猫のくしゃみのメカニズム
猫も人と同じようにくしゃみをします。そもそもくしゃみはなぜ起こるのでしょうか?鼻の中に異物が入った際、それらを物理的に外に出そうとするのがくしゃみです。たとえば私たち人間もコショウなどを吸い込んでしまうと、鼻がムズムズしてくしゃみが出ますよね。これはまさに、鼻の中に入った小さなコショウの粒子を体の外に出すためにおこっているのです。
このような生理的なくしゃみであれば、心配する必要はありませんが、なかには病気が原因でくしゃみをしているケースもあります。もし病気が原因だった場合は、病院に連れて行かなければならないこともあるので、飼い主さんは正しい知識をもとに判断する必要があります。
猫のくしゃみとは
日頃から猫のくしゃみを見慣れていないと「くしゃみ」か「咳」かを判断できないことがあります。しかも猫ちゃんは動物病院内では緊張してしてくれないこともありますので、そんなときのために、あらかじめ動画を撮影しておくと診察の際に役立つでしょう。
気をつけなければならないくしゃみの特徴
一度くしゃみをしたからといって病院に連れて行く必要はありませんが、「ただのくしゃみだから」と放置していたら大変なことになる場合もあります。大切なのは病院へ連れて行くべきタイミングを逃さないこと。以下のような状態がみられたら、すぐに動物病院を受診してください。
□ 連続して激しいくしゃみをする
□ 何日もくしゃみが止まらない
□ 鼻水を伴う。とくに黄色や白色など膿のような鼻水が出る
□ 目やにがでていたり、食欲が低下している
□ 鼻から出血が見られる
□ 眼や鼻が変形している
猫のくしゃみを引き起こす代表的な病気
猫風邪
猫風邪は、ウイルスや細菌感染が原因で、咳やくしゃみ、鼻水など風邪の症状を引き起こす病気です。健康な成猫であれば、大きな症状も見られずに治ることが多いのですが、免疫力の低い子猫は重症化する場合があるので注意が必要です。悪化すると肺炎に発展したり、結膜炎を引き起こして失明するケースもあるので、もし子猫がくしゃみをしていたら、必ず病院へ連れていってあげてください。
鼻の腫瘍
猫は鼻の中に腫瘍ができやすいと言われています。特に中〜高齢猫でくしゃみが続く場合には要注意。
腫瘍の場合は以下のような症状を伴うことが多いので、確認してみて下さい。
□ 鼻血がでる
□ 鼻が変形する
□ 瞬膜が片方だけでている
など鼻の中にできる腫瘍の種類は様々で、治療法は腫瘍の種類によって異なります。最も多いといわれるリンパ腫の場合は、抗がん剤と放射線治療をすることが一般的です。
鼻咽頭ポリープ
この病気は鼻の中から喉にかけて、できものができてしまう病気です。詳細な原因はまだ分かっていませんが若齢の猫で多発することから先天的な病気であると考えられています。気道上のできものが空気が流れる邪魔をするので、くしゃみだけでなく鼻水、いびき、呼吸困難などを併発することもあります。治療法は手術でポリープを摘出するのですが、うまく摘出できた場合は、健康に過ごせることが多いです。
クリプトコッカス症
クリプトコッカスというカビの仲間が猫の鼻の中に住み着いてしまうことがあります。お風呂などに生えるカビとは異なり、鳩の糞などに存在していると考えられています。これを猫が吸い込むことで鼻に入り込み、くしゃみや鼻水などの症状が現れるようになります。初期段階では大きな症状は見られないのですが、悪化してくるとくしゃみのほかに鼻血や鼻の変形などが見られるようになります。さらに悪化すると、気管支炎や肺炎を引き起こしたり、脳まで侵入して神経症状がでてしまうこともあるので、外出することのある猫ちゃんは要注意。治療は抗真菌薬を飲むことですが、長期間の投薬が必要になることもよくあります。
アレルギー性鼻炎
アレルギーが原因でくしゃみをすることもあります。猫も人間と同じように、アレルギー性鼻炎になることがあるのです。アレルギーの元は様々。花粉やほこりなどが原因になることが多いように思います。アレルギーが原因の場合、鼻水の色が透明です。あまり状態が悪くなければ、様子を見ることも多いので、治療法についてはかかりつけの獣医さんと相談して決めましょう。
異物の混入
とても小さな猫の鼻ですが、異物が混入してしまうことがあります。よくあるのが猫草などの植物。イネや麦のように先端が細く尖っているものや、一度入るとなかなか抜けないものもあるので注意が必要です。今まで普通に生活できていたのに、いきなり激しいくしゃみをしはじめたら、異物が入り込んでいる可能性があります。異物を取り除く必要があるので、早めに動物病院へ連れていってあげてください。
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例えば、下記のような切り口で、
【治療】
■ 再発しやすい ■ 長期の治療が必要 ■治療期間が短い ■ 緊急治療が必要 ■ 入院が必要になることが多い ■手術での治療が多い ■専門の病院へ紹介されることがある ■生涯つきあっていく可能性あり
【症状】
■ 初期は無症状が多い ■ 病気の進行が早い ■後遺症が残ることがある
【対象】
■ 子猫に多い ■ 高齢猫に多い ■男の子に多い ■女の子に多い
【季節性】
【発生頻度】
【うつるか】
【命への影響度】
【費用】
【予防】
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