暑い暑い日本の夏は、ネコちゃんにとっても過ごしづらい季節です。人間と同じように、猫も熱中症や脱水症になったり、あまりの暑さに体調を崩してしまったりします。ここでは、アイペット損保の保険金請求データを参考に、夏に気をつけたい猫の病気について解説します。

 

 

熱中症

猫は犬と比較すると熱中症を起こしにくい動物とされていますが、人間のように汗をかいて体温調節を行うことができないため、高温多湿の室内や車内などでは熱中症を起こす危険性があります。エアコンで温度や湿度を調節し、新鮮な水をいつでも自由に飲めるようにしましょう。車内に猫を残して外に出るのも、危険ですのでやめましょう。

とくに

毛量の多い猫や、肥満体型の猫、エキゾチックショートヘアブリティッシュショートヘアなどの短頭種の猫では熱中症のリスクが高い

ため、注意が必要です。

 

 

 

 

出典:環境省「ペットを車内に残さないで! ~ペットの熱中症に関する注意喚起チラシ~

 

 

 

胃腸炎・食中毒

夏はフードが傷みやすく、食中毒などを引き起こしやすい季節です。

 

食器は清潔にし、一度お皿に出した

ドライフードは半日以内に交換

するようにしましょう。

 

缶詰などの

ウェットタイプのフードは、食事から水分を摂取するのには有効ですが、ドライフードよりも傷みやすいので、30分を目安に片付け

ましょう。

 

ドライフードの保存方法も、暑い時期は要注意。

夏は開封してから1週間程度で食べ切れるような、小分けタイプのものがおすすめ

です。

 

大袋のフードを使用する場合は、ポリ袋やジッパー付きの袋に小分けに移し替えて、冷暗所で保存しましょう。

 

また、三角コーナーやゴミ箱などの腐敗したものを盗食してしまうことで、胃腸炎や食中毒を起こす危険性もあるため、扱いには注意しましょう。

 

 

 

ノミアレルギー性皮膚炎

春先から活動が活発になるノミは、気温が上がる6〜9月頃に発生のピークを迎えます。 吸血昆虫であるノミに感染した動物と触れ合ったり、野外に生息しているノミに吸血されることで感染し、強い痒みを伴う皮膚炎貧血を引き起こします。とくに家に迎えたばかりの子猫や野良猫、高齢猫や病気により免疫力が低下している猫では、ノミの感染を受けやすいので注意が必要です。

 

ノミアレルギー性皮膚炎は、首の後ろから腰の辺りに症状が出ることが多く、脱毛や赤みのある発疹、かさぶたなどがみられます。毛をかき分けながら猫の体表をよく観察すると、動くノミや黒っぽいノミの糞が見つかることもあります。

 

ノミは定期的な予防薬の投与により予防することができます。

また、ノミやノミの糞を見つけたら、速やかに駆虫薬を投与し、生活環境の清掃を徹底しましょう。室内でノミが繁殖してしまった場合には、ベッドや敷物は頻繁に洗濯し、こまめに掃除機をかけてノミの生息数を減らしたり、燻煙剤などを使用して駆除する方法がありますが、全てのノミを完全に駆除するのはとても困難と言われています。

 

室内に持ち込まないよう、予防を徹底すること

が重要です。

 

 

外耳炎

日本の夏は非常に高温多湿です。ジメジメした環境は、耳のトラブルにもつながりやすく、気温や湿度が上がり始める6月ごろから、外耳炎を起こすケースが増加します。

 

外耳炎を防ぐためには、

日頃から耳の様子を観察し、耳垢が増えたり、耳の赤みや痒みがみられたり、耳の臭いがキツくなったと感じた時には、早めに動物病院を受診

しましょう。

 

また、ミミヒゼンダニが猫の耳に寄生することで外耳炎を引き起こす「耳疥癬症」も、ダニの活動が活発になる夏に多く見られます。ミミヒゼンダニが寄生すると、黒い耳垢が溜まったり、痒みが強いため激しく耳を掻いたり頭を振ったりする様子がみられます。治療には駆虫薬の投与が必要です。

 

 

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福永めぐみ先生

福永 めぐみ

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