実は難しい猫の手作りフード。必要な栄養素は何?

catfood

猫ちゃんは肉食動物だということをきちんと知っていますか? 雑食性の人間とは体の構造が違い、猫ちゃんはねずみや魚などの肉を内蔵から骨までまるごと食べることで必要な栄養が補えるようにできています。動物性たんぱく質を摂取しなければ猫ちゃんの肝臓は正常に機能しませんし、腸管が短いという肉食性動物の体の特徴を持っています。
 
肉は消化がしやすいので腸管が短くても大丈夫なのですが、肉にくらべて植物は消化が非常に悪いため、草食獣は長い腸管をもっています。余談ですが、パンダは例外で笹を食べているにもかかわらず腸の長さは肉食獣の熊と同じです。腸が短いため、十分な栄養素を取ることができず、それゆえ毎日大量の笹を食べなければなりません。
 
つまり猫ちゃんの体の機能に合った食事をあげないと、栄養が不足することはもちろん、臓器に負担がかかってしまいます。それが原因で寿命を縮めてしまうことも…! こうしたことを踏まえ、猫ちゃんに必要な食事について考えてみましょう。

猫に必要な栄養素

たんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラル、炭水化物といった5大栄養素は人間が生きていく上で欠かせないもの。それは猫も同様です。中でも肉食の猫にとってたんぱく質は何より大事。体重1kgあたりの1日の平均必要量はなんと人間の5倍。同時に猫の体で合成できない必須アミノ酸のタウリン、必須脂肪酸のアラキドン酸、ビタミンA、ナイアシンは欠かせません。栄養素とともに必要なのが水分です。猫は基本的に食べものから水分を吸収し、足りない分を飲み水で補っています。水分は猫の体の60〜80%を占める要素。きちんと水を飲んでいるかもあわせて確認するようにしましょう。

手づくり料理で気をつけるところ

猫ごはん猫には既成のキャットフードではなく、手づくりの料理を食べさせたい! そう考える飼い主さんも多いと思いますし、すでに実行されている方もいるでしょう。手づくり料理のメリットは常に新鮮な材料を使用できることや、添加物や防腐剤が含まれずに済むこと。ただしデメリットもあります。完全な肉食動物である猫が必要とする栄養素すべてを、手づくり料理でカバーすることはとても大変。ひとつの食材で猫にとって必要な栄養素をすべて満たすことは不可能なので、いくつかの食材を組み合わせる必要があります。さらに、そうした料理は保存が利かないので、毎日作らなければいけないという手間もあります。
 
実際のところ、猫の日々の食生活を完全に手づくり料理だけにするのには、かなりの知識を要します。ペットの栄養について専門的に学んだわけではないのなら、安易にチャレンジするべきではないといえます。キャットフードと並行して、週に何度か手づくり料理を取り入れてみるということであれば可能かもしれません。その場合も、食材の組み合わせや各食材の必要な量など、細かく気を配る必要がありますので、獣医師やペット栄養管理士に相談しながら行うようにしましょう。

ちょい足しも立派な手づくり料理

sasami特に体調が悪いわけでもないのに、猫は突然食事を摂らなくなることがあります。単にお腹が空いていないなど、いくつか理由が考えられますが、その中のひとつに、いつもの食事に飽きてしまったというものがあります。そんな時、ちょっと頑張って猫の食事を作ってみましょう。と言っても、それほど難しいものではありません。鶏肉のササミを味付けせずに茹でて、ほぐしていつものフードに混ぜてあげるだけでも猫にとっては美味しい料理です。また、味付けせずに仕上げた魚の茹で汁をウェットタイプのキャットフードと合わせてみるなど、ちょっと手を加えるだけでオリジナル料理ができあがります。

ドッグフードは厳禁!

犬は半肉食、半雑食の動物ですので、猫とは必要な栄養素が異なっています。同じ肉食動物と考えられ、猫にもドッグフードをあげていた時代があったようですが、それが猫の体に重大な危険を引き起こしました。ドッグフードだけを長期間食べていた猫の中で、「拡張型心筋症」という心臓病が多発したのです。原因は猫の体に絶対必要なアミノ酸のひとつであるタウリンがドッグフードに十分入っていなかったことでした。犬はこのタウリンを体の中で合成できるので問題はありませんが、猫は違います。猫は体の中で合成できないため、食事にタウリンが含まれていることはとても大事なことなのです。ドッグフードを猫にあげるのは、猫の体に害を及ぼすということを覚えておいてくださいね。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterでにゃんペディアをフォローしよう!

監修: 東京猫医療センター 服部幸
監修: 東京猫医療センター 服部幸
2003年、北里大学獣医学部卒業。
SyuSyu CAT Clinic院長、アメリカのテキサス州にある猫専門病院の研修プログラムを経て、2012年、東京猫医療センターを開院する。2013年には、アジアで2件目となるISFM(国際猫医学会)のゴールドレベルの認定を取得。
10年間にわたり、猫の専門医療に携わる。
トップへ戻る