猫は自然環境の中において、他の猫と視線を合わせることはほとんどありません。もし他の猫と目があっても、立場の弱い猫はさっと視線を外します。もしそうでなければ喧嘩になってしまうからです。しかし飼い主さんのことをじーっと見つめてくることは、結構よくありますよね。これは一体、どういうことなのでしょうか?
猫が飼い主を見つめてくる時の気持ち
猫は顔の大きさに対して眼の比率が高く、美しい色の澄んだ瞳が特徴的です。猫が神の使いだと信じられていた時代があったのも、この神秘的な眼差しからそのように思われていたのかもしれませんね。そんな猫に見つめられると、ちょっとドキドキするような気もしますが、一体猫たちは飼い主さんに何を伝えたいのでしょうか?
猫が見つめてくるのはおねだりのサイン
猫が飼い主さんを見つめる理由は、ズバリ、何かをしてほしいというアピールです。何を要求しているかは、その時の状況や猫の性格によりますが、一番多いのはごはんでしょう。多くの猫にとって、ごはんは1日で最も楽しみにしている時間。「早くごはんちょうだい」と、おねだりしていると考えられます。他にも、一緒に遊んで欲しいとき、甘えて膝に乗っかりたいとき、また廊下に出たくて扉を開けて欲しいときなど、要求の内容は様々。猫が何を要求しているのかは、ずっと一緒にいる飼い主さんが一番わかるはずです。
鳴きながら見つめてくるときは何かを伝えたいの?
鳴きながらこっちを見つめている時は、ただ見つめてくる時よりも、より強い要求があることを意味します。わがままな子や甘えん坊の子はよく飼い主さんを見ながら鳴くことが多いです。朝起きるとき目の前で鳴き続ける、飼い主さんがシャワーに入っていると外で鳴き続けるなどはこれにあたります。前者はお腹が空いてたまらない、後者は相手してくれなくて寂しいという意味になります。
見つめながら、まばたきをしてくるのはどういう意味?
猫は人間と比べると、まばたきの回数が非常に少ない動物です。人間が平均3秒に1回瞬きをしているのに対して、猫は平均18秒に1回しか、まばたきをしないと言われています。あまりまばたきをしないはずの猫が、こちらをじっと見つめながらまばたきをしてくるのは、何かのサインだと思う方は多いでしょう。実は、自然環境でも猫同士の目が合った時にまばたきをすることがあります。これは「あなたと喧嘩するつもりはないよ」というサイン。猫の動きは非常に俊敏なので、緊張した状態では一瞬の隙も命取りなのですが、こうしてあえてまばたきをすることによって、相手に降参の意思表示をしているのです。また人間に対してまばたきをする時はリラックスしていることを伝える方法の1つであるとも考えられています。猫がこちらに対してまばたきをしてくれたら、私たちもゆっくりまばたきをしてお返ししてあげましょう。
何もないところをじっと見つめるのはなぜ?
猫が飼い主さんのことを見つめてくるのには、甘えてくれている、リラックスしてくれている等、心がほっこりするサインでした。しかし、猫が何もないところをじっと見つめているのは、どういうことなのでしょうか?「もしかして、幽霊でも見えているのかな」と思うとぞっとしますよね。でも安心してください。これは音に反応していると考えられます。猫は人間よりもより小さな、そして高周波の音を拾うことができます。猫が何もないところを見つめているときは耳をチェックしてください。耳を広げたり、左右に動かしている場合は、音の発生している場所を特定しようとしています。
猫が飼い主さんを見つめる時の気持ちは、自然環境で他の猫を見つめる時の気持ちと大きく異なります。これは私たち人間にも同じことが言えるのではないでしょうか。よく知らない人に見つめられると不快に感じますが、信頼関係のある相手ならアイコンタクトになりますよね。相手を見つめる時の気持ちは、猫も人も根本的には同じように感じます。
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