人生において、辛いとき、大変なときでも、愛するネコちゃんはいつも変わることなく、飼い主を受け入れてくれます。そんな存在を失ってしまうことは、家族や友人の死と同様に、辛いものです。
アイペット損保では、ワンちゃんとネコちゃんを亡くした経験をお持ちで、現在はペットと一緒に暮らしていない1,000名の方を対象に、「ペットロス*に関する調査」※を実施しました。
(*本調査では、「ペットロス」は「愛するペットを失ったことによる、悲しみや喪失感と、それに伴い生じる心身の不調」と定義しています)
実際に悲しみと向きあわれた方々の実情をご紹介し、ネコちゃんと過ごす今を、より充実したものにしていただければ幸いです。
※【調査概要】
調査対象:犬・猫を亡くした経験をお持ちで、現在はペットと一緒に暮らしていない男女1,000名
調査期間:2023年9月5日~8日
調査方法:インターネットによるアンケートを実施
「ペットロス」になった方は約6割
●「ペットロス」という言葉を「聞いたことがある」方は65%超
「ペットロス」という言葉を聞いたことがあるかを尋ねたところ、「聞いたことがある」と回答した方が65.2%と最も多く、2017年の調査(以下、前回調査時)と比べ16.5ポイント増加しました。その一方、「聞いたことがあり、意味も知っている」と答えた方は前回調査時より10.5ポイント減少し、「ペットロス」という言葉の認知度は高まっているものの、正確な意味は把握されていない例が増えているようです。
● ペットを亡くした際に「ペットロス」になった方は約6割、その症状は多様
ペットと一緒に過ごしていたご自身や家族、同居人は「ペットロス」になったかを尋ねたところ、約6割の方が「ペットロス」になったと回答しました。
「ペットロス」の症状として、「突然悲しくなり涙がとまらなくなった」(60.3%)が最多で、他にも、「疲労感や虚脱感、無気力、めまい」「眠れない」「食欲不振、過食」といった多様な症状・状態に見舞われるようです。
「突然悲しくなり涙がとまらなくなった」方を性別でみると、女性は約7割(30代:68.5% 40代:68.1% 50代:65.1%)であるのに対し、男性は約5割程度(30代:54.2% 40代:47. 0% 50代:49.3%)と差がみられました。
● ペットロスの「自覚があった」は7割超と、前回調査より大幅増
「ペットロス」の症状・状態が現れた方の74.2%が「ペットロス」になっている自覚があったと回答され、前回調査時と比べ27.5ポイントもの増加がみられました。「ペットロス」という言葉が浸透したことで、自身の状態が「ペットロス」によるものなのではないか、と認識するきっかけになっているのではないでしょうか。
● ペットロスの期間は「1か月未満」もしくは「わからない」が多数
「ペットロス」の症状・状態がどのくらい続いたかを尋ねたところ、「1か月未満」を選択した方が23.9%と最も多くなりました。ペットを亡くした悲しみは癒えずとも、「ペットロス」の症状は落ち着いていくようです。
一方で「わからない」を選択した方も2割にのぼり、ご自身でも気づかないくらいゆっくりと回復していき、気づいた時には回復していたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
●多人数世帯の方が「ペットロス」の症状が続く期間が短い
世帯人数が2人以下の場合、3か月未満で「ペットロス」の症状が落ち着いた方は30.5%となった一方、世帯人数が3人以上では、46.7%が3か月未満で「ペットロス」の症状が落ち着いたと回答しました。 3人以上の多人数で同居されている方が「ペットロス」の症状が続く期間が短くなる傾向がみられるようです。
「ペットを悼む気持ちを肯定する」ことで乗り越える
● ペットが紡いだ「絆」で、お別れした経験を持つ人と悲しみを共有し緩和する人が増えている
ペットを亡くした悲しみを癒すきっかけとなった出来事として、43.5%(複数回答)が「ペットを悼む気持ちを肯定する」を選択しており、ペットの死を悼み、悲しみを肯定することで乗り越えようとされる方が多いようです。
また、前回調査時と比べ増加したのは、「ペットの遺品を整理する」と「家族や友人など犬・猫とお別れした経験を持つ人と悲しみを共有する」でした。
特に「家族や友人など犬・猫とお別れした経験を持つ人と悲しみを共有する」についてはほぼ倍増しており、家族や大切な人とペットが紡いだ「絆」がその経験を緩和することに貢献しているのかもしれません。
自由回答では「時間の経過が一番の解決方法」といった時間が経つのを待つという回答が複数寄せられたほか、「悲しみすぎると成仏できなくなる」「亡くなった悲しみよりも幸せだった多くの時間を覚えておくことに重きをおいた」といった回答がみられました。
亡くなったペットに対して、後悔したことは?
