ブルー、ゴールド、グリーン…と、猫ちゃんの瞳はいつも神秘的な輝きを放っています。しかも美しいだけではありません。猫ちゃんの瞳にはすごい力が隠されているのです。神秘の輝きの奥を覗いてみましょう。

暗闇でも自由自在

猫は暗闇の中でもすいすいと歩くことができます。どうして真っ暗なのに歩けるの? と疑問に思う人も多いはず。その秘密は猫の網膜の裏側にある「タペタム(輝板)」という薄い膜にあります。タペタムはいったん網膜を通過した光を鏡のように反射し、その光を約40%アップさせ再び網膜に感じさせます。暗闇で猫の目が光るのも、この反射機能によるものです。全く光がない暗闇ではものを見ることができませんが、わずかな光さえあれば、自身の力でその光を増やすことが可能なのです。

暗闇では光を取り入れようとして、瞳孔を最大限に広げます。暗闇で猫の瞳がまん丸になるのはそのせいです。逆に明るい場所では網膜を保護するため瞳孔をできるだけ小さくします。晴れた日の昼間など、瞳が糸のように細くなるのはこのためです。

優れた動体視力で獲物をキャッチ!

猫はとても動体視力に優れた動物です。1秒間に4mmというわずかな動きでも感知できるともいわれています。すばしっこいネズミを一瞬で捕獲することからも動体視力が優れていることはわかりますよね。室内飼いでのんびり暮らしている猫でも、飼い主さんが猫じゃらしをふり始めると野生の本能が一気に呼び覚まされます。飼い主さんがどんなに素早くじゃらしを振っても、猫はその動きに合わせて目を動かし続けて見失うことはないのです。

猫は近目!?

暗闇でもモノを認識し、優れた動体視力を発揮するということは、さぞかし目がいいのでは…と思いがちですが、実は猫の視力は人間の10分の1、0・1〜0・2程度といわれています。 きちんと識別できるのは10m先ぐらいまでで、解像力も低いため静止しているものはぼんやりとしか見えないようです。猫は時々首を傾げるような仕草を見せますが、見えにくいものをしっかり見ようとして目の角度を変えているためだといわれます。もし猫が首を傾げていたら、「あれ、目の前にいるのは飼い主さんかな…?」のサインかもしれません。猫がはっきり認識できるように、ちょっと近づいてあげましょう。

猫が認識できるのは青と黄色だけ!?

キトンブルー

 

網膜には錐状体細胞という細胞が存在し、色を認識する働きをしています。人間は「光の3原色」と呼ばれる赤、緑、青の3色を認識する錐状体を有していて、それらが組み合わされることでさまざまな色を認識しています。一方、猫はどうかというと、緑と青に反応する錐状体細胞は有していますが、赤に反応する錐状体細胞は存在せず、「赤色」を認識することができないと考えられています。赤はくすんだ灰色に見えているという説もありますが、猫の目に映る世界は一体何色なのでしょうね。

子猫の目が青いワケ

子猫と成猫では瞳の色が違うって知っていましたか? 生まれたばかりの子猫は猫種や毛の色とは関係なく、多くが青色の瞳をしています。しかし、2〜3カ月が過ぎる頃には本来の色に変化していくのです。目の色が変化するのは一体なぜ? と不思議に思っている人もいるでしょう。青い色の瞳は「キットン・ブルー」と呼ばれます。目の色を左右するのはメラニン量で、このメラニンが少ないと目の色は青色になります。生まれたばかりの子猫は、虹彩と呼ばれる角膜と水晶体の間にある薄い膜にメラニン色素が定着していないため、瞳が青色になるのです。生後2〜3カ月でメラニンが形成され、それぞれの猫種固有の目の色に変化していきます。

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