トイレ砂、容器、場所―猫に快適なトイレの作り方

猫ちゃんが暮らす「住まい」を整えるにあたって、重要なのが快適なトイレを設置すること。そしてそのトイレを清潔に管理することは、飼い主さんの大事な仕事。猫ちゃんはトイレを済ませた後、自分で砂をかけて隠しますが、その後の始末は自分ではできません。またトイレが汚れていても文句を言うことはできないのです。猫ちゃんが快適なトイレライフを過ごすことができるかどうかは、飼い主さん次第といえます。またトイレ掃除は猫ちゃんの健康をチェックする大切な機会。毎日しっかり掃除していれば、尿や便を通して猫ちゃんの体調を知ることができます。トイレ環境を整えることは、猫ちゃんの健康を守ることにもつながるのです。

猫満足のトイレ基準

猫目線で考える理想的なトイレとは、トイレ容器の形状、トイレ砂の種類、設置場所という3つのポイントが快適な状態に満たされていること、そしていつも清潔な状態になっていることです。具体的にはどういうことかというと

トイレ容器は大きく深く広々と

  • 猫の体よりも大きく広々としていること
  • 上部にカバーのないタイプ
  • たっぷりと砂が入る深めのもの

このタイプが猫にとっては快適といえるトイレです。大事なのは猫の体の大きさに合っているかどうかということ。猫の体長の1.5倍以上の長さが理想的なサイズです。トイレカバーがついているものは猫にとっては臭いがこもりがちで気分がよいものではないので、カバーなしがおすすめです。また、排泄後の砂かけは猫にとって大切な行動ですから、砂をかいてトイレの底が見えるようでは少なすぎます。たっぷりと砂が入る深いタイプが猫が落ち着くトイレです。

トイレ砂は鉱物系の砂

実際自然にある砂と近い鉱物系の砂を猫は好みます。大粒の紙砂やウッドチップの砂などは砂利道でおしっこをしているようなもので、猫にとってはあまり快適ではありません。

トイレの場所は

  1. 人通りが少なく静かなところ
  2. 自由に出入りできる
  3. 食事場所と離れている

この3つをクリアする場所が最適。
排泄を見られることを嫌う猫も多いので、人目が気にならないところがベストです。ただし、狭い部屋や周囲がおおわれた場所に置くのはNGです。排泄中は無防備になるので、猫はいつでも逃げ出せるように見晴らしのよい場所でトイレをしたがる傾向にあります。周囲がまったく見えない場所というのは、それはそれで警戒心を呼び起こしてしまうのです。

ではどんなトイレを選べばいいの? トイレのタイプいろいろ

toilet_2猫にとっての理想的なトイレの基準はわかっていただけたかと思います。ただ、これはあくまでも猫にとっての理想。できるだけかなえてあげたいところですが、飼い主さんの住環境やライフスタイルによっても変化するのは仕方のない部分です。

理想的なトイレは、広く、深く、砂がたっぷり入っていますので、単純にとても重いです。体力のない飼い主さんの場合、持ち上げられずこぼしてしまうこともあるかもしれません。また、カバーのないものはそのぶん臭いがさらされやすいので、部屋に臭いがすることも。小さいお子さんのいるおうちの場合、猫の排泄物の染み込んだ砂を触ったり口に入れたりする危険性も出てきてしまいますね。排泄物や砂などのゴミを出せるタイミングがどれくらいある地域なのかということも重要な部分です。飼い主さんが、きちんと管理してあげられるようなトイレを選ぶことが大切ですね。最近はさまざまな種類のトイレ容器や砂が販売されているので、複数設置して猫に好みのものを選んでもらうのが一番。飼い主さんと猫の双方が納得できるトイレをカスタマイズしていきたいものです。

<形状>

◎箱タイプ

汚れが見えやすく掃除もしやすいのが特徴。衛生的に使用できます。

◎フードタイプ

人目を気にする猫におすすめ。砂が外に飛び散るのを防げますが、その分臭いがこもりがち。こまめな掃除が必要です。

◎システムタイプ

上下段に分かれるタイプで、上段はトイレ用砂、下段にマットやペットシーツを敷き臭いを吸収する仕組みになっています。

<トイレ砂>

素材や粒の大きさ、感触など猫によってこだわるポイントは違います。素材別に種類豊富なトイレ砂が販売されています。神経質な猫は砂を変えただけでトイレを使わなくなってしまいますので、砂選びは慎重に行いましょう。

◎鉱物系

自然の砂に近いので好む猫が多くおすすめです。吸収力・消臭力に優れていますが、重くてほこりが出やすいのが難点。不燃ゴミとして処理します。灰色であることが多いため、血尿などの尿の色の変化がわかりにくいという欠点もあります。

◎おから系

吸収力・凝固力が高く、トイレに流せるため使いやすいとの声も。おから独特の臭いがあり、猫が食べてしまうこともあるので要注意。

◎材木系

脱臭・消臭効果が高い反面、凝固力はそれほど強くなく、使っているうちにくだけて粉状になるため飛び散ってしまうこともあります。可燃ゴミとして処理できます。

◎シリカゲル系

吸収・乾燥力が高く、消臭力もありますが、固まらないものもあります。不燃ゴミとして処理します。

トイレはいつもきれいにしておこう

toilet猫の嗅覚の鋭さは人間の数万倍といわれます。たとえ人間が感じなくとも、猫にとっては我慢できないぐらい臭いということもあるのです。そのため汚れたトイレは猫にとって大変なストレスになってしまいますし、場合によってはトイレを使わなくなることもあります。若い猫の泌尿器疾患の中で一番多い病気として「特発生膀胱炎」が挙げられますが、原因のひとつに考えられているのがトイレが気に入らず、排尿を我慢してしまうことです。病気予防の観点からもトイレをきれいに保つことはとても大切なこと。その都度排泄物を取り除くことはもちろん、2週間に1回は砂をすべて入れ替え、さらに1カ月に一度はトイレ全体の掃除を行いましょう。トイレは水洗いしたあと除菌スプレーをかけ、さらに天日干しを行うことにより除菌・消臭効果が高まります。トイレがきれいになると、猫も気持ちがよくてご機嫌になりますね。

猫の数プラス1個が理想的

トイレは猫の数だけあればいいと思うのは間違いです。理想は猫の数+1個。2匹飼っている家なら3個以上、3匹なら4個以上あれば、すべて使用中で塞がっているという状況を防ぐことができますし、きれいな状態のトイレを使うことができます。1匹の場合でも夜間や飼い主が外出中だったりすると、どうしても掃除が行き届かなくなります。もうひとつ予備があれば猫はいつでも快適な状態のトイレを使うことができるのです。

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監修: 東京猫医療センター 服部幸
監修: 東京猫医療センター 服部幸
2003年、北里大学獣医学部卒業。
SyuSyu CAT Clinic院長、アメリカのテキサス州にある猫専門病院の研修プログラムを経て、2012年、東京猫医療センターを開院する。2013年には、アジアで2件目となるISFM(国際猫医学会)のゴールドレベルの認定を取得。
10年間にわたり、猫の専門医療に携わる。
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