猫の飛行機での移動は、騒音や気圧の変化が激しく体に大きな負担がかかるため、できるだけ避けるようにとASPCA(アメリカの動物愛護団体)で薦められています。飛行機に乗せる前には、必ず健康状態をチェックし、万全な状態で出かけましょう。ケージにはペットシーツや毛布を敷き、給水器を設置しておくことをおすすめします。

国内外の移動については、国ごとにより動物の持ち込みに厳しい基準が定められている場合があるため、早めに航空会社に問い合わせてください。また、検疫などの事務手続きに時間がかかるため、入出国の半年前には入出国の大使館に確認しておくことをお勧めします。国内線でも、様々な手続きが必要であるため、事前に必ず確認しておきましょう。

飛行機で注意が必要な猫種

短頭の猫種(ヒマラヤンバーミーズエキゾチックペルシャなど)については、輸送中の気温や気圧の影響を受けやすいとされており、呼吸困難を引き起こす可能性が高くなります。体力的な負荷がかかり体調に異変が起きてしまう場合がありますので、飛行機に乗せる際は特に注意が必要です。該当の猫種に関しては飛行機に乗せる前に、動物病院で相談してみることをおすすめします。

国内線

日本の国内線では、猫の機内持ち込みは禁止されており、手荷物として預ける必要があります。ペットケージについては、IATA(国際航空運送協会)の規定に準じたものを使用します。硬いプラスチックや金属など、強度があり、頑丈で屋根がついた航空運送に耐えうるもので、布製のキャリーバッグや紙製の箱は使用できません。車輪つきのケージは取り外し可能なタイプか、車輪を固定できるものを用意し、必ず換気用の窓がついた通気性のあるタイプにしてください。

ANA国内線

事前予約:不要。搭乗

事前予約:不要。搭乗出発時刻30分前までの受付と、同意書の記入が必要

料金:ペットケージ1個につき1区間あたり6,000円(北海道、沖縄、一部離島は4,000円)

条件:猫は混合ワクチンの接種を受けていること。また、手荷物などの収容状況によっては預かり不可になる場合もあり

JAL国内線

事前予約:不要。搭乗

事前予約:不要。搭乗出発時刻30分前までの受付と、同意書の記入が必要

料金:ペットケージ1個につき、3,000円~6,000円(路線による)

条件:ケージ込で20kgを超えないこと

スカイマーク国内線

事前予約:不要。搭乗出発時刻60分前までの受付と、同意書の記入が必要

料金:ペットケージ1個につき1区間あたり5,000円

条件:ケージサイズ51cm×69cm×48cmまで

スターフライヤー国内線(※2022年3月編集部追記)

2022年3月27日搭乗分より国内唯一のペット同伴搭乗サービス「FLY WITH PET!」を開始。

持込可能動物:指定サイズのケージ(50㎝x40㎝x40㎝程度)に入る小型の犬及び猫

対象便:<羽田空港発> SFJ77便 SFJ89便 <北九州空港発> SFJ78便 SFJ90便の1日計4便

料金:料金 50,000円/匹

条件:持ち込み可能なペットは、飼い慣らされ、鳴き声など他のお客様のご迷惑にならないようトレーニングされ、手入れが行き届いていること(におい対策等を施していること)、混合ワクチン(3種以上)および犬の場合は狂犬病予防ワクチンを摂取したことが接種証明等で確認できること等。

*詳細はこちら。

国際線

猫の渡航手続きについては、各国ごとにマイクロチップ、狂犬病の予防注射や寄生虫の駆除、健康診断書の提出の有無など細やかな条件が定められており、時間がかかるため、半年くらい前には準備を始めておくべきです。

出発前の準備

日本からペットを持ちだすには、出国当日に農林水産省動物検疫所にて輸出検疫を受け、輸出検疫証明書の交付を受け取る必要があります。事前に、該当する出発空港の検疫所に連絡しましょう。国によっては手続きに数週間かかる場合があるため、この事前準備は、出発する半年前には始めておくことをお勧めします。

‘農林水産省動物検疫所検索ページ’

赴任国(渡航先)の受入条件を調べる

ペット受け入れに関する条件は、各国により様々あるため、各国の大使館に確認をしておきましょう。

‘外務省駐日外国公館リスト’

