「猫」の語源は「寝る子」であるという説もあるほど、猫ちゃんはよく眠ります。猫ちゃんの一日の平均睡眠時間は14〜16時間ほどで、老猫期に入ると20時間以上眠ることもあるとか。つまり老齢の猫ちゃんは一日のほとんどの時間を寝て過ごすわけです。もし寝たきりになってしまったら、ベッドの上が生活のすべてになります。そんな猫ちゃんにとって寝心地のいいベッドでぐっすり眠ることは一番の幸せといえるでしょう。それだけに睡眠環境はとても大事。寝心地のいいベッドを用意することはもちろん、安全性にも配慮したスペース作りを目指しましょう。
まずはベッドから
猫はお気に入りの場所を決めたら、そこから動くことを好みません。飼い主さんがよかれと思って選んだ場所でも、猫にとってベストとは限らないのです。猫自身が選んだ場所にベッドを置いてあげましょう。ベッドには猫がいつも使っているお気に入りの毛布を敷きますが、飼い主さんの匂いがついたフリース素材の古着やタオルなどを加えてもいいかもしれません。寝心地を考え、ふかふかとした柔らかい素材のものを選びがちですが、足腰の弱った老猫の場合、あまり柔らかすぎる素材はかえって逆効果です。立ち上がる時にうまく踏ん張ることができず、足腰に負担をかけてしまうのです。ベッドの敷物はあまり柔らかすぎない、安定感のある素材を選びましょう。
老猫になると体温調節がうまくできなくなることがあります。春先など人間が暖かいと感じる季節でも、猫が寒そうにしていたら適温の湯たんぽをベッドに入れてあげることも必要です。ただし低温やけどをしないよう、こまめに様子を見るようにしてください。
ベッドは目の届く場所に
猫はあまり人目につかない場所で休むことを好みます。野生で生きていた頃の習性がそうさせているのでしょう。しかし、何か異変が起きた時には、すぐ対処できるようベッドは常に誰かの目が届く場所に置きます。とは言え、テレビのそばなどうるさい場所はもちろんNG。目の届く範囲で猫が落ち着ける場所を探しましょう。猫が嫌がらないようなら、そっとなでてあげたり、やさしく声をかけてあげるなどして安心させてあげましょう。
危険を取り除く!
猫が寝たきりになり、トイレで排泄できなくなったらベッドにペットシートを敷いておきましょう。嘔吐することがあるようなら、逆流を防ぐため、段差は無くしたほうが安全です。寝たきりの老猫の介護で気を配らなければいけないのが衛生管理です。免疫力が低下すると感染症のリスクが高まります。ペットシートは汚れたらすぐに交換し、汚れはきれいに拭き取るなどしてベッド周りは常に清潔に保ちましょう。
床ずれ防止はどうする?
床ずれとは自身の体の重みで起こるもの。寝たきりの人を介護する際、気をつけなければいけないものですが、猫は体重が軽いため、床ずれは生じにくいといわれています。あまり心配せず、猫の好きな体勢で寝かせてあげてください。ただし、肥満の猫は少々注意が必要です。肥満の程度にもよりますので、心配なら一度獣医師に相談してみましょう。床ずれを防止するには、時々体の向きを変えてあげたり、市販の床ずれマットを使用したりする方法があります。グッズ画像提供:PEPPY
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