「猫が自力で遠い場所から帰ってきた」。そんな仰天ニュースをたまに耳にします。
引っ越し先の新しい家から元の家に戻ったり、旅先で行方不明になった猫が数年後に元の家に現れたり。
距離も3000㎞など信じられないほどの長距離の例もあり、、いったい猫がどうやって元の家にたどり着けたのか、首をひねるばかりです。
こういう解説をしている資料もあります。「実は現れた猫は別の猫なのではないか」。飼い主がいなくなった猫のことを気にかけているので、似た模様の猫を見かけると自分の猫と思い込んでしまうのではないか、というもの。
しかし、「確かに同一の猫」が帰ってきた例はあります。マイクロチップなどがその証拠。やっぱり、こうした不思議は起きているのです。
太陽の位置で方向がわかる?
猫が遠い場所から元の家に帰って来る。この不思議な能力を説明するものとして、「太陽の位置で元の家の方向を割り出している」という説があります。
猫には体内時計があります。そして、「この季節、この時間帯で、元の家なら、太陽はこの位置にあるはず」というのを覚えています。元の家ならこの位置・・・・にある太陽が、今はあの位置・・・・に見えている。その位置のズレ・・で、「元の家はこっちだ」と方向を割り出しているというのです。渡り鳥は、太陽の位置や星座で方向を見定めているといいます。猫にも同じ能力があるのかもしれませんね。
磁場で方向がわかる?
また、こういう実験もあります。野原に猫用の大きな迷路を作ります。上から見ると15度の間隔で、合計24か所の出口がしつらえてあります。迷路全体には屋根をつけ、日光や星の光は見ることはできません。
実験者は、町の飼い主から多くの猫を借りてきて、1匹ずつ迷路の中央に置きました。すると、かなり多くの猫が、自分の家がある方向の出口から出たというのです。「我が家はあっちだ!」とわかったということですね。
この結果を受けて、「猫は太陽や星が見えなくても、家の方向がわかる」という発表を実験者はしました。しかし、あまりに驚異的な事実に、周りからは懐疑的に受け取られました。次のような指摘も受けました。「家から迷路に運ぶ間もずっと、家の方向を覚えていたのでは?」迷路へは、猫たちは箱に入れられ、ぐるぐると複雑なコースを回る自動車で運ばれたのですが、そのすべての曲がり角を猫たちは頭の中で補正できたのかもしれない、というのです。たまに、方向感覚の優れた人も、地下道などで「○○の場所はあっち」とわかっていますが、それと同じようなことを猫もできたのでは、というのです。
この指摘を受けて、新たな実験が行われました。今度は、猫たちは薬で眠らされてから運ばれました。これで「家の方向を覚えていた」という理屈は通らなくなります。
そしてまたもや、同じように猫たちは自分の家の方向を探し当てたのです!
これらの実験から、猫は磁場によって方向を割り出せるのではないかといわれています。猫に磁石を取り付けると、この帰巣本能が狂うともいわれています。
まだまだ解明されない不思議な能力
これらの能力から、猫が長距離を歩いて元の家に戻れることは、なんとなく説明がつきます。しかし、これだけでは説明のつかないことがあります。元の家に置いて行かれた猫が、引っ越し先の新しい家にたどり着く例もあるのです!
住む場所が変わると猫が嫌がると思った飼い主が、近所の人に猫の新しい飼い主になってもらい、数千㎞離れた場所に引っ越し。その後、猫は姿を消してしまい、行方知れずになってしまいました。それから数年後、新しい引っ越し先にいた飼い主の前に、猫が登場したというのです!
飼い主に会いたい一心だったのでしょうか。でも、一体どうやって新しい家の場所がわかったのでしょうか? これこそ不思議な能力としかいいようがありません。飼い主としては嬉しいけれど、ちょっとそら恐ろしい気もします……。
※迷子になっても必ず帰って来られるわけではありません。なわばりの主に追い立てられてどんどん遠くに行ってしまう例もあります。飼い猫の脱走や迷子にはくれぐれもご注意を。
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☞例えば、下記のような『症状』から、
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<呼吸>・くしゃみをする・咳をする・呼吸が苦しそう・口を開け