人間にとっては、ニキビは思春期の甘酸っぱい思い出とともに語られる”青春のシンボル”であり、大部分は年齢ともに自然に治ってしまうものでしょう。

それでは猫のニキビはどうでしょう? お宅のネコちゃん、ニキビで悩んでいませんか?

症状

猫ニキビは、正式な病名を「座瘡(ざそう)」という皮膚病であり、アクネとも呼ばれます。おもに下あごの部分に、黒いぶつぶつとして現れます。あごの他にも目の上、尾の付け根(特に背中側)、口元などにできることがあります。

 

猫のあごに発生したにきび CAP:https://www.facebook.com/tokyofmc/

猫のあごに発生したにきび

 

初期段階では、小さな黒いぶつぶつがあごや唇の周りの毛に付着している程度で、痒みや痛みも感じないため、猫もさほど気にしないことが多いようです。

いったん治ったと思ってもまた悪くなったりと繰り返し発症することが多く、進行すると皮膚が腫れて”できもの”のようになったり、さらに悪化すると毛が抜けたり、細菌などの二次感染で赤く膿んだり、出血したりすることがあります。この頃には、猫もそうとうな痒さや痛みを感じるようです。

原因

毛穴に分泌物や汚れ、皮脂などが溜まり、細菌感染を起こすことが原因です。

猫はとてもきれい好きな動物で、つねに全身をグルーミング(毛づくろい)しています。しかし、あごの下は直接舐められないため、唾液をつけた前脚で間接的にグルーミングをしなければならず、自分では手入れのしにくい場所となります。

猫のあごには多くの皮脂腺が集まっており、脂っぽくなりがちです。また、食べ物のカスが付きやすい場所であるため、手入れが不十分だと汚れが溜まり、ニキビができやすくなります。

また、そのほかの原因として、不衛生な食器や生活環境、ストレスやホルモンバランスの乱れ、ニキビダニの寄生、食事の栄養の偏り、投薬による一時的な体調変化などが指摘されています。なお、性別、年齢、品種での発生頻度の差は確認されていません。

治療方法

初期段階で症状が軽度な場合には、患部の皮脂を取り除きます。ぬるま湯に浸したタオルなどでニキビの黒いぶつぶつをふやかしながら、あごを上から下へ、ゆっくりと拭いてください。落ちにくい場合には、ぬるま湯に動物用の薬用シャンプーを入れましょう。使用後はすすぎもしっかりと行い、水分を拭き取り乾かします。

なお、自己判断で歯ブラシやピンセットなどで無理に除去したり、つぶしたりすると、さらに悪化させてしまう可能性があります。人間用のニキビ治療薬を使用することも厳禁です。

皮脂を取り除いても改善が見られなかったり、赤くなって炎症を起こしている、あるいは脱毛などの症状が見られる場合には、専門医獣医師の診察を受けましょう。動物病院では症状に応じて、消毒液や軟膏の塗布、投薬、薬用シャンプーでの薬浴などを行います。

予防方法

猫のニキビ、いちばんの予防策は、なんといっても体や生活環境を清潔に保つことです。あごは汚れやすく、また自分で手入れのしにくい場所ですので、飼い主さんがまめに汚れを拭き取ったり、皮膚に異常がないか気を配りましょう。

繰り返し発症する場合には、食事後に毎回あごを拭いてあげたり、雑菌の繁殖しやすいプラスチック製の食器を陶器やステンレス製のものなどに代え、使用後に洗浄するなどが有効な場合もあります。

ニキビそのものが命に関わることは少ないものの、悪化すると膿が溜まり「膿瘍(のうよう)」などに進行することもあります。とくに初期には猫自身に自覚症状がなく、その行動などから病状を知ることは困難ですから、日頃から飼い主さんが注意し、皮膚の異常に気付いてあげることが大切です。

 

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東京猫医療センター 院長

服部 幸

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