HAPPYな多頭飼いを目指して ①

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今回は、我が家の猫事情に合わせて
野良猫の迎え方や多頭飼いのコツのようなものをお伝えしたいと思います。

我が家は5歳、4歳、それから16歳の3匹の猫で
ここ数年過ごしていました。
全員落ち着いたおとなになり、平和な生活を送っていましたが、
この夏、新たな猫が加わることになりました。
下の写真の茶トラ(オス)です。

茶トラ♂

この子は、近所の野良猫のたまり場で暮らしていた子で、
数か月前に見つけました。
生後10か月で体はすでに大きいですが、まだ子猫期だからか、
私にすっかり懐き、私もすっかり情が移り。。。
我が家の猫に迎えることに決めました。

野良時代。野良猫なのにこの懐きよう。。。天性のものでしょうね(^^;)

野良時代。野良猫なのにこの懐きよう。。。天性のものでしょうね(^^;)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

しかし、いくつか不安要素がありました。
それまで我が家のオスは白黒猫1匹だけだったのですが、この子もオス。
オス猫どうしは折り合いが悪いとケンカも激しく、
なわばり争いでスプレー合戦(マーキングのオシッコをお互いしまくること)になることもあるといいます。
さらに問題は、やや成長している猫ということ。
生後半年くらいまでの子猫なら、おとな猫も大目に見てくれて、割とすんなり受け入れることが多いのですが、この子はほぼ成猫と変わらない大きさ。
先住猫たちが「何コイツー!?」と拒否反応を起こす危険があります。
それもこれも含めて……「でもやっぱり飼いたい!!」と思ったので
準備万端で臨みました。

野良時代から、寄生虫を駆除

OLYMPUS DIGITAL CAMERAこの子のように人に馴れている子なら、
首の後ろに垂らすスポットタイプの寄生虫駆除薬は、屋外でも投薬できます。
家に入れてから駆虫するより、家に入れる前に駆虫したほうが、断然安心です。
あっという間に家中ノミだらけに……なんていう危険がなくなります。
うちの場合は獣医さんと相談して、おなかの虫も駆虫できる「ブロードライン」を処方してもらいました。
効果は1か月続くので、1か月以内に保護できればOKです。
(他の野良猫に寄生虫を再び移される危険は残りますが)

ちなみに、首輪&迷子札も野良時代に装着。
万が一、保健所などに連れて行かれたときも、これが命綱になります。
この子は首輪もほとんど嫌がらず付けさせてくれました。やはりキミは家猫の素質がある!(笑)

保護したら、しばらくケージで過ごさせる

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

捕獲も、難なく終了。
(抱っこして普通にキャリーバッグにIN。人馴れしている猫は簡単だ。。。^^;)
家に慣れるまでしばらくは、ケージ内で過ごさせます。
「閉じ込めておくなんてかわいそう!」という人がいますが、違います。
知らない場所(新しい家)に放すのは危険だし、おそらくタンスの奥など人の手が届かない狭いところに逃げ込んでしまいます。
そうするとお世話することはできません。
また、猫にとっても「ケージの中は安全」とわかれば、そのほうが落ち着きます。
ケージの中にすっかり安心したら、ケージのドアを開けてやり、自由に出入りできるようにすれば、
ケージを拠点として、だんだんと行動範囲を広げていきます。
ケージは猫にとっても、周囲から守ってくれる安全な場所なのです。

ケージの中には、ベッドやトイレ、水入れを入れておきましょう。
もちろんフードも毎日与えます。
落ち着くまで、上や横はタオルで囲うなどすると◎。
猫が注意しなければならない方向(景色が見える方向)が少ないほうが、落ち着けます。

威嚇する猫
人馴れしていない猫にとっても、この方法は有効です。
最初はシャーシャー威嚇するでしょうが、「この場所は安全」とわかれば、落ち着きます。
ケージは人がめったに行かない場所ではなく、部屋の中心など、人通りの多い場所に置いたほうが、早く人馴れさせることができます。
そうして、徐々に触られることにも慣れさせていきます。最初はケージの隙間からペンなどを入れてみてください(攻撃されても負傷しないためです)。
猫の様子を見ながら、その次は指を入れる、手全体を入れてみる……と、徐々に段階を経て馴らしていってくださいね。

我が家の茶トラの場合は、人には馴れていましたが、先住猫とのご対面は慎重になる必要がありました。
そのため、最初はあまり使わない部屋に新入り猫のケージを設置し、先住猫は立ち入り禁止に。
それでもお互い、鳴き声を聞いたりして「なんかいるゾ」と勘付くものです。

清潔なタオル
手始めは、ニオイのご挨拶。新入り猫のベッドにタオルを置き、次の日、そのタオルを先住猫に嗅がせます。
そして次は、先住猫のニオイが付いたクッションなどを、新入りのケージに入れたり。
実際にご対面させる前に、ニオイだけ先に確認させるのです。
すると、ご対面させたときに「あれ?このニオイ、なんか知ってるゾ」となります。これが大切です!
猫にとって、ニオイを知っているのと知らないので大違いなのです。
(ワンルームなどで別の部屋がない場合は、下の「ケージ越しの対面」から始めてください)

