アイペット損保では、犬猫飼育者の1,000名を対象に「ペットのための防災対策」に関するアンケート調査を実施しました。2024年で8回目となる本調査では、はじめて災害経験*の有無による災害対策実施状況の違い等についても調査しました。にゃんペディアでは、その結果をご紹介します。
*本記事での「災害経験」とは、居住エリアで豪雨・暴風・竜巻・洪水・土砂崩れ・地震・津波が発生した経験を指します。
【調査概要】
調査対象:犬・猫の飼育者各500名(合計1,000名)
調査期間:2024年12月2日~12月3日
調査方法:インターネットによるアンケートを実施
【調査結果の概要】

・災害経験者の約30%、未経験者の約15%が防災対策を実施、「ペット用防災グッズ」の準備が最多

・「同行避難の原則」認知は約15%に留まるも、約8割は災害時ペットとの同行避難を希望

・避難所に望むのは「ペットと一緒に過ごせる」約61%、「同行避難≠一緒に過ごせる」に留意

・不在時間増加に伴う防災対策、災害経験者4割はペットの脱走や動線上の危険排除に積極的

・マイクロチップ装着率は約3割、災害時の迷子対策としてもマイクロチップ活用の検討を

 

災害経験者の約30%・未経験者の約15%が防災対策を実施

災害を想定してペットに対する防災対策を行っているかを尋ねたところ、災害経験の有無で大きな差が現れました。災害経験がある場合、なんらかの対策をしている方は28.1%と約3割でしたが、災害経験がない場合、対策をしている方は14%に留まり、14ポイントもの差が生じました。

 

続いて、どのような対策をしているかを尋ねたところ、55.7%が「ペット用の防災グッズを備えている」、53.7%が「普段からクレートやケージに慣れさせている」と回答しました。

 

 

災害経験有無によって実施率に大きな差が生じた選択肢もあり、「近隣のペットと避難できる避難所を調べた、または確認した」は災害経験有無によって20ポイントもの差、「ペットと避難訓練をしている」については14ポイント以上の顕著な差が現れました。実際に災害を経験したことで、避難所の受け入れ態勢やペットと避難する難しさを実感した方もいらっしゃるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

「同行避難の原則」認知は約15%

環境省は災害が発生した際に、ペットをおうちに置き去りにせず、飼育者とペットが「同行避難」することを推奨しています。これを知っているか尋ねたところ、「知っている」と答えた方は全体の約15%に留まりました。

 

 

ただ、「同行避難」が推奨されていることを知らない場合でも、災害発生時にペットと同行避難しようと考える方は約8割に上り、多くの方がペットとの避難を望んでいるようです。 「ペットと同行避難」する理由は「ペットを置いていくのが不安なため」が約8割に上り、二次災害の危険性や、過去の災害事例からペットを置いていくリスクを感じているとの回答も上位になりました。

一方、「ペットと同行避難」しない理由として「避難所に行ってもペットが入れない可能性」を挙げている方が約4割にのぼりました。 同行避難しないと答えた方のなかにも、避難所の受入態勢が整っているなら避難したいと感じている方が一定数いることが窺える結果となりました。

 

 

 

 

「同行避難≠一緒に過ごせる」に留意

飼育者の方がペット受入れ避難所に求めるものを尋ねたところ、「ペットと飼育者が一緒に過ごせる同伴専用スペースの設置」が約6割とトップになりました。2位は「ペット用物資の配給」となり、飼育者の方にとってペットと共に過ごせる環境と、ペットの命をつなぐ物資の支給が重要視されていることが分かりました。

 

 

ただ、実際には「ペット受入れ避難所」であっても、ペットと飼育者の方が同じ環境で過ごせるとは限りません。

「同行避難」とはあくまでも「安全な場所までペットと一緒に避難する行動」を指す言葉であり、ペットと過ごせるかどうかは分かりません。

以下は「同行避難」について説明した文章ですが、文章の意味を正確に捉えている方は約半数に留まっています。

 

 

 

「同伴避難 ≠ 同室避難」である点にも注意

なお、「同伴避難」はペットと同じ避難所で過ごすことを指しますが、同じ空間で過ごせるとは限りません。避難所内の同じ空間でペットと過ごせるかを知るには、「同室避難」が可能であるかを確認しておく必要がある点に留意が必要です。

「最寄りの指定避難所のペット受入れ体制」を知らない方も86%にのぼります。 この機会に、最寄りの指定避難所のペット受入れ体制や同室避難の可否について自治体にご確認いただくのも、有効な防災対策の1つとなるのではないでしょうか。

 

 

また、避難所におけるペット用物資の配給を希望される方も4割以上いらっしゃいますが、実際に災害が発生した際は、まず人命救助が行われますので、ペット用物資の配給までに時間がかかる可能性もあります。

ペットを守るためにも飼育者ご自身でペット用のフードを備蓄しておくと安心です。

ペット用のフードと水は、最低5日分以上用意しておくことが望ましい

ですが、調査では10日分以上備蓄している方が46.8%にのぼりました。

 

 

 

災害経験者はペットの脱走や動線上の危険排除に積極的

続いて、近年の出社回帰などによって、自宅を不在とする時間が増えたか、また、そのために災害の不安が高まったかを尋ねたところ、不安が高まった方は約3割に上りました。

不在時間が増えるにあたって、新たに行ったペットの防災対策を尋ねたところ、災害経験の有無に関わらず「家族など可能な限り誰かに家にいてもらうようにした」と答えた方が約3割となりました。

 

 

 

 

災害経験の有無によって大きな差が出たのは「ペットが逃げ出さないようにドアや窓などを確認した」および「ペットの動線上から危険なものを極力排除した」で、災害経験者は約4割が実施したものの、未経験者の実施率は約2割に留まりました。

災害を経験することで、災害時のリスクや課題をより具体的に認識することができ、その結果、対策の実施率が高まっているのかもしれません。

 

 

マイクロチップ装着率は約3割、災害時の迷子対策としてもマイクロチップ活用の検討を

最後に「あなたのペットは、マイクロチップを装着していますか」と尋ねたところ、全体の3割が「装着している」と回答しました。犬・猫を比べると装着率に20ポイントの差異があり、犬の装着率は40.8%、猫の装着率は19.2%となりました。

 

 

ペットの年齢等を理由にマイクロチップの装着を検討しないと答えた方も一定数いらっしゃいましたが、災害時のペットの迷子に備えるためにもマイクロチップは有効であると考えられているため、こうした観点からも検討してみてはいかがでしょうか。

令和6年能登半島地震から間もなく1年が経過しようとしています。各地で豪雨による被害が発生したことも記憶に新しいのではないでしょうか。災害は発生するまで具体的に想像しにくいものですが、いつどこで起こるか分からない以上、備えておくことはとても大切です。

本調査では、災害経験の有無による災害対策の差異等にも焦点を当てております。災害経験者の方が行っている対策も参考にしてみてください。

 

また、当社では、「ペットの防災」サイトにて、ペットと共に災害を乗り越えるための各種情報をご紹介しております。こちらも、是非お役立てください。

 

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