LGBTの猫ちゃんはいるの? 猫の恋愛事情を考える

仲良しカップル

そのかわいいルックスや仕草、ツンデレな性格で愛猫家を魅了する猫。猫に恋している、という表現が大げさでないほど、ぞっこんの方も多いのではないでしょうか。

さて、そんな魅力あふれる、愛すべき存在の猫ですが、当の猫たちの恋愛事情はどうなっているのでしょうか?

今回は、猫の恋愛に関するいくつかの疑問について考えてみましょう。

猫にも同性愛はあるの?

近年、LGBT=レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)など性的少数者の権利に関する意識も向上し、性的マイノリティに対する理解は進んでいます。

それでは、猫にも同性愛はあるのでしょうか?

一般的に、人間に限らず動物の同性愛は、自然界でよく見られます。1999年のブルース・ベージミル(Bruce Bagemihl)氏の研究によれば、1,500近い種で交尾に限られない、同性愛的行動が観察されることが示されており、このうち約500種については十分な典拠があげられているそうです。とくにペンギンやキリンに、オス同士の同性愛のカップルが多く見られることは広く知られています。

マウンティングする猫

マウンティングする猫

ですが、猫の同性愛に関しては、ほとんど報告がありません。オス猫の場合は、同じオスに対してマウント行動をとることがあるのですが、これはオスがオスを愛しているというわけではないようです。この場合は、相手をメスだと誤認しているか、あるいは交尾の欲望を近くにいた猫で代用したためと思われます。オス猫の交尾の欲望は去勢をしても残ることがあり、また、近くにほかの猫がいないときには人間の腕や足、クッションなどにマウンティングすることもあるようです。

(マウンティングにいては‘獣医師が解説!猫の避妊・去勢に関する正しい知識’にて詳しく解説しています。)

ライオンのオス

ちなみに同じネコ科の動物では、ライオンのオスで同性愛が確認されたという報告があります。

犬に対して恋愛感情を抱くことはある?

こちらも、同性愛と同様に基本的にはNOでしょう。

犬は、ネコ目(食肉目)-イヌ科-イヌ属に分類され、 猫はネコ目(食肉目)-ネコ科-ネコ属となります。動物の分類は、界-門-網-目-科-属-種 などに細分化されており、犬と猫のように”科”や”属”に違いがあると交配はできない仕組みとなっています。

同じネコ科同士であれば、ライオンとトラを人為的に交配させたライガーであるとか、ヒョウとライオンを交配させたレオポンなどを作出することが可能ですが、犬と猫からは新種の動物が生まれることはありません。

仲良し犬と猫

ただし、恋愛感情はないとしても、犬や猫は比較的異種の動物と仲良くできる動物です。タイミングや性格にもよりますが、犬と猫と同時にペットとして飼うことは十分可能ですし、お互いに友情のようなものは感じているかもしれませんね。みなさんの中にも、仲良しの犬と猫に囲まれて毎日が幸せ、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

年齢が近いもの同士が恋愛感情を抱くの?

猫は通常、短毛種の方が成熟のスピードが速く、早ければ生後5カ月程度、平均でも生後7〜9カ月ころまでに最初の発情を迎えます。長毛種は10〜12カ月ほどかかりますが、いずれにせよ、生後1年ほどが経過すれば、生殖可能な年齢に達することになります。

また、メス猫は7歳くらいまで、個体にもよっては10歳くらいまで出産が可能です。ですので、理論的には1歳と10歳の年の差カップル、というのもあり得るわけです。猫の年齢を人間の年齢に置き換えた場合、1歳と10歳はそれぞれ18歳と55歳ほどとなり、これはかなりの年齢差と言えます。
出産について、詳しくは‘猫の交尾・妊娠・出産~赤ちゃんが生まれたら’を参考にしてください。

仲良し猫

さらに、実際に交尾・出産には至らずとも、若いオスが老齢のメスに対してマウンティングをすることもありえますので、その場合は年齢差がもっと広がることになります。

もっとも、自然状態ではメスは生殖能力の高い、強く元気なオスに惹かれますので、自ずとカップルの年齢は近づいていくのかもしれません。ちなみに交尾の際に相手を選ぶ権利は完全にメスの方にありますので、オスはメスに気に入られ、交尾の相手に選ばれるよう、ひたすらアピールをすることになります。

人に対して恋愛感情を抱く?

人間以外の動物では、プラトニックな恋愛感情というのは生じにくいと思われます。従って、動物の恋愛感情を交尾への欲求と捉えた場合、残念ながら、猫が飼い主さんを始めとする人間に恋愛感情を抱くことはなさそうです。

抱っこされる猫

ただし、恋愛感情とは言えないものの、猫は飼い主さんに対するたっぷりの愛情を日常的に示してくれる、とてもかわいい動物です。

たとえば、猫が飼い主さんの近くに寄ってきて、頭を擦り付けてくる「マーキング」をするときは、「この人はわたしのもの!」という主張をしています。あるいは、飼い主さんが部屋から部屋へと移動するたびに後からついてきて、まわりをうろうろしているようでしたら、それは猫が飼い主さんのそばにいたいという意思表示に他なりません。

虫や小動物など、あまりありがたくないプレゼントを気前よくくれるのも、その贈り物によって飼い主さんが満足してくれることを望んでのことです。そう、一見クールと思われがちな猫ですが、じつは「好き」という感情をちゃんと態度でも示してくれる、愛情深い動物なのです。

なお、先に記したように交尾の欲望の代用として、オス猫が人間の腕や足を使用してマウンティングすることもまま見られます。これも慣れれば、なんだかかわいい行動かもしれませんね。

一夫多妻制?、それとも一夫一妻制?

見つかっちゃった猫

ライオンなどほかのネコ科の動物と同様、猫は女系家族を作ることで知られています。

孤独を好み、単独行動をするイメージの強い猫ですが、野生ではメスの成猫が小さな群れを形成することがあり、多くの場合そこには親子、姉妹など、女系の血統的なつながりが認められます。大きな群れは、こうしたいくつかの家系が集まったものとなります。

‘避妊・去勢が転換期-“兄弟愛”を利用した多頭飼いのコツ’でも紹介しています。)

通常、群れからはオス猫は排除されており、一夫多妻制か一夫一妻制かという問いに即して言えば、いずれも当てはまらないことになります。

発情期、猫は交尾を行いますが、相手は1匹に限定されてはおらず、機会があればオス、メスとも複数の異性と交尾をします。そのため、同時に生まれた子猫たちの父親が異なっているケースも珍しくはありません。

近親交配は普通?

上記の通り、自然の環境下では、猫は近親交配を避けるため、生殖可能なオスは自ら群れを離れたり、母親から追い出されたりします。発情期には他の群れのメスに近づき、交尾を行います。

猫たちにも様々な恋愛事情があるようです。研究は続けられていますので、今後も新たな発見があるかもしれません。飼い主として、猫ちゃん達の意思を尊重して猫ちゃんの本能のおもむくままに生活できるよう環境を整えてあげましょう!

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