見逃してしまうような部分的な発作から、全身を激しく痙攣(けいれん)させるような発作まで様々ですが、数日から数週間のペースで再び次の発作が起こります。てんかんは脳障害ではありますが、脳の構造そのものは正常で、機能にのみ異常が起こります。なぜ、てんかんが起こるのかについてはいまだに議論されており、犬に比べると猫のてんかんは稀だといわれています。
こんな症状が出たら気をつけて
硬直、手足をバタバタさせる、あごをかみしめている、涎がたくさん出るなどの症状が一般的です。また、発作時に排尿や排便をしたり、大きな声で鳴いたりすることもあります。
診療方法
てんかん以外でも、痙攣のような神経症状を引き起こす病気はたくさんありますので、どこに異常があるのかを確かめなくてはなりません。そのため、血液検査や画像診断を行い、発作を引き起こす恐れのある様々な病気をひとつずつ除外していきます。場合によっては尿検査も行います。また、脳炎などを除外するためにMRIや脳脊髄液の検査が必要になることもあります。てんかんであると診断されたら、てんかんを抑える薬を内服することになります。この薬を飲む目的は「発作を起こさせない」ではなく「発作の回数を少なくする」ことにありますので、発作がみられても、その頻度が月に1回以上のペースではない場合、通常は治療開始とはなりません。
一日に何度も発作を起こしていたり、発作が落ち着く前にまた次の発作が始まったりする場合(てんかん重積)では、入院での治療が余儀なくされることもあります。
治療・診療費はいくらぐらい?
診療項目(内容) | 単価(円) | 数量 | 金額(円) |
レントゲン検査 | 4,000 | 1 | 4,000 |
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神経学的検査 | 3,000 | 1 | 3,000 |
MRI検査 | 30,000 | 1 | 30,000 |
麻酔料 (血液検査込み) |
21,000 | 1 | 21,000 |
内用薬 | 1,000 | 1 | 1,000 |
合計 59,000円
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予防方法
遺伝の可能性があるともいわれています。残念ながら現在のところ有効な予防方法はありません。
発作が起こったら
心配して、ついつい体を触ったり呼びかけたりしてしまいますが、余計な刺激を与えることになるのでやめましょう。周りに物がある場合は、ぶつかって怪我をするようなこともありますので、静かに物をどかせて見守ってください。また、発作があった日や、始まった時間と終わった時間をメモしておくと受診の際に役立ちます。
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