猫ちゃんのデンタルケア~猫も虫歯になるの?

猫の歯・キバ

猫の歯周病、猫の口内炎…はよく耳にしますが、猫の虫歯は? 猫は果たして虫歯になるのでしょうか。
結論から言いますと、いわゆる人間と同じ虫歯にはならないと言われています。しかし、口のなかで何らかの原因によって歯を食べる細胞(破歯細胞)らによって歯の表面が薄くなり、削られてしまった状態のことを「吸収病巣」と呼ぶことがあります。かつては人と同様に虫歯(齲歯)と呼ばれていましたが、現在では猫の虫歯は起こらないとされています。

破歯細胞性吸収病巣の写真

破歯細胞性吸収病巣の写真

破歯細胞性吸収病巣のレントゲン写真

破歯細胞性吸収病巣のレントゲン写真

猫の吸収病巣ってどんなもの?

猫の歯は、表面に「エナメル質」、その下に「ゾウゲ質」があり、ゾウゲ質の下に神経や血管などが通る「歯髄」と呼ばれる場所があります。前述のような状態を猫の吸収病巣と呼ぶならば、その原因のひとつとして考えられるのが歯周病です。
歯周病の原因となる歯垢には細菌がいっぱい。その細菌が、歯周ポケットに侵入し歯槽骨などの歯周組織を壊していきます。猫では歯頚部(エナメル質と歯肉の境目)からゾウゲ質、セメント質にかけて吸収病巣が拡大していき、しまいには歯全体が溶けてなくなってしまいます。吸収が歯髄に至ると、痛みを感じ、猫によっては食欲がなくなり大きなストレスに繋がってしまうのです。

歯頚部吸収病巣

歯頚部吸収病巣

猫の吸収病巣を防ぐには?

なにより、歯垢を付着させないようにすることが大切です。歯磨きの習慣をつけて、なるべく歯石にならないようにしてあげましょう。また、歯周病になっているのに放置するのもよくありません。歯茎に腫れがあると、そこに食事のカスがたまりやすくなるので危険が高まるのです。

でも! 猫は基本的には、人間と同じ虫歯になりにくい動物!

  • 歯のかたちが特殊だから

猫の歯をよく見てみましょう。人間の奥歯のように、大きく平らな、食事をすりつぶすための歯がありません。わたしたちの臼のような形の歯には、表面に溝が細かく入っていて、食べカスがそこにたまりやすくなっています。

また、その臼状の歯の間に、食べカスが挟まりやすいのも、虫歯になる原因のひとつです。人間の場合、前歯より奥歯のほうが虫歯になりやすいのは、そんな理由からです。一方、猫の歯はどれも鋭く尖っているので、食べカスがたまりにくく、かつ、はさまりにくいのです。

  • 甘いものを食べないから

虫歯の原因は、食べカスに含まれる炭水化物(糖)で、それが酸を生むもとになるのですが、猫は甘いものを食べません。もともと甘さをほとんど感じないと言われているので、甘いものを好む猫は少ないようです。主に肉食の猫は、非常に虫歯になりにくい環境なのです。

  • 虫歯菌がいないから

人間も、赤ちゃんのときはいわゆる虫歯菌(ミュータンス菌)を持ってはいません。家族と生活するようになって、食器などから感染すると言われています。そのミュータンス菌が、猫の口の中にはほとんどいません。

人間のお菓子はあげないで!
人間のお菓子は禁物

人間のお菓子は禁物

猫に、人間のお菓子やおかずを猫のおやつとしてあげないほうがいいのは、人間と同じような口の環境にしないためでもあります。人間の食べ物は猫の肥満にもつながります。猫の口内環境と全身の健康管理のためにも、食事に注意してあげること、そして、歯磨きをしてあげること。しっかり習慣にしたいですね。

猫ちゃんの歯みがきの仕方はこちら!‘猫ちゃんのデンタルケア~歯垢、歯石~’

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでにゃんペディアをフォローしよう!

牧の原どうぶつ病院 院長 高田傑
牧の原どうぶつ病院 院長 高田傑
2004年、日本大学獣医学部卒業。
牧の原どうぶつ病院院長、卒業後 獣医歯科専門病院 センターヴィル動物病院勤務を経て、2009年牧の原どうぶつ病院を開院する。
大学在学中から獣医歯科を学び、卒業論文の研究テーマである歯周病再生療法をはじめ臨床現場で数多くの歯科治療を行っている。現在は千葉県獣医師会 日本小動物歯科研究会所属。
トップへ戻る