耳は皮膚科に属し、耳を含めた皮膚のトラブルは9割以上が感染症とアレルギーによるもので、残りが腫瘍などの病気になります。猫はどんなものに対してアレルギーを持っているのか?また、アレルギー以外で耳が赤くなる理由は何なのか?詳しく解説していきます。
耳の中がきれいなら、まず疑うべきはアレルギー
猫のアレルギーは3つ
耳垢をチェックして、ダニや細菌がいなければ、アレルギー性疾患を疑います。全てのアレルギーに共通するものですが、猫は幼い頃にアレルギーが発症するとは限らず2〜3歳頃から急に症状が出ることが多いです。そのため飼い主は気がつかなかったり、戸惑ってしまったりすることも。猫のアレルギーは以下の3つのタイプに分かれるので、しっかり確認しておきましょう。
食物アレルギー
牛肉や魚などをはじめとする食物アレルギー。キャットフード、手作り食などの食べ物から発症します。人間と違って卵や小麦がアレルゲンとなることはあまりありません。顔に赤みが出やすいのが特徴です。
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ノミアレルギー
ノミが寄生していることによる痒みではなく、ノミに対して発症するアレルギー。特定のノミではなく、一般的なノミ全体に起こりうるもので、耳の先端が赤くなることが特徴です。
非食物・非ノミ科アレルギー
いわゆるアトピーのようなもので、アレルゲンが特定できないものです。顔に赤みが出やすいのが特徴です。
アレルギーは個体差があるので、同じ環境下で多頭飼いしていても、一匹だけ発症することがあります。もちろん、感染するものではないので隔離をする必要はありません。
アレルギーの予防法
残念ながらアレルギーは体質的なものなので、予防することができません。アレルギーと診断された場合、飼い主さんができることは、アレルゲンを避けて赤みや痒みが出ないようにすることです。血液中のIgE抗体を調べるアレルギー検査は、以前と比べ診断の精度は高くなっていますが、現在でも100%正確にアレルゲンを特定できるものではありません。「猫の皮膚が赤くなるのはどんなときか?」、「痒がったりするのはどんなときか?」「何を食べたときか?」をよく観察し、それを避けることで特定していくしかないようです。
皮膚が赤いのは、炎症が起きているということ?
皮膚が赤くて熱感がある、腫れている、悪臭がする、痒がっている。これらは全て炎症が起きているサイン。炎症の原因は上記で挙げたアレルギーか、それ以外には、外耳炎 などの耳の病気、耳ダニ の寄生などが考えられます。
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赤みに加えて発疹がある場合は、肥満細胞種 の可能性もあります。猫の皮膚型肥満細胞腫はそれほど珍しい病気ではありません。また、ほとんどが良性ですが、まれに内臓に転移することもあります。中年〜高年になりやすく、オス・メスによる差はないと考えられます。日本では少なくなりましたが、シャム猫は肥満細胞腫になりやすいと言われています。
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猫の皮膚や耳は通常は白い状態で、熱も帯びていません。耳や顔に普段ない赤みが出たときは、なんらかのトラブルが起きているということです。おそらく多くの場合がアレルギーやその他の一般的な耳トラブルだと考えられますが、独断で診断することは危険です。赤みを確認したら早めに動物病院で受診するようにしましょう。
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