日本に帰国する際に必要なものとして、ペットの個体識別番号が記録されている埋め込み型のマイクロチップを装着することが義務化されたため、出国前に必ず動物病院で装着しましょう。

航空会社を選ぶ


JALやANAなどの日系航空会社はペットを客席に連れていくことができず、貨物室預かりになります。しかし、一部の海外エアラインでは、猫の機内持ち込みが可能な航空会社があります。機内に持ち込むことが可能であれば飼い主さんにとっても安心ですが、座席下のスペースに収納する必要があるため、ケージの大きさ等の条件が厳しいことと、機体によっては持ち込みが不可のフライト便もあります。
各国の航空会社によって細かい規定があるため、よく調べておきましょう。

なお、紹介する情報は2015年12月現在の情報です。今後法令変更や各会社の規定が変わる場合があるため、渡航の際には最新の情報を確認しましょう。

 

機内へ猫を持ちこむことができる、主な航空会社

<ワンワールド>

アメリカン航空

重量:ケージとぺット合計9kgまで

ケージサイズ縦48cm x 横33cm x 高さ23cm以内

条件: 12時間を超えるフライトと、ハワイ到着便はペットの機内持ち込みはできません。バーミーズ・ヒマラヤン・ペルシャ・エキゾチックなどの短頭種とその混血種は不可となっています。

*詳細はこちらをご覧ください。

フィンエアー

*詳細はこちらをご覧ください。

イベリア航空

*詳細はこちらをご覧ください。

 

<スターアライアンス>

ユナイテッド航空

*詳細はこちらをご覧ください。

エア・カナダ

重量:ケージとペット合計10kgまで

ケージサイズ:ハードタイプ 縦55cm×横40cm×高さ23cm以内 ソフトタイプ 縦55cm×横40cm×高さ27cm

条件:生後12週以上で完全に乳離れしている必要があります。猫は常にキャリーケースに入れ、座席前に置いておきます。1人当たり1匹のみ対応となっています。

*詳細はこちらをご覧ください。

エア・インディア航空

重量:ケージとペット合計5kgまで

ケージサイズ:縦、横、高さ合計115cm以内

条件:1人当たりケージ1個、1匹のみ対応となっています。

*詳細はこちらをご覧ください。

ルフトハンザ

*詳細はこちらをご覧ください。

スイスインターナショナルエアラインズ

*詳細はこちらをご覧ください。

オーストリア航空

*詳細はこちらをご覧ください。

 

<スカイチーム>

デルタ航空

*詳細はこちらをご覧ください

大韓航空

*詳細はこちらをご覧ください

ベトナム航空

*詳細はこちらをご覧ください

エールフランス航空

重量:ケージとペット合計8kgまで

条件:1人当たりケージ1個、1匹のみ対応で、生後10週以上経過している必要があります。

*詳細はこちらをご覧ください。

アリタリア-イタリア航空

重量:ケージとペット合計10kgまで

ケージサイズ:縦40cm×横20cm×高さ24cm以内

条件:生後12週以内であることが条件です。通気性が良く、防水された作りのケージを使用することと、1つのケージに同じ種類ならば5匹まで可能となっています。

アエロフロート・ロシア航空

重量:ケージとペット合計8kgまで

ケージサイズ:縦、横、高さ合計115cm以内

条件:機内持ち込みは1匹のみです。

*詳細はこちらをご覧ください。

 

 

●客室への同伴はできない航空会社

ブリティッシュ・エアウェイズ

*詳細はこちらをご覧ください。

カンタス航空

*詳細はこちらをご覧ください。

キャセイパシフィック航空

*詳細はこちらをご覧ください。

カタール航空

*詳細はこちらをご覧ください。

ニュージーランド航空

*詳細はこちらをご覧ください。

シンガポール航空

*詳細はこちらをご覧ください。

タイ国際航空

*詳細はこちらをご覧ください。

チャイナエアライン

*詳細はこちらをご覧ください

エミレーツ航空

*詳細はこちらをご覧ください。

 

 

※各国の条件や法令が変わる場合がありますので、出発前は最新の情報を必ず確認しましょう。

 

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東京猫医療センター 院長

服部 幸

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