慢性腎臓病や心臓病などの慢性疾患(持病)を持つネコちゃんのご家族の方から多くご質問をいただくのが「様子を見ていいのか、すぐに病院へ行くべきか」というご相談です。

猫は「痛みを隠す動物」と言われるように、体調不良を非常に分かりにくく表現します。

犬以上に、ご家族の「なんとなくいつもと違う」という感覚が重要になるのが猫の慢性疾患です。

慢性腎臓病や心臓病と診断されたネコちゃんと暮らす上で、「見過ごしてはいけないサイン」と、受診を判断するポイントを、まとめました。

 

 

猫の「波」はここに出る

猫の体調の変化は、「いつもの行動」から崩れることで現れることがあります。

 

「いつもの場所」にいない

普段なら膝の上や高い所にいるのに、なぜか床の上や部屋の隅にうずくまっている。

 

 毛並みがバサバサになる

自分で毛づくろい(グルーミング)をする余裕がなくなっているサインです。

 

 

 

 

 疾患別 受診を急ぐべき猫のサイン

 

【慢性腎臓病】  脱水と「気持ち悪さ」のサインに注意

猫は腎臓病にかかりやすい動物です。

悪化の波は、血液中の老廃物による「気持ち悪さ(尿毒症)」として現れます。

 

「水の前でじっとしている」

喉が渇いているのに、気持ち悪くて飲めない、あるいは飲む気力がわかない状態の可能性があります。

 

 食べ方の変化

食べようとしてお皿まで行くのに、匂いを嗅いでプイッと横を向く。

これは「食べたいけど気持ち悪い」のサインの可能性があります。

 

 よだれ・口をクチャクチャさせる

口内炎や胃炎が起きている可能性があります。

 

 便秘

脱水が進むと、便がカチカチになり、排便が困難になります。2日以上出ない場合は受診を。

 

 

 

 

【心臓病】呼吸と後ろ足の変化に注意

猫の心臓病(肥大性心筋症など)は、犬のように咳などの症状がみられることがあまりありません。

その分、気づいた時には重症化していることが多いので注意が必要です。

 

 呼吸が速い・浅い

鼻をヒクヒクさせ、お腹を波打たせるような呼吸。

 

 後ろ足の違和感

心臓病に伴う「血栓症」のリスクがあります。「後ろ足を引きずる」「触ると冷たい」「鳴き叫ぶほど痛がる」場合は、緊急性が高いサインです。

 

 口を開けて呼吸をする

猫が口を開けて呼吸をするのは、非常に苦しいサインです。

 

 

 

 

「迷ったら受診」しましょう

ネコちゃんは「今日ちょっとしんどいな」という時、静かに寝て過ごすことで体力を温存したり体を回復させようとします。それが「加齢による休息」なのか「病気の進行」なのかを判断するのは、獣医師でも難しいことがあります。

 

ご家族が「この程度で病院に行っていいのかな?」と迷われることもあると思いますが、慢性疾患において「いつもと何かが違う」というご家族の感覚は、病気の進行のサインである可能性が少なくありません。

 

少しでも「いつもと違う」と感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。早めに受診をすることで、病態の変化を速やかにに把握することができ、点滴や投薬の調整などを行うことで進行を緩やかにすることができる可能性があります。

 

 

 

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福永めぐみ先生

福永 めぐみ

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