目球内には、目房水という液体があります。この液体は常に産生と流出を繰り返し、一定の量を保っています。緑内障は、この目房水が通常より多くなることで目球の圧が上昇している状態のことで、視神経や網膜に変化を起こして視力を失う可能性がある疾患です。目房水が多くなってしまう原因としては、産生量の増加よりも、流出量の低下が一般的です。流出量の低下は、遺伝的な素因により流出する場所に閉塞が起こったり、ブドウ膜炎などの目疾患から続発して起こったりすることが知られていますが、猫ではほとんどが後者の長期にわたるブドウ膜炎からの続発として起こり、6歳以上の高齢猫でみられます。

こんな症状が出たら気をつけて

目が大きく見える、目を痛そうにしばしばさせる、充血している、など。
前述したようにブドウ膜炎から緑内障になることは多く、ブドウ膜炎は角膜に深く傷がついた状態から進行していくこともあるので、角膜の潰瘍(角膜が白く濁っていたり、毛細血管が出来ている)がある時も要注意です。

診療方法

まずは目球をよく観察し、緑内障の際に現れることが多い症状(結膜炎、角膜浮腫、散瞳、充血・うっ血など)が確認できないか注意深く診ます。
また、目圧計を使い、正常値より目圧が上昇していないか測定します。
目の超音波検査などを行うこともあります。
治療の目的は視力低下や痛みの原因となっている目圧を低下させることですので、目圧を下げる目薬などを使用します。細い注射針を目球に刺し目房水を1滴抜くような緊急措置がとられることや、入院が必要なこともあります。また、外科処置が選択されることもあります。

治療・診療費はいくらぐらい?

診療項目(内容) 単価(円) 数量 金額(円)
目圧検査 3,000 1 3,000
超音波検査 4,000 1 4,000
点目薬1 1,000 1 1,000
点目薬2 2,000 1 2,000
合計 10,000円

この診療明細書はアイペット損保の支払いデータから作成した診療費の参考例となります。したがって、診療費用・内容の平均・水準を示すものではありません。

予防方法

角膜の傷からブドウ膜炎になり緑内障を起こすこともありますので、目の異変に気づいたらすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

 

 

猫の『目』『眼』に関する「にゃんペディア」獣医師監修記事を合わせてご覧ください。

 

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緑内障

角膜潰瘍

結膜炎

 

Anicli24 院長

三宅 亜希

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