「サビ柄は頭が良い」「三毛は気ままな子が多い」など、毛色や柄での性格の傾向を耳にすることがあります。何匹もの猫と接しているとその通りだと感じる子もいますが、毛色と性格は関係あるのでしょうか?

猫の性格は何で決まる?

性格は何で決まるか

猫の生まれ持った性質を決める要因として、これまでに次のような研究がされています。

両親の性格

友好的かどうかは父猫の性格に似るという実験結果があります。しかし、ブリーダーの間では母猫に似やすいという声も聞かれます。

オキシトシン遺伝子

「愛情ホルモン」ともいわれるオキシトシンの遺伝子の長さによって、フレンドリーかどうかの違いが見られたとの調査結果が出ています。

猫の毛色

毛色と性格の関連性はさまざまな研究がされていますが、科学的にはまだ判明していません。しかし、統計的な調査は各地で行われています。
また毛色に関係する「メラニン」は、やる気や幸福感、運動などに関係する「ドーパミン」と同じ原料と経路から作られます。そのため、メラニン量などが性格に影響があってもおかしくないといった考察もされています。ペットフード会社の実験で「毛色が濃い猫は薄い子よりも嗅覚が優れている」との結果が報告されており、そうした点も性格に表れるかもしれません。
猫以外にも、メラニン量の少ない青い目の人はシャイな傾向があると言われたり、麻薬探知犬の合否と毛色遺伝子との関係だったりと、メラニンや毛色と性格との関連が研究されています。

 

こうした先天的な要因に加えて、生まれてからの栄養状態や兄弟との関係など、育った環境、人との触れ合い時期、年齢や去勢・避妊の有無などなど、さまざまな後天的要素も相まって、その子その子の性格が形成されていきます。

 

猫の性格分類

オーストラリアとニュージーランドで2,082匹の猫を対象に行われた調査では、猫の性格は以下の5分類の特性で表されるということです。
いくつかのタイプが混ざったり、どの特性も持ち合わせていたりするものの、その度合いによってそれぞれの猫の個性となるのかもしれません。

 

神経質:臆病、警戒心強め、シャイ
外向的:活発で好奇心旺盛、賢い
支配的:人や他の猫に対して攻撃的
衝動的:気ままで大胆、マイペース
協調的:愛情深い、優しい、飼い主と深い絆を築く

毛色、模様の出方は何で決まる?

 

猫は違うオスの子供を同時に妊娠することもありますが、お父さん猫が同じでも、同時に産まれた子猫の毛柄がバラバラなことは珍しくありません。
猫の毛色や模様は次のように決まっています。

毛色遺伝子

猫の毛色は両親から受け継いだ遺伝子で決まります。猫は一度の出産で4~8匹の子猫を生みますが、別々の卵子で異なる遺伝子を受け継ぐため、さまざまな毛柄の兄弟が誕生するというわけです。人の双子の「二卵性双生児」のような感じですね。
色を決める遺伝子はA、B、C、D、I、O、T、S、W、の基本の9種類からなり、それぞれ優性と劣性や亜種など、細分化されます。
それぞれのはたらきを簡易的に説明すると以下のようになります。

 

A…1本の毛の色。 A=アグーチ(しましま)/a=1色の毛
B…黒系の色。 B=黒/b=ブラウン/b´=ライトブラウン
C…全体の着色。 C=フルカラー/c=ポイントカラー
D…D=濃色/d=淡色。例えば D=黒/d=ブルー、D=茶/d=クリーム など。
I…Iだと毛の根元が白くなりシルバーに。
O…オレンジ因子。O=赤系/o=黒系の毛をつくる。
T…タビー因子。縦縞、渦巻き、斑点、アビシニアンタイプの4種類。
S…白斑点をつくる遺伝子。Sだとお腹が白くなる。
W…絶対優性の白。Wが1つでもあると白猫になる。

 

ホワイト(W)、ブラック(B)、オレンジ・レッド(O)がベースとなる色を決めます。
Wは絶対優性の遺伝子のため、Wを1つでも持っていたら、白猫になります。
Dが入るとベースの色が淡くなり、cでポイントカラーが現れたり、Tで縞模様になったり…と複数の遺伝子が複雑によりまざり、相対的にはたらくことで毛色となります。

 

性別と毛色

三毛猫はオスが生まれるのは3千分の1~3万分の1といわれ、メスがほとんどです。
三毛猫になるのに必要な遺伝子はO、o、Sです。
Oはオレンジ、oは非オレンジ(黒系)、Sは白斑点となります。この中でOとoは性別を決める性染色体(XX=メス、XY=オス)のXに依存する毛色遺伝子です。Xは1個につき、Oかoのどちらかしかのることができません。そのため、Xを2つ持つメスが三毛猫のほとんどを占めるわけです。
ただまれにXXYという性染色体を持つ子猫が生まれることがあります。それがオスの三毛猫といわれるわけですが、通常よりも染色体が多く、いわゆる染色体異常となるため、オスでも生殖能力はありません。

 

すべての毛色にいえることですが、同じ毛色でもオスとメスでの性格の違いがあります。
繁殖するときにオスを選び、出産・子育てをする必要もあるため、メスは好みがはっきりしていて慎重、成熟した性格の子が多くなります。
逆にオスは子育てしないので、大人になってもおおらかで甘えん坊が多く見られます。
「三毛猫はツンデレ」「サビ猫は慎重で賢い」などといわれるのはメスの割合が多いため、メスっぽい性格がそのまま毛色の性格の傾向となっているのでしょう。

代表的な毛色と大まかな性格

毛色や柄と、性格のざっくり傾向

代表的な毛色と、その性格の傾向をご紹介します。愛猫には当てはまるでしょうか?

 

キジトラ…猫の毛色の大元!野性味が強く、警戒心は強いが慣れると甘えん坊に。
白…野生には無かった毛色で目立つためか、臆病で繊細。プライド高め。
黒…都市部に多い毛色との説が。人と近い暮らしだったのか、フレンドリーで楽観的。
グレー…黒猫同様、穏やかで飼い主さんに甘えん坊でべったり。繊細でシャイな面も。
サバトラ…キジトラ同様、警戒心強め。アメリカンショートヘアのように、陽気な子も。
茶トラ…オスが多く、大柄。明るくおおらか。警戒心少なめで、どこかヌケ気味。
三毛…ほとんどがメスで、気まぐれの猫らしい性格。ツンデレお嬢さんが多い。
サビ…三毛と同じく、メスがほとんど。アピール力高めの、賢い世渡り上手女子。

 

科学的にはまだ解明されていない毛色と性格の傾向ですが「言われてみれば、うちの子もこういう部分があるのかも?」「この行動はこの性格から来ているの!?」など、違った角度から愛猫を見つめてみる、おもしろいキッカケになると思います。

愛猫の毛色から性格、そして親猫から受け継いだものなどに思いを巡らせることで、愛猫への感謝や愛情を改めて実感できるのではないでしょうか。

 

 

参考資料
・Microsatellite Polymorphisms Adjacent to the Oxytocin Receptor Gene in Domestic Cats: Association with Personality?
・The ‘Feline Five’: An exploration of personality in pet cats
・The Relationship Between Coat Color and Aggressive Behaviors in the Domestic Cat
・Cat Color May Hint How Aggressive It Is: Felines With Black, White Or Gray Fur Make Best Pets
・ねこ色、ねこ模様。
・猫の毛色&模様 まるわかり100!
・猫のなるほど不思議学
・真夜中に猫は科学する

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にゃんペディア編集部

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