2016年4月14日、熊本県地方を大きな地震が襲いました。続いて16日には、14日を越える大規模な地震が発生しています。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
今回の震災では、避難所でのパーテーション導入やコンビニエンスストア各社の迅速な対応等、阪神・淡路大震災 、新潟県中越大震災、栄村大震災、そして東日本大震災などの教訓が生かされているようです。
では、猫ちゃんをはじめ、動物救援の動きはどうなのか。今、現在の状況を見てみましょう。
同行避難
東日本大震災以降、環境省ではペットとの同行避難を推奨してきました。熊本県も平成26年(2014年)3月に策定した「熊本県動物愛護管理推進計画」で同行避難についての啓蒙を行うとしています。
けれど、残念ながら、現場の避難所ではペット同行での入所を断られたケースが多くありました。
今回の震災で車中泊が多く見られたのも、お子さん連れやペット連れのご家族が、周囲に迷惑をかけないために車中泊を選んだケースが多いのも一因でしょう。
「同行避難」という概念は犬や猫と暮らす人には浸透してきていると思いますが、動物とあまり縁のない人にはほとんど知られていない現状があるようです。
動物と縁のない人への啓蒙活動や避難所の住み分けなどの対策が今後の課題として残るでしょう。
支援の手
一方で、動物支援への動きは、過去の震災と比べものにならないくらい素早いものでした。一般社団法人ペット災害対策推進協会は、最初の大きな地震があった14日の翌日には、環境省や熊本県などの関係機関および熊本県獣医師会と連絡をとり、ペットフードやキャリーバッグ等の支援物資を送っています。
熊本市動物愛護推進協議会も、19日には熊本市動物愛護センター支援のための寄付金受付口座を開設しました。ブロック塀の崩壊や地割れなどの被害を受けた同センターには、さっそく多くの物資が届き、4月26日時点でフードは充分量が寄せられているとのことです(ただし、混合ワクチンや駆虫剤に不足があるとのこと)。
民間も動いています。竜之介動物病院では、震災で被害にあった300頭もの犬猫を受け入れました。九州動物学院では、同行避難の被災者を受け入れています。日本動物虐待防止協会は、竜之介動物病院と九州動物学院を支援し、ボランティアを募っています。
必要なものを必要なだけ
地震が熊本・大分を襲ってから、まだ日も浅く、現地では人手が足りない状況が続いています。よかれと思って送った救援物資の荷さばきで逆に負担を強いるようなことにならないよう、SNSやホームページで情報を集め、現地で必要とされているものを必要なだけとどけるようにいたしましょう。
被災された皆様と復興にご尽力されている皆様のご安全と、少しでも早く普段の生活に戻れますことを心からお祈り申し上げます。
(この記事は2016年5月5日に公開されました)
月刊猫とも新聞
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