ってくれます。もちろん病気になった場合は獣医師の治療を受け、看病を行います。契約は通常1年ごとに更新され、飼い主さんの事情に合わせて終生契約を結ぶこともできます。最後まで猫ちゃんの面倒をみてもらうため、ペット信託を利用する人もいるようです。

ワンちゃんを預かる老犬ホームは数年前から存在していて、次第に猫ちゃんの需要も増えていったというのが実情です。そのため、老犬ホームで同時に猫ちゃんを預っているところが多数ありました。しかし、最近では生活スペースを分けたり、猫ちゃん専用のホームが開設されたりするなど、猫ちゃんのQOL(Quality Of Life:どれだけ猫らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか)に配慮した施設が増えています。

ひとりが好きな猫用の猫舎

ひとりが好きな猫用の猫舎

料金体系は施設よってまちまちです。獣医師は常駐しているか、介護費は含まれているか、飼い主さんへの定期的な連絡があるかなど、どのような世話をしてくれるかなどを含め、それぞれの猫ちゃんに合った施設を選ぶのがいいでしょう。

 

「老猫」に関する獣医師監修記事はこちらをご覧ください。

「うちの子」の長生きのために、気になるキーワードや、症状や病名で調べることができる、獣医師監修のペットのためのオンライン医療辞典「うちの子おうちの医療事典」をご利用ください。

 

 

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