● 6割の方が後悔を感じ、ペットと一緒の時間の過ごし方などが上位
亡くなったペットに対して、後悔したこと/後悔していることはあるか尋ねたところ、約6割の方が「後悔していることがある」と回答しました。
その理由としては、「もっと何かできたのではという漠然とした思い」「一緒の時間の過ごし方」が上位となり、約半数(複数選択)が選択する結果となりました。
とくに猫の飼い主さんでは、犬の飼い主さんより「もっと何かできたのではという漠然とした思い」を抱かれる割合が+5ポイント以上高い結果(猫:54.5% 犬:45.9%)でした。
日々一緒にお家で過ごしたときにもっとしてあげたかったことなど、毎日散歩に出かけるワンちゃんとの過ごし方の違いや、体調不良を隠したり、最期まで頑張るネコちゃんへの思いから、後悔に至ってしまうのかもしれません。
自由回答では「家族との治療方針について」「安楽死の選択」「自分のミスで怪我をさせた事」といった記述がみられ、ペットが亡くなる原因となった病気やケガに関する後悔や、治療に関する後悔を抱えている方もいらっしゃいました。
後悔なくペットを看取るためには一緒に過ごす時間が重要
● 後悔なくお別れできた方は「十分に一緒の時間を過ごすことができた」から
一方で「後悔していることがない」を選択した方に、その理由を尋ねたところ、「十分に一緒の時間を過ごすことができたため」(66.5%)が最多で、後悔なくペットを看取るためには一緒に過ごす時間が重要であるようです。 次いで「老衰で安らかに亡くなったため」(38.7%)が選ばれ、病気やケガと異なり、天寿を全うしたと受け止めることができたのかもしれません。
ペットとの暮らしで得られた「学び」や「喜び」とは
● ペットは「家族」と捉える方が約8割
あなたにとってペットはどのような存在だったかを尋ねたところ、77.5%の方がペットを大切な家族と捉えていました。
ペットと一緒に暮らすことで得られた経験や気づきとして「命の尊さ」「楽しさや大きな喜び」を知ったと答えている方が約半数(複数回答)となりました。 家族の一員である大切なペットを亡くす悲しみはとても大きいものですが、ペットと過ごす時間の中で得られる学びや喜びも大きいものであることが伺えます。
● 猫の飼い主さんは犬の飼い主さん以上に、ストレスの緩和を感じ、その存在の大きさを実感
どんなときに、自分にとってペットの存在が大きいものだと実感しましたか?(複数回答)との問いでは、「一緒に過ごしているとき」「落ち込んでいるときなど、寄り添ってくれたとき」「帰宅時など大喜びで迎えてくれたとき」が上位に挙りました。
中でも「ストレスの緩和を感じたとき」は、犬の飼い主さんと比較して、猫の飼い主さんの方が+9.3ポイント高くなっています。ネコちゃんが、飼い主さんのストレスを緩和する存在であることを、実感されているようです。
● 7割の方が再びペットとの暮らしを希望
「機会があればペットと一緒に暮らしてみたいと思うか」との問いに対して、ペットを亡くす悲しみを知った方でも、約7割の方が「機会があればペットと一緒に暮らしてみたい」と回答しているところからも、ペットと過ごす時間の尊さを窺い知ることができます。
● ペットと共に健やかに過ごせる時こそ、一緒に過ごす時間を充実したものに
今回の調査では、後悔のない別れをすることができた方の約7割が、「十分に一緒の時間を過ごすことができたため」だと回答されました。ペットとの別れは辛いことですが、残念ながら避けては通れません。 ペットと共に健やかに過ごせる時こそ、一緒に過ごす時間を十分にとることを心掛け、病気やケガへの備えを万全に、ペットと過ごす時間を充実したものにするよう、心がけていきたいものです。
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