猫の舌のしまい忘れ、出しっぱなし、その理由とは?!

猫 舌出しっぱなし

猫が舌を出しっ放しで、しまい忘れているのを見たことはあるでしょうか。口元から小さな舌が覗くさまは、ちょっとお間抜けで、何ともかわいらしいものです。

ネットでは、舌出し猫の画像や動画を集めたものもあり、ついには”舌をしまい忘れた”猫の無防備な姿ばかりを多数収録した写真集‘『しまい忘れた猫』(KADOKAWA)’も出版されるほどの人気となっています。

ですが同時に、「これ、もしかしたらなにか病気の兆候なのでは?」と、ちょっと心配にもなる飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。今回は、”猫の舌出し”の秘密について調べてみます。

舌出しは、リラックスしている証拠

猫は本来、とても警戒心の強い動物ですが、人間に飼育され、飼い主さんとの信頼関係が築かれた飼い猫は警戒心が解かれ、リラックスしている時間が長くなります。安心しているときは筋肉もゆるみ、思わず舌を出してしまうようです。

性格的にもおっとりしていて、子猫の頃から完全室内飼いの猫によく見られます。また、とくに睡眠中は、ぺろんと舌を出しっ放しでいることが多いです。

反対に野生の猫はつねに警戒しており、筋肉も緊張しているため、舌を出す余裕はあまりないようです。

シュトーレンの舌しまい忘れ

疲れたり、うっかりしていたり…

猫はきれい好きで、起きているあいだ、頻繁に毛繕いをしています。舌をブラシ代わりに全身をくまなく舐め、汚れを落とすのですが、長く舌を使っていると疲れてしまい、ついつい舌をだらりとたらしてしまうことがあるようです。短毛種より長毛種の方がブラッシングがたいへんで、より疲労は大きそうですね。

この毛繕いや、大きなあくびの途中、あるいは食事の最中などに呼びかけたりすると、そちらに気を取られ、舌をしまい忘れてしまうことがあります。

舌を出しやすい猫種も

猫種によっても、舌を出しやすい猫がいます。もともと猫は前歯が短くあごが小さいわりに、舌が比較的長めです。なかでも、顔が扁平な猫種、ヒマラヤン、チンチラ、ペルシャなどは、あごの中にうまく舌を収められず、ついつい舌を出してしまうことが多いようです。 そのほか、老齢で前歯や下顎の犬歯が抜けてしまっている猫は、舌を出しているように見えることがあります。

舌の出しっ放しは危険なサイン?

呼吸の荒い猫以上、見てきたように、猫の舌の出しっぱなしの多くは、単純なしまい忘れです。声掛けをしたり、舌を指先でちょっとつついてあげれば、すぐに引っ込めます。もっとも、舌のしまい忘れはとてもかわいらしいので、舌を引っ込めさせるよりもそのまま眺めていたり、写真や動画などにおさめたい飼い主さんの方が多いかもしれません。

ですが、猫が舌を出すとともに、急にぐったりしたり、元気をなくしているようでしたら、心筋症などの病気の疑いがあります。 また、舌を出している以外に、鼻呼吸でなく口で呼吸していて、しかも呼吸が荒い場合や、口臭がする、よだれがある、食欲不振、舌が紫に変色している、などが見られたときには、なんらかの病気である可能性があります。速やかに獣医師の診察を受けましょう。

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牧の原どうぶつ病院 院長 高田傑
牧の原どうぶつ病院 院長 高田傑
2004年、日本大学獣医学部卒業。
牧の原どうぶつ病院院長、卒業後 獣医歯科専門病院 センターヴィル動物病院勤務を経て、2009年牧の原どうぶつ病院を開院する。
大学在学中から獣医歯科を学び、卒業論文の研究テーマである歯周病再生療法をはじめ臨床現場で数多くの歯科治療を行っている。現在は千葉県獣医師会 日本小動物歯科研究会所属。
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