次は、新入りが家に慣れてきた頃を見計らって、ケージをリビングへ移動。
ケージ越しに先住猫とご対面です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

最初は必ずケージ越しにご対面させること。
いきなり両者フリーの状態で対面させるのは、大変危険です。
対面は両者にとって大きな驚きであることは間違いありません。
興奮して飛びつき、大喧嘩を始める危険もあります。そのとき、ケージ越しなら、大事に至らずに済みます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ケージ越しに一緒に食事させるのもよい方法です。
食事は猫にとって「うれしいこと」。
その「うれしいこと」をしているときに相手がそばにいることで、
相手にもいいイメージを持ちやすくなります。
そうしてその状態でまたしばらく過ごします。
数日~数週間して、お互いの存在に慣れてきたら、ケージの扉を開けて新入り猫をフリーにしてみましょう。
新入り猫は、怖いと思ったら安全なケージに戻るはずです。

新入りが子猫の場合

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

人が子猫を抱っこして、先住猫に子猫のおしりを向け、ニオイを嗅がせるのもいい方法です。
猫はお互い、相手のニオイを確認したいと思っています。
また下位の猫は上位の猫に、自分のおしりのニオイを嗅がせるのが決まり。
こうすることで「私はあなたより下ですよ。逆らいませんよ」というサインになります。
先住猫は子猫のニオイを嗅ぎたくて仕方ありませんが、「なんだか怖くて近づけない」ことも。
そういうとき、飼い主さんがこのように手伝ってあげると、お互いがなじむ時間が早くなるでしょう。
(この方法は新入りが成猫の場合は向いていません。怖がって暴れる危険が高いので。
警戒心の少ない子猫だからこそできる方法です)

化学の力&自然療法の力も利用!

猫の印付けに使われるフェイシャルフェロモン

多頭飼いでオス猫のスプレー合戦が始まってしまうのは、
「自分のなわばりが侵されるかもしれない」という不安があるから。
だから、オシッコでニオイを付け、「ココは自分のもの」という印を付けるのです。
フェリウェイ®」という製品は、その「ココは自分のもの」という印がすでに付いている状態を疑似的に作り出してくれるもの。
猫の印付けに使われるフェイシャルフェロモンに似た成分を含んでおり、この液体を部屋の中に拡散することで、スプレー等の問題行動を防ぐ効果が期待できます。
人間には無害で、ニオイも感じられません。動物病院で入手できます。
できればスプレー合戦は回避したい……! そう思った私は、新入り猫をフリーにした際、部屋中にスプレーしました。壁沿いにぐるりと一周、猫の頭の高さに撒きました。
幸い、今のところスプレーは起きていません。
「フェリウェイ®」は猫の不安を解消する効果もあるので、新入り猫がケージ内だけで生活していたときも、ケージに撒いてストレス軽減を狙いました。
*もちろん、新入り猫も早めに去勢手術を受けさせましょう。発情すると、なわばり争い目的でなくても、スプレーをしてしまう危険があります。一度スプレーをした猫は繰り返します。

右の写真の製品は、「レスキューレメディ」というもの。
「バッチフラワーレメディ」という自然療法があり、解消したい精神状態に合わせて十数種類のレメディがあるのですが、その中の「最高にやばくて超ストレスです!」というときのレメディがこの「レスキューレメディ」です(ざっくり簡単に説明するとですよ)。
人間用のほかにペット用があります。
これを数滴与えます。フードや水に混ぜてもOKですが、
我が家では私の指先に付けたものを直接猫の口に付けてなめさせました。

「本当に効果あるの?」と言われると、正直わかりません。。。
ただ、「気休めでも何でも、やっておけばいいでしょ!」という気持ちでした(^^;)。
新入り猫はもちろん、動揺していたであろう先住猫にも与えてました。

>②へ続く…

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでにゃんペディアをフォローしよう!

日本動物科学研究所所属・編集者&ライター 富田園子
日本動物科学研究所所属・編集者&ライター 富田園子
幼い頃から犬・猫・鳥など、つねにペットを飼っている家庭に育つ。
猫雑誌の編集統括を8年務めたのち、独立。
哺乳類動物学者の今泉忠明氏に師事。
現在は5匹の猫と暮らす。
編集・執筆を行った本に『マンガでわかる猫のきもち』『幸せな文鳥の育て方』(大泉書店)、『フレブル式生活のオキテ』『シュナ式生活のオキテ』(誠文堂新光社)、編集を担当した本に『猫とさいごの日まで幸せに暮らす本』(大泉書店)などがある。5匹の猫と暮らす愛猫家。
トップへ